NCL (NCAR Command Language) をUbuntu20.04で使う - miniconda利用

背景

Ubuntu標準リポジトリ所載のncl-ncarg (v6.6.2b4)が動かない

aptコマンドでインストール可能

WRFのplotgrids_new.ncl (計算領域を表示)で背景色が出ない
(libcairoのバージョンが合わないらしい)

⇒ NCAR推奨のconda環境を用いたインストールを試みました。
　pythonは使わないので、容量の小さいminicondaを導入しています。

環境

• Ubuntu 20.04.4 LTS
• miniconda 4.12.0 (今回インストール)
• ncl 6.6.2 (今回インストール)
• WRF 4.3.2 (インストール済)

インストール

miniconda

1. 最新版インストーラーをここからダウンロード
   LinuxならMiniconda3 Linux 64bit

2. インストーラー実行 (インストール先: $HOME/miniconda3)

   $ bash Miniconda-3-latest-Linux-x86_64.sh
   

   下記コマンドでバージョン番号が出れば成功

   (base) $ conda -V
   

3. .bashrcの設定変更
   インストール時に追加される下記部分を別スクリプトに移す(新たにsetconda.shを作成)。

   .bashrc

   # >>> conda initialize >>>
   # !! Contents within this block are managed by 'conda init' !!
      ...
   unset __conda setup
   # <<< conda initialze <<<
   

intel compiler との干渉を避けるため

• minicondaを使うターミナルではsetconda.shを実行
• intel compilerを使うターミナルではsetintel.shを実行
  （どちらもログイン後一度で良い）

intel compilerが使える環境ではintel pythonとの干渉に注意

nclインストール

上述setconda.shなどにより、condaが使用可能な状態で

1. ncl_stableという環境を作り、その中にインストール

   $ conda create -n ncl_stable -c conda-forge ncl
   

ncl実行

毎回ncl実行環境(ncl_stable)に入る必要がある
※condaが使用可能な状態であることが前提(setconda.sh)

1. ncl実行環境(ncl_stable)に入る(activate)

   $ conda activate ncl_stable
   (ncl_stable) $    # ncl_stable環境に移行
   

2. ncl実行 ($以降のみ入力)

   # 1. バージョン表示
   (ncl_stable) $ ncl -V
   # 2. X-window表示 (Enterで改ページ) ($NCARG_ROOTは設定不要)
   (ncl_stable) $ ncl $NCARG_ROOT/lib/ncarg/nclex/gsun/gsun02n.ncl
   # 3. pngファイルを作成
   (ncl_stable) ncl $NCARG_ROOT/lib/ncarg/nclex/nug/NUG_multi_timeseries.ncl
   

3. 実行環境から抜ける方法
   ※実行後、(base)と表示される時は再度実行

   (ncl_stable) $ conda deactivate
   

4. 他のcondaコマンド

   $ conda info -e  #仮想環境一覧 (-a)
   $ conda activate (deactivate) [環境名]
   $ conda update --all (または conda upgrade)
   $ conda -V
   $ conda search
   $ conda list (-n ncl_stable)
   

海岸線（高解像度版、必須ではない）

• ここからファイルをダウンロード
  range(0).zip ... range(4).zip
  gshhs(0).zip ... gshhs(4).zip
  https://www.io-warnemuende.de/tl_files/staff/rfeistel/download/rangs(0).zip
• ファイルを下記に展開する

 $NCARG_ROOT/lib/ncarg/database/rangs
($NCARG_ROOT=$HOME/miniconda3/envs/ncl_stable)

まとめ

1. Ubuntuでのnclのインストールは
   minicondaのncl_stable環境を作成し、その中にインストール
   がおすすめ。海岸線データ以外、追加設定は不要です。

2. nclを使うときは、condaが使用可能な状態で(setconda.sh)
   (利用開始) conda activate ncl_stable
   (利用終了) conda deactivate

3. 時々、メンテナンスが必要かもしれません。
   conda update --all

4. 下記記載の方法に従いましたが、intelコンパイラとの共存のための工夫をしています。