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IBM Cloud でIBM i V7.5を構築してみた

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2022/10/20(木) に開催された「セゾン情報システムズ クラウドLT大会 vol.1」にLT発表者として参加いたしました。

LTテーマ: クラウドサービスとしてのレガシーシステム提供の現状について

上記のLTの中で紹介した、IBM Power Systems Virtual Server を利用した、IBM i V7.5 および VPNの新規構築の詳細を記載いたします。
なお、2022年11月時点の情報となります。最新情報などは公式ページ等を参照ください。

IBM Power Systems Virtual Server とは

環境作成の手順

  1. IBM Cloud アカウントの作成
  2. Power Systems Virtual Server ワークスペースの作成
  3. 仮想サーバ・インスタンスの作成
  4. 仮想インスタンスの操作
  5. VPNの利用

IBM Cloud アカウントの作成

IBM Cloud を利用するにあたり、IBM Cloud アカウントが必要です。
下記のリンクからIBM Cloud アカウントの新規登録ができます。

残念ながら、無償利用枠のアカウントは新規受付停止となっているようで、新規登録時にクレジットカード情報が必須となります。
よくクレジットカードの認証に問題が発生するようで、私の新規アカウント作成時もサポートへの問い合わせ(Caseの作成)を実施し解決いたしました。
また、IBM アカウントをお持ちの方をIBM Cloud へ招待することもできます。リソースはIBM Cloudアカウント単位となります。
この場合はクレジットカードの登録が不要となり、利用可能なリソースや権限を詳細に割り振ることができます。うまく利用することで、管理がしやすくなるものと考えております。

Power Systems Virtual Server ワークスペースの作成

IBM Cloud のリソースの検索欄から「Power」等で検索すると、[Power Systems Virtual Server]がヒットします。

利用開始にあたり、まずワークスペースを作成します。作成時にリージョンの指定を行います。
リージョンによって利用可能なハード/ソフトウェアに違いがありますので、利用したい環境に合わせて設定してください。
利用可能な日本リージョンとしては、[東京04], [大阪21] リージョンが存在しています。
基本的に、ワークスペースの作成のみでは料金は発生しないようです。
また、ワークスペースで作成したリソースは他のワークスペースと共有することはできません。

仮想サーバ・インスタンスの作成

作成したい環境を設定し、仮想サーバ・インスタンスを作成します。
image.png
ブートイメージには、デフォルトでIBM i 7.1~7.5, AIXは7.1~7.3, LinuxはRHEL8 やSLES15 が用意されており、すぐに利用できます。
新たにブート・イメージを作成しておき、それらを指定することでカスタム・イメージとして起動することができます。
ストレージ・ボリュームやネットワーク・インターフェースは後からも変更可能ですが、初期段階で必要な分だけ確保しておくことをお勧めします。OSの自動再構成がカスタマイズされているようで、手動での再構成が必要なります。
プロファイルは、マシンタイプ以外はインスタンス停止時であれば変更可能となっています。
環境によるとは思いますが、構築には一時間弱ほどかかります。

仮想インスタンスの操作

管理画面から、仮想インスタンスの操作ができます。
image.png
起動や停止、コンソールのオープンやインスタンス自体の削除ができます。
加えて、インスタンスの詳細画面からカスタム・イメージ作成が可能です。
仮想インスタンスの起動状況に関わらず、一覧に存在することで料金が発生することになりますので、こまめな削除が望ましいと思います。カスタム・イメージをうまく利用できると大きくコストが抑制できそうです。

ブラウザからのコンソール操作

管理画面から、ブラウザベースのコンソールを利用できます。
少々操作がしづらい(ファンクションキーなど)ですが、専用コンソール(DSP01)での接続となります。
一時的な利用であれば、充分に操作が可能だと思います。
image.png

VPNの設定
Power Systems Virtual Serverには、構築不要なVPNサービス(VPNaaS)が用意されています。
必要最低限の設定で、構築した仮想インスタンスとの仮想ネットワークを構築することができます。

image.png

VPN接続を作成すると、IBM Cloud側のゲートウェイのアドレス(ピア・ゲートウェイアドレス)が払い出されるので、ローカル側のネットワーク設定および仮想インスタンスOSのネットワークの設定をすることですぐに通信できます。VPN関連の設定の詳細については、構築の経験がない方でも十分に実施可能なレベル感となっておりましたので、省略いたします。

おわりに

クラウド上でIBM i を構築し、ローカル環境との疎通までを確認できました。
実マシンでの構築と比べても非常に簡単に構築でき、また、ネットワーク含めて安定して稼働しております。

LTの中でも紹介させていただきましたが、Mainframeでもクラウドサービスが提供されているようであり、それぞれ検討していきたいと考えております。

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