Android-x86 6.0(Marshmallow)を試したくてPCへのインストールにチャレンジしてみたのですが、いくつのかのPCで試してみてもPCが古いのかAndroid-x86の制約が厳しいのか、なかか動いてくれません。
そこで実機で動かす事をあきらめてエミュレーターでと思い、VirtualBoxやAndroid Studioのエミュレーターを試してみたのですが、やっぱり動いてくれません。
無理なのかと諦めかけていた時、ふとQEMUを使ってみたら驚くほど簡単に動いたので、その時のメモです。
※ちなみに今回はウェブページの閲覧とユーザ補助、開発者向けオプションあたりが試したかっただけなので、それ以外のところは試していません。
動作環境
ホストPCのOSはLubuntu16.04(64bit)、メモリ4Gです。
事前準備
事前に必要となるのはQEMUのインストールとAndroid-x86のISOファイルのダウンロードの2つとなります。
まずはQEMUのインストールです。QEMUは標準パッケージのものを使いますので、以下のコマンドでインストールすることができます。
$ sudo apt-get install qemu-system-x86 qemu-kvm
つづけてAndroid-x86のISOファイルのダウンロードです。Android-x86のISOファイルは http://www.android-x86.org/ のDownloadからダウンロードすることができます。今回は6.0のMarshmallowを試したいので一覧の中から「android-x86-6.0-r3.iso」をダウンロードしました。
LiveCDからの起動
Android-x86を起動
以下のコマンドでAndroid-x86を起動します。-m 1G
は起動時に割り当てるメモリサイズになります。QEMUにはいろんなパラメーターオプションがありますので指定することで速度UPするかもしれません。
$ qemu-system-i386 -m 1G -enable-kvm -net nic -net user -cdrom android-x86-6.0-r3.iso
最初のメニューで「Live CD - Run Android-x86 without installation」を選択します。今までの苦労は何だったんだろうと思うほど簡単に起動してくれました。
インストール
Live CDからの起動では起動するたびに設定画面が表示されますので、何回も試すならHDDにインストールした方が楽です。以下はHDD(イメージディスク)にAndroid-x86をインストールする方法です。
イメージディスクの作成
インストールするためのイメージディスクを作成します。今回は10Gのディスクを作成しています。
$ qemu-img create -f qcow2 android.img 10G
実際に作成されたファイルを見てみると196Kのようです。10Gを指定しても作成時に10G確保されるわけではないようですので大きめに指定しても問題はなさそうな感じです。
$ du -hs android.img
196K android.img
Android-x86を起動
以下のコマンドでAndroid-x86を起動します。Live CDの時と違うのは-hda android.img
でイメージディスクファイルを指定しているところです。また-boot order=d
で明示的にCDROMからの起動を指定しなくてもイメージディスクが空っぽでブートできないためCDROMから起動してくれます。
$ qemu-system-i386 -m 1G -enable-kvm -net nic -net user -hda android.img -cdrom android-x86-6.0-r3.iso
Android-x86をインストール
最初のメニューで「Installation - Install Android-x86 to harddisk」を選びます。以降のインストールの仕方は他のサイトとかで紹介されていますので参考にしながら行ってください。
ただ以下のメッセージの箇所で< Yes >
を選択するよう紹介されている記事が多いですが、試す程度の話ならデフォルトの< No >
で良いんじゃないかと思っています。
Do you want to install /system directory as read-write?
Let /system be read-write make it easier to debug,
but it needs more disk space and longer installation time.
< Yes > < No >
HDDから起動
インストールが完了したら次からは以下のコマンドで起動することができます。
$ qemu-system-i386 -m 1G -enable-kvm -net nic -net user -hda android.img
おしまい