はじめに
「EthereumってBitCoinの安いやつでしょ?」
Ethereumのことをこんな風に思っている方は、少なからずいらっしゃるのではないでしょうか?
たしかにEthereumのネイティブ通貨であるETH(Ether)は、市場でやりとりされる仮想通貨の一つではあります。
ですが、その本質はブロックチェーン上でスマートコントラクトを動作させるための燃料です。
そして、そのスマートコントラクトが生み出す種々のトークンを売ったり買ったりできるのが、Ethereumの魅力の一つです。
「ふーん、でトークンの売買って楽しいの?」
という方、せっかくの機会です。
Ethereumのテストネットでトークンの売買を実際に体験してみましょう。
この記事について
この記事が想定する動作環境は[PC上のChromeブラウザ]となります。
下準備として、まず下記の3ステップを説明いたします。
①Ethereumのお財布を作る
②テストETHをもらう
③お財布をマーケットに連携させる
その後、トークン体験として下記の2つを説明いたします。
トークンの購入
トークンの出品
では、早速いきましょう。
下準備①:MetaMaskを導入してウォレットの作成
EthereumブロックチェーンでETHを扱うには、Ethereum上の銀行口座ともいえるアドレスが必要になります。
このステップでは、Chromeブラウザ上でEthereumアドレスの管理を簡単に行えるMetaMaskを導入します。
ChromeブラウザにMetaMaskプラグインの追加
Chrome ウェブストアにアクセスします。
①[Chromeに追加]ボタンをクリックします
②開いたダイアログにて[拡張機能を追加]ボタンをクリックしてMetaMaskを追加します
MetaMaskの起動
①Chrome右上の[拡張機能]アイコンをクリックします
②開いたメニューから[MetaMask]をクリックして起動させます
アカウントの作成開始
①MetaMaskのウェルカム画面で[Get Started]ボタンをクリックします
②[Create a Wallet]ボタンをクリックしてアカウントの作成を開始します
パスワードの入力
①アカウントに設定するパスワードを入力して利用規約をチェックします
②[作成]ボタンをクリックします
③[CLICK HERE TO REVEAL SECRET WORDS]をクリックして秘密の単語を表示させます
ニーモニックの確認
①表示された秘密の単語を忘れないようにメモしておきます
(※この12個の英単語はニーモニックとも呼ばれ、アカウント情報を、人間が見て分かりやすい形でバックアップするための仕組みです)
②[次へ]ボタンをクリックします
③メモしておいた秘密の単語を正しい順番で全て選択します
④[確認]ボタンをクリックします
アカウントの作成完了
①[全て完了]ボタンをクリックします
②[トークンの交換]ダイアログが開いた場合は[×]ボタンをクリックして閉じます
③この画面が表示されたらアカウントの作成は完了です
捕捉
以降の説明をお試しいただく際、MetaMaskの画面が消えてしまっていた場合には、機能拡張からMetaMaskの画面を呼び出す必要があります。
①Chrome右上の[機能拡張]アイコンをクリックします
②機能拡張メニューから[MetaMask]を選択します
③[MetaMask]の画面が開きます(※セッションが切れている場合はパスワードの入力を要求されます)
④ピン止めをしておくと機能拡張バーに[MetaMask]のアイコンが固定されるので便利です
下準備②:ツィートしてETHの取得
アカウントを作成した段階では、お財布の中身は空っぽ(0ETH)です。
ここでは、トークンの売買に先立って[ETH]を入手しておきます。
テストネットであるRinkebyでは、Twitter経由でETHを獲得できます。
MetaMaskの接続先をテストネット[Rinkeby]へ変更
①MetaMaskの[Ether送受信ネットワーク]設定をクリックします
②開いたメニューにて[Rinkebyテストネットワーク]を選択します
テストETHを受け取りたいアドレスをツィート
①MetaMaskのアカウント部分をクリックしてアドレスをコピーします
②[Twitter]クライアントを起動させ、コピーしたアドレスをツィートします
(※非公開のTwitterアカウントのツィートだと振り込んでもらえないので、必ず公開アカウントでツィートしてください)
③ツィートのURLをコピーします
ファウセットサイトでETHを受け取る
ETHの受け取りには、Rinkebyのファウセットサイトへアクセスします。
(※ちなみにファウセットとは「蛇口」の意味で、ひねるとETHがジャブジャブ出てくるという比喩からきています)
①ツィートのURLをペーストします
②[Give me Ether]プルダウンメニューから欲しいETHの額を選択します
(※一度に多く貰うほど、次にもらえるようになるまでの待ち時間が長くなります)
これで、しばらくするとツィートしたアドレスにETHが振り込まれるはずなのですが…
エラーが発生してしまい、ETHを受け取れませんでした…。
Rinkebyのファウセットサイトは、たまに処理が滞ってしまい、ETHがもらえなかったりします。
こんな時はしばらくまってからやり直すしかありません。
ですが、今回は、どうしてもテストをしたいので、別のアプローチを試してみることにします。
「あしながおじさん」からETHを受け取る(ことができるかもしれない)
やることは先の手順とあまり変わりません。
下記の文面でツィートしてみましょう。
Requesting faucet funds into [Ethereumアドレス] on the #Rinkeby #Ethereum test network. 1
(※[Ethereumアドレス]の部分をご自身のアドレスに変更してください)
大事なのは[#Rinkeby]ハッシュタグと振り込んでもらいたいアドレスを間違わない事です。
上記は[#Rinkeby]ハッシュタグで検索してみた結果です。
ファウセットサイトでETHを受け取れなくて困っている皆さんのツィートがずらりと並んでいます。
あとは、このツィートを見た「あしながおじさん」が、ETHを振り込んでくれることを期待して待ちましょう。
ETHの振り込みを確認
しばらくしてからMetaMaskを確認してETHの残高が増えているかを確認します。
残高が[1 ETH]になりました!
