#はじめに
この記事はWIndowsアプリケーションをDelphiで作成する際の基本的な進め方を説明する
#進め方目次
##プロジェクトとユニットを作成
####プロジェクトとユニットについて
プロジェクトとユニットの関係性は以下のように、各ユニットをプロジェクトでまとめている
プロジェクト
├ ユニット1
├ ユニット2
├ ユニット3
プロジェクトはアプリケーションやシステムのことを指し、ユニットはそのプロジェクトを機能別、役割別に分けているものである。
そのため、それぞれのファイル名は以下にするとよい
ファイル | ファイル名 |
---|---|
プロジェクト | 作成したいアプリケーションを表す名前 |
ユニット | アプリケーション内での役割や機能を表す名前 |
####作成方法
「ファイル」>「新規作成」を選択し、該当するメニューを選択する
作成するファイル | 選択するメニュー |
---|---|
プロジェクト | Windows VCL アプリケーション - Delphi |
ユニット(フォームあり) | VCL フォーム - Delphi |
ユニット(フォームなし) | ユニット - Delphi |
※ プロジェクトを作成した際は自動的にユニット(フォーム)も作成する
その他のメニューの種類と説明については以下
参考:[新規作成]([ファイル]メニュー)
##ビジュアルプログラミング
Delphiの開発は「ビジュアルプログラミング」と「コードの記述」と2つの方法で開発していく。
ビジュアルプログラミングとはマウスでコンポーネントという部品をフォームにドラッグ&ドロップしてアプリ画面を作成する
前提として、フォーム付きのユニットに対して行う
####フォーム画面とコード画面の切替
F12
を押すと画面が切り替わる
####フォームのプロパティ設定
F11
を押してオブジェクトインスペクタを表示する
####コンポーネントの配置
フォーム画面の状態でCtrl + Alt + P
を押してパレットを表示する
ここでは例としてTButton
を配置する
TButton
を押して、フォームにドラッグ&ドロップする
####プロパティの設定
オブジェクトインスペクタで以下のCaption
を変更する
その他のプロパティについてはHELPを参照する
※HELPはF1で表示される
##コードの記述
上記のビジュアルプログラミングを実施後にコード画面を開くと以下のコードが記載されている
unit test;
interface
uses
Winapi.Windows, Winapi.Messages, System.SysUtils, System.Variants, System.Classes, Vcl.Graphics,
Vcl.Controls, Vcl.Forms, Vcl.Dialogs, Vcl.StdCtrls;
type
TForm1 = class(TForm)
Button1: TButton;
private
{ Private 宣言 }
public
{ Public 宣言 }
end;
var
Form1: TForm1;
implementation
{$R *.dfm}
end.
ここでは例として、「実行ボタンを押したらメッセージが表示される」コードを記述する。
####イベントとは
まず、「ボタンを押したとき」に何かをしなければならないことをDelphiに教えなければならない。
これをイベントという。
他には、「フォームを消したとき」「キーボードが押されたとき」などがある
####イベントの設定
オブジェクトインスペクタからTButton
を選択する
今回は「ボタンを押したとき」なのでOnClick
の設定値の入力箇所をダブルクリックする
コード画面にも追加されている]
procedure TForm1.Button1Click(Sender: TObject);
begin
//ここに処理を記載する
end;
####処理内容を記載
追加されたコードの枠に処理内容(メッセージを表示する)を記載する
unit test;
interface
uses
Winapi.Windows, Winapi.Messages, System.SysUtils, System.Variants, System.Classes, Vcl.Graphics,
Vcl.Controls, Vcl.Forms, Vcl.Dialogs, Vcl.StdCtrls;
type
TForm1 = class(TForm)
Button1: TButton; //コンポーネントの配置時自動入力
procedure Button1Click(Sender: TObject); //イベント設定時自動入力
private
{ Private 宣言 }
public
{ Public 宣言 }
end;
var
Form1: TForm1;
implementation
{$R *.dfm}
procedure TForm1.Button1Click(Sender: TObject);
begin
ShowMessage('実行ボタンが押されました')
end;
end.
##コンパイル
F9
を押すとコンパイルが実行され、アプリケーションが表示される
右上の「×」ボタンでプログラムが終了する
※Ctrl + F2
で強制終了させる事も可能(メモリの破棄等が行われないので注意)