Xを眺めていたところ、「ドラッグで文字選択をするのは情弱」みたいなポストを見つけました。これは煽り過ぎですが、言わんとすることは分かります。
要は、ダブルクリックで文字を選択しろ、というワケです。もちろん、場合によってはドラッグを使うこともあるでしょうが、「エンジニアの常識」として「それくらい知ってるよね?」という趣旨のポストです。
まぁ?確かに?その機能はとても便利だよね(ドヤァ)。私も作業効率をあげるため、それとコピペミスを防ぐためにも重宝しています。
ただ、「情弱は言いすぎかな。その機能、あまり知られてないだろ」と私は思っています。それはあらためて学ぶものではないと思っているからです。それは「誰かが使っているのをみて覚える」タイプのものです。
知る機会がないひとも多いだろ。
知ってるから勤勉ってワケでもないだろ。
知らないから仕事ができないこともないだろ。
───という感じで反論したくなります。
とはいえ、「知らないひとも多そうだな」と思ってしまいましたよね。それで、もしかしたら「いいね」いっぱいもらえるかもにゅふふふふと気になり、記事にしました。(以降は知らないひと向けの記事です。)
じっさいに使ってみる
冒頭で「それ」だと「その機能」だの言っている「ダブルクリックで文字を選択できる機能」について、まずは体験してください。
試しに、次の文字をタブルクリックしてみてください。
DoubleClick
いかがでしょうか。すべての文字の選択ができたと思います。
では、次をダブルクリックしてください。
Double Click
Double と Click で分かれたことでしょう。
では、次はどうでしょう。
Double_Click
すべて選択できるようになりました。
───これが「タブルクリックで文字が選択できる機能」と、「ダブルクリックで選択できる「範囲」にはルールがある」という話です。
おもしろいですね。日本語ではどうなるのでしょうか。すぐに試してみたくなります。
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この機能、何がうれしいのでしょうか。
まず、作業効率があがりますね。例えば、次の文章があったとします。
推敲のコツは、声を出して読み返せ、ということである。
文章を読んで、「推敲」がなんのことか分かりませんでした。AI に質問するために、「推敲」という文字をコピーします。このとき、「推敲」をダブルクリック選択 → コピーで1発です。かんたんですね。
「べつにドラッグとそんなに時間が変わらないじゃないか!」と思われるかたもいるでしょう。たしかにそうです。短縮される時間なんてほんの1秒にも満たないです。けれど、うけるストレス、消費する集中力の量は違います。
ドラッグで "丁寧" にコピーをするのは、大変疲れる作業です。
ほかには、コピペミスがなくなります。
お客様から「新環境の IP アドレスは127.0.0.1にしたいです」と連絡をうけたとします。あなたはそのIPアドレスの値をパラメータシートにコピペしなければいけません。
丁寧にドラッグでコピーしますが、あやまって「27.0.0.1」とコピーしてしまいました。あたまが抜けてしまったのです。ダブルクリック選択 → コピーをすれば安全です。
ソースコードのちいさい文字から特定の変数名をドラッグでコピーするのは大変ですよね。ダブルクリックで選択すればよいです。転用、あるいはコード内検索で役立ちます。
「fetchAreaDateFromSql」という関数を検索します。ドラッグでは「l」が抜けてしまいそうです。あたまの「f」も怪しいものです。集中しなければいけません。
ベテランのなかには、手打ちするというひともいるかもしれません。それで、「fetchAreaDataFromSql」を手打ちして、コード内検索をしてみます。不思議なことに何も表示されていません。ソースコードのほうは「Date」とタイポしています。
ダブルクリック時の選択範囲
日本語はバツンバツンと区切られてしまう印象をうけます。英語も、空白が入ると区切られるみたいです。ルールはあるのでしょうか?
範囲は「単語」です。
通常のテキストエディタやブラウザでは、クリックした「単語」がハイライトされます。上記の例でも「単語」のコピーとしての例をあげました。
- 英語 :単語単位で選択される
- 日本語:漢字、ひらがな、カタカナの小さい単語単位で選択される。
基本的には空白や記号でも区切られますが、例外的な記号もあります。冒頭の例文では「Double_Click」は記号を含めて一括選択できています。
記号の取り扱いはアプリやOS依存ですが、一般的にはこんな感じです:
- 「.(ドット)」や「_(アンダー)」は単語とみなし、全体が選択されます。
- 「-(ハイフン)」や「,(カンマ)」は区切り文字となり、分かれます。
- () {} [](カッコ)は単独で1文字あつかいになります。
- 、。?!などは、1文字ずつ単独選択されます。
- その他の多くの記号は区切り文字となります。
もし、記号をつかって単語をつなげたいのなら、「 _ 」を使うのがよさそうです。よい例として、変数の命名規則には、スネークケースという単語の間を「 _ 」で区切る命名方法があります。
ルールを理解しているひとは、チャットで電話番号を伝えるときに、相手が一括選択 → コピペしやすいように「-(ハイフン)」で区切らないか、トリプルクリックで選択できるように改行してくれていることがあります。
トリプルクリックもある
実は、トリプルクリックの操作もあります。これも、範囲選択ですが、1行または1段落をまとめて選択します。
例えば───
検索画面で、検索条件に当てはまるデータがない場合の警告メッセージは以下のように設定してください。
検索条件に一致するデータがありません。条件を変更して再検索してください。
よろしくお願いします。
このような連絡をする、あるいはいただけると、警告メッセージの本文である2行目はトリプルクリックでコピペできるので、コピペミスもなくなるでしょう。
トリプルクリックの使いどころはダブルクリックより断然少ないです。1行コードをまとめてコピーしたいとき、あるいはターミナルでは便利かもしれません。それくらいです。
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ということで、結論っぽい結論も無いまま終わってしまいましたが。「ダブルクリックで文字を選択できる機能」は便利なので、みなさまも活用くださいという話でした。
設定値や連絡先など、メモが必要なものは、相手がダブルクリックでコピペできるようなフォーマットでお伝えするようにすれば、「お、こいつやるな」と思ってもらえるかもしれませんね。(適当)
以上です。