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80人規模の大学生サークルで(強引に)Notion導入した

Last updated at Posted at 2020-11-17

所属するサークルの情報共有の環境が荒野に等しく、整備のために最近ひとりでNotionを立ち上げて半ば強引に全体導入してもらうという経験をしました。この記事では、

  • 以前の状況と解決したかった課題
  • 導入のステップ
  • 導入から約2ヶ月、受けた恩恵
  • これからの課題

を記します。職場などにNotionを導入したい方、Notion好きの方は楽しんでいただけると思います。長いので恩恵のとこだけ読むのがおすすめです。

以前の状況と解決したかった課題

情報共有の要はSlack(freeプラン)でした。うちのサークルには大きく分けて縦割り5チームがあるのですが、

  • 各チームごとのワークスペース(5個)
  • 全体のワークスペース(1個)
  • 財務資料を一元管理するワークスペース(1個)
  • その他、イベント関連や過去問管理など勢いに乗って作ったやつ(2個)

という風にワークスペースが氾濫しています。サークルの人は原則すべてのワークスペースに入っていないといけません。

しかも、

  • チャット系はLINEで済ませていて
  • 各チームごとに固有のドライブ(Google DriveとかOne Driveとかまちまち)を保持している

ので、Slackはストック情報を管理しているのかフロー情報を管理しているのかわからない状態でした。サークルなのでちゃんとしたルールがなかったんですね。

すでに地獄っぽいのは伝わっていると思うんですが、特に大きな問題点として

  • どこにどんな情報があるのかよくわからない
  • 透明化のためにすべてのワークスペースに入らせているのに、結局チームごとにクローズドなLINEグループでメインのやりとりが行われているので他チームの状況がわからない
  • いろんな管理チャネルがあるのでそれに対応してパスワード等もたくさんある

があげられました。

手を入れたいところは色々ありましたが、とりあえず

  • ストックとフローを分離する
  • フローを活発にする
  • ストックを一元化して整理する

に課題を絞り、これをSlack×Notionで実現することにしました。

で、この記事でNotion部分のお話をしているわけです。

導入のステップ

ざっくりいうと、

  • ひとりでつくる
  • 使ってもらう

で導入しました。単純ですみません。

ぼくはサークルの幹部(トップ周辺)なのですが、幹部のリーダー(トップ)が理解のある人で「Notionイケてるね!試しに作ってみて!」とNotion導入に全面賛成してくれました。そこでさっさと作ってしまい、幹部から順にテスト利用してもらって、「まあ、これでいいか」みたいな感じで全体承認されていきました。言葉で利点を説明するより現物を使ってもらったほうが早い気がします。

重要なのがプライシングですが、ページを「Any logged in Notion user can edit」な状態にしておくことで、無料プランでの大人数利用を実現しています。有料にしたい気持ちはありますが、そこまで不都合はありません。

Screen Shot 2020-11-17 at 16.05.36.png

ひとりでつくる

案外簡単です。

まず、サークルで共通利用しているGoogleアカウントでNotionにログインしてページを作成しました。トップページを設けて、一覧性を高めています。アイコンはNotion Iconsです。

↓実際のトップページ↓
Screen Shot 2020-11-17 at 16.14.42.png
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それぞれの下層ページは大体Duplicateで作成しました。Duplicate元のページの構造は、

  • ミーティングレジュメテンプレートボタン
  • ミーティング議事録アーカイブ(データベース-ページ)
  • 資料集(データベース-インライン)
  • タスクボード(カンバン-インライン)

と、なるべくシンプルに、かつ機能性の高さを感じてもらえるようにしました。

あとは適宜イベントカレンダーのページを作ったり使い方ガイドのページを作ったりして終了です。詳細部分は次の「つかってもらう」の最中に拡張してもらいました。

つかってもらう

根回し的に、徐々に徐々に浸透させていくのがミソです。

  • PC操作になれている人
  • サークル内の地位が高い(かつプライドが高そう)な人
  • 1年生
  • 残りの上級生

の順に使ってもらいました。PC操作に慣れている人はすぐNotionにハマり、サークル内の地位が高い(かつプライドが高そう)な人は意地でうまく使いたがり、1年生は戸惑いながらも素直に利用を試み、残りの上級生は周りが使っているので使ってくれました。WordPressっぽいNotionの操作感は「最初のハードルを乗り越えれば病みつき」という感じでわりと最初から人気でした。

↓1ヶ月経って拡張された下層ページの一部↓
Screen Shot 2020-11-17 at 16.18.01.png
Screen Shot 2020-11-17 at 16.18.08.png

受けた恩恵

一言で言えば、「ドキュメント管理が楽すぎる」ということに付きます。サークル内の資料といえば90%以上が文字資料だったので、Notion導入は非常に大きなインパクトでした。以下にメリットを具体的に上げていきます。

ドキュメントの共有形式・書式の統一

地味に重要です。個々人の好み(または無頓着)によって、まずローカルかクラウドか(ダウンロードが必要なやつかブラウザ上で閲覧できるやつか)が違うし、そこからWordだったりPDFだったりするのでいちいちストレスがたまります。「そこまで実害なくない?」とサークルの人はいうのですが、そういうことじゃないのです。ストレスをどれだけ減らすかが最重要課題なのです。

Notionの導入によってドキュメントは基本Notion上で作成されることとなり、「リンクの共有」という統一の共有方法が確立されました。Notionのドキュメント間ならコピペやDuplicate、引用なども余裕です。WordやPDFはコピペ時に障害があるのでストレスフリーになる以上のメリットでした。

