LoginSignup
26
24

More than 5 years have passed since last update.

RaspberryPi + Athena + QuickSightで可視化する<後編>

Last updated at Posted at 2017-02-27

概要

本コンテンツは、JAWS DAYS 2017IoTハンズオン向けに作成したもので、前編の続きとなるコンテンツです。

前編に引き続き、構築するデータフローは以下の通りです。
温度センサー -> RaspberryPi -> Kinesis Firehose -> S3 -> Athena -> QuickSight
スクリーンショット 2017-02-06 21.28.43.png

<後編>の範囲

<後編>では、S3 -> Athena -> QuickSight の部分を説明します。成功すればグラフィカルな画面でセンサーデータを可視化する事ができます。

必要な機材

  • PC
  • 前編で構築済みのRaspberryPi 2または3

前提条件

  • 前編の手順が完了している事

<後編>で利用するAWSサービス

Amazon Athena

Amazon S3内のデータをSQLを使って分析できるサービスです。サーバーレスなサービスなため、セットアップや管理は不要、すぐに即座にデータ分析を開始できます。データをAthenaにロードする必要は無く、S3に保存されているデータと直接連携できます。
CSV、JSON、Apacheログなど様々な形式を扱う事ができます。QuickSightと統合する事で簡単に可視化する事ができます。

  • GZIP等の圧縮ファイルも読み込める
  • JDBC経由でのアクセスも可能
  • 検索した結果がS3に保存される
  • 実行したクエリに対して課金
  • 東京リージョンでは使えない(2017年2月時点)

Amazon QuickSight

AWSが提供する高速なBIサービスです。データソースとして、ファイル、S3、RDS、Redshift、Salesforceなどが使え、昨年12月にはAthenaに対応しました。
インメモリ処理に最適化されたデータベースである「SPICE」(Super-fast Parallel In-memory Calculation Engine)にデータをインポートする事で、高速な分析ができるようになっています。
作成したグラフはモバイルからの閲覧にも対応しています。

[ToDo 8] Amazon Athenaを設定する

Amazon Athenaにテーブルを作成し、S3を参照できるようにします。

  • Athenaコンソールを開く スクリーンショット_2017-02-11_9_12_25.png

  • Amazon Athenaは2017年2月現在、東京リージョンでは提供されていないので、利用可能な北バージニア(N.Virginia)リージョンを選択する
    9bfa9b74-a4c3-9188-2046-af6fbd0dc3b7.png

  • [Get Started]をクリックする
    スクリーンショット_2017-02-11_9_19_45.png

  • Tutorialが表示されたら×で閉じる
    スクリーンショット_2017-02-11_9_22_40.png

サンプルデータベースを使ったクエリの試行

Athenaにはサンプルデータ(Elastic Load Balancingのログ)が用意されているので、こちらを使ってクエリの実行を試してみます。

  • Query Editorの画面でDATABASEに「sampledb」が選択された状態で、以下のクエリを入力し、「Run Query」をクリックする
sampledbのレコード取得
SELECT * FROM elb_logs limit 100;
  • 数秒待つと画面下部に実行結果が表示される スクリーンショット_2017-02-19_12_01_13.png

  • 実行した結果はCSV形式でS3に保存される スクリーンショット_2017-02-19_12_10_54.png

  • その他の実行例
HTTPのステータスコード別のカウント
SELECT backend_response_code, count(*) FROM elb_logs GROUP BY backend_response_code ORDER BY backend_response_code;
アクセスURL別のカウント
SELECT count(*) AS C, url FROM elb_logs GROUP BY url ORDER BY c desc;

データベースとテーブルの作成

  • Query Editorの画面で「Add table...」をクリックする スクリーンショット_2017-02-11_9_44_26.png

Name & Location

データベースとテーブルの名前、S3のパスを指定します。

  • Databaseに「Create new database」を選択された状態で、データベース名を入力する(ここでは「jawsdays2017」としている)

  • Table Nameに任意のテーブル名を入力する(ここでは「sensor」としている)

  • Location of Input Data Setには、前編で作成したセンサーデータが格納されるS3のパスを入力する。今回の場合は、s3://バケット名/YYYY/MM/DD/HH/ファイル名となるため、パスとして固定なs3://バケット名/を設定する。(バケット名は、スクリーンショットでは「jaws-days-2017-iot-handson」となっているが、前編では「iotan-f」として作成しているので注意)

  • 全て入力したら「Next」をクリックする。 スクリーンショット_2017-02-11_10_04_41.png

Data Format

S3に格納されているデータのフォーマットを設定します。

  • 「JSON」を選択して「Next」をクリックする スクリーンショット_2017-02-11_10_07_44.png

Columns

S3のデータに合わせて、Athenaのテーブルにカラムを追加します。

  • センサーから送信されるJSONデータはtimeとtemperatureのため、それぞれのカラムを追加する
  • 「Add a column」をクリックすると、入力エリアを増やす事ができる
  • 2カラム分の情報を入力したら、「Next」をクリックする スクリーンショット_2017-02-11_10_43_38.png

Partitions

  • 今回は省略して、「Create table」をクリックする
  • Query Editorに戻り、「Query successful.」と表示されたら完了 スクリーンショット_2017-02-11_10_28_27.png

[ToDo 9] Amazon Athenaでクエリを実行する

[ToDo 8]と同様の手順で、SQLを発行してS3上のログファイルが参照できるか確認してみます。

  • Query Editorに以下のクエリを入力し、「Run Query」をクリックする
    (左側の眼のアイコンをクリックしても同じクエリを実行できる)
先頭10件を取得
SELECT * FROM sensor limit 10;

スクリーンショット_2017-02-27_23_55_03.png

画面下部に結果が表示されるので、ご自分の環境で確認してみてください。
検索結果がCSVファイルとしてS3に保存される事も確認してみましょう。

[ToDo 10] QuickSightのアカウントを作成する

QuickSightを使う場合、最初にアカウントの登録が必要となります。

  • QuickSightコンソールを開く スクリーンショット_2017-02-11_22_08_29.png

  • QuickSightを利用開始する前の場合、以下のような画面が表示されるため、「Sign up」をクリックする 2_q.png

  • [Standatd edition]が選択された状態で、「Continue」をクリックする 3_q.png

  • アカウントの作成に必要な情報を入力し、「Finish」をクリックする
    4_q.png


  • 「Create your QuickSight account」が表示されたらアカウントの作成が完了したので、「Go to Amazon QuickSight」をクリックする
    5_q.png


[ToDo 11] Amazon QuickSightのデータセットを作成する

データソースから必要な部分を取り出して、データセットを作成します。データセット