これでトークン売買に必要なお金が手に入りました。
(※実は1日経過してもファウセットサイトのエラーが治らず、「あしながおじさん」も現れなかったので、上記[1 ETH]は自分の別アカウントから振り込みました…)
下準備③:OpenSeaとMetaMaskの連携
OpenSea は Ethereumのトークン(ERC721/ERC1155)を扱うマーケット(Webサイト)です。
まずは、OpenSea(テストネット)へアクセスします。
https://testnets.opensea.io/
実際にトークンを売買するにはOpenSeaとお財布(MetaMask)を連携させる必要があります。
OpenSeaのアカウント設定の開始
①右上のユーザーアイコンをクリックします
②メニューから[Account Settings]を選択します
MetaMaskとの連携
①MetaMask画面が開くので[Sign In]ボタンをクリックします
②アカウントの選択ダイアログにて[次へ]ボタンをクリックします
(※複数アカウントをお持ちの場合はテスト対象のアカウントかを確認してください)
③アカウント連携ダイアログにて[Connect]ボタンをクリックします
④アカウントの署名を求められるので[署名]ボタンをクリックします
連携の確認
OpenSeaとアカウントの連携を確認します
①MetaMaskに設定したアドレスが表示されていることを確認します
②Chromeの[拡張機能]から[MetaMask]を呼び出します
③接続状態が[Connected]になっていることを確認します
これで、OpenSeaとお財布(MetaMask)の連携が確立されました。
下準備はこれにて完了です、お疲れ様でした!
トークン体験:購入
さあ、準備万端整いました。
まずは、OpenSeaでどんなトークンが出品されているのか眺めてみましょう。
①画面上部の[BROWSE]をタップすることで、出品されているトークンの一覧が表示されます
②画面左部に表示されている[Collections]では、種類別にトークンの一覧を見ることができます
↑ は[Waifu Shop]なるコレクションを表示させてみた結果です。
どこかで見たような女の子を大量に出品している、驚きの嫁ショップです。
↑ は[pepe]の単語検索で出てきた[PepemonFactory]の詳細ページです。
ネットミームで人気のカエルとP〇keMonの夢(悪夢)のコラボの実現です。
…さすがテストネットです。
なかなかのカオスっぷりにドキドキしてきます。
さて、ひとしきり商品を眺めたら、実際に、気になるトークンを購入してみましょう。
購入するトークンを探す
①良さげなトークンを見つけたらクリックします(※ここではトランプさんを買ってみます)
トークン詳細ページからチェックアウト
①トークンの詳細ページで[Buy Now]ボタンをクリックします
②Checkoutダイアログで値段を確認して[Checkout]ボタンをクリックします
トランザクションの発行
①ETHの送金ダイアログにて[確認]ボタンをクリックします
②しばらく待ってトランザクションが成功したら購入手続きの完了です
購入したトークの確認
手持ちにトランプさんが来たかを確認しましょう。
①OpenSeaサイト右上のアカウントアイコンをクリックします
②メニューから[My Items]を選択します。
③保有リストに購入したトークンが表示されていたら購入は完了です
トランザクションの成功後、実際にOpenSeaの画面にトークンが反映されるまでにはしばらく時間がかかります。
[My Items]に買ったトークンがなかなか反映されない時は気長に待ちましょう。
トークン体験:出品
さぁ、次はトランプさんを売り払ってみましょう。
出品するトークンの選択
①保有リストから出品したいトークンを選択します
②トークン詳細画面の[Sell]ボタンをクリックします
販売形式と価格の設定
①販売形式を[Set Price]に設定します
(※これは一番シンプルな定額販売となります。また、オークション形式(Highest Bid)やパック形式(Bundle)などでの販売も可能です)
②販売価格を設定します(※ここでは購入価格の5倍の[0.5 ETH]にしてみました)
③[Post Your Listing >]ボタンをクリックします
トランザクションの発行
①&②出品処理の確認ダイアログにて[確認]ボタンをクリックします
(※出品するにはブロックチェーンへの書き込み処理が必要になるため、手数料としてETHを消費します)
③署名のリクエストダイアログにて[署名]をクリックします
出品の完了
トランザクションが成功すると出品手続きの完了です。
この時、出品者のメルアドとニックネームが未設定の場合、入力画面が開くのでお好みで入力します。
(※この設定は無視しても問題ありません。また、テストネットだとメルアドを登録しても、落札時の通知はこないようです)
出品確認
これで、トランプさんの出品は完了です。
あとは売れるのを期待しましょう。
最後に
いかがでしたでしょうか?
保有するETHやトークンに何の価値もないテストネットではありますが、
それでも十分に、トークン体験を楽しんでいただけたのではないでしょうか?
もし興味がでたのでしたら、次は[メインネットのOpenSea]を覗いてみましょう。
こちらでは「本物のETH(リアルマネー)」によってトークンが売買されています。
例えば、[CryptoKittiesの取引履歴]なんかは、見ていて飽きません。
それでは、ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
この記事が、トークンを身近に感じるきっかけになってくれたのなら嬉しいです。