ワンクリックレジュメ作成

うちのサークルでは

  • 縦割り5チームごとに毎週ミーティングがあり、
  • 更にミニチーム等でこまごまとしたミーティングもある

のでレジュメ作成の手間は膨大です。僕は週平均3~4つのミーティングに出ています。

以前は「Zapierで指定の時間になったらGoogle Docsのレジュメ雛形を複製してSlackに送る」という大学生にしては手の込んだ(?)自動化をしていたのですが、ちょいちょいエラーがあったしそもそも難しいので大学生サークルには不向きでした。

NotionではTemplate buttonを活用することによってワンクリックでレジュメの雛形を作成することができます。自動化の必要すらありません。雛形の管理も簡単で、この機能は最も評判が良かったように感じます。
Screen Recording 2020-11-17 at 16.21.51.gif

見た目がキレイ

地味に重要です。「そこまで実害なくない?」とサークルの人は(以下省略

言うまでもなくNotionの見た目は超キレイです。フォントの選択肢も3つだけありますがdefaultで統一しました。Notion Iconsのおかげでより一層いい感じに見えます。

思わぬ副産物も有りました。サークルではそもそも書式に無頓着な人が多かったのですが、書式が多様なNotion導入を機にきちんとした書式利用が定着し始めたのです。最近は1年生でも見出し・箇条書き・太字強調などでしっかり構造化されたドキュメントを書ける人が増えました。

便利なアーカイブ

以前は「いちいちレジュメと別に議事録を作って、担当者は完成とともにSlackで共有する」という無駄の多い方法で資料アーカイブを作成していました。

Notion導入後は「議事録をレジュメに直接書き込んでアーカイブページにドラッグアンドドロップ」で終了です。アーカイブページはデータベース形式にしています。レジュメタイトルに日付を入れてSortすることで時系列順の並べ替えを実現しています。いちいちDateプロパティをデータベースに書き込むより簡単です。

Screen Recording 2020-11-17 at 16.25.02.gif

参加者や議論内容をタグ化して付与したりなど、拡張の余地はまだまだありそうです。

関連資料がすぐわかる

最近の追加機能で、ページの引用状況がすぐわかるようになりました。めちゃめちゃありがたいです。「どこにどんな資料があるかよくわからない」以前とは異なり、関連資料が一覧化されててワンクリックでアクセスできます。引用されている数で資料の重要度もわかるところもミソです。

Screen Shot 2020-11-17 at 16.27.16.png

Quick Find最強

Quick Findが議事録の検索などに超便利です。「いたりあ小僧の話したのいつだっけ?」というとき、Command+Pで「いたりあ小僧」と検索するとNotionが全ページ検索してくれます。いたりあ小僧の話をしたミーティングの議事録がすぐに出てくるのです。ちなみにいたりあ小僧は大学近くの美味しいレストランです。
Screen Shot 2020-11-17 at 16.27.59.png

Slack連携でフローを自動化

NotionとSlackは超簡単に連携できます。連携すると「Notionの特定のページとそれより下層のページの変更を自動で特定のSlackチャンネルに通知する」ことができます。

たとえばTop/チームA/定例ミーティングのページをSlackの#チームAレジュメチャンネルと連携させ、定例ミーティングのページでレジュメ作成を行うとその変更がいちいちSlackに通知されます。

Screen Shot 2020-11-17 at 16.48.08.png

通知内容が見づらいのでSlackだけで確認を完結させることはできませんが、共有の手間が省けるし作業フローが可視化されるのでかなり使い心地がいいです。

これからの課題

画像管理

Notionで画像管理は難しいと感じています。Galleryで写真を一覧にすることはできるのですが、一括インポートはほぼ無理(多分)。一枚ずつちまちまアップロードしなければいけません。無料だと一回のアップロード上限が5MBなのでなおさらしんどいです。

無料かつ複数人利用ができるいい感じの写真ストレージがあれば教えて下さい。

Notion教育

誰でも使ってみれば慣れるということには間違いないのですが、やはりPC操作になれてない人には少し敷居が高いようです。Npediaなどを活用しつつ固有の使い方ガイドを作成していますが、自発的に見てくれる人が少ないので一括教育が必要そうです。

アカウント管理

今回のNotionをサークル公認のGoogleアカウントによるログインで作っちゃったせいで、Notionにログインする前にGoogleアカウントにログインするというハードルを作ってしまいました(よく考えていなかった)。Googleアカウントの複数人利用は結構面倒なので、どうしようか困っています。有料にしてworkspaceを作成すればいい話ですが、いざとなったらアカウントをもう一つ作って今のNotionをトップページからDuplicateしようかなと思っています。なにかいい解決方法があったら教えて下さい。

結構簡単に壊れる

トップページに多いのですが、誰かの誤操作で気づいたらアイコンが外れていたりページがまるっと消えちゃってたりするということがあります。Command+Zで復元できるのはその瞬間のその人だけなので、配慮のないクラッシャーにみんなのNotionをめちゃくちゃにされる可能性は十分あります。最低限のガイドラインは設けないといけません。

Slackワークスペースは減らせなかった

これに関してはうちのサークルの問題ですが、未だにSlackワークスペースは10個近くあるままです。Notionの導入は案外すんなり受け入れられたのですが、Slackワークスペースの消去は受け入れられませんでした。ひとつにまとめたいし、有料にもしたいです……。

まとめ

Notion導入によりドキュメント管理がぐっと楽になったことで、サークルメンバーからの評判は上々です。Slack×Notionの便利さは無料で(個人ユースでも十分)享受できるので、ぜひお試しください。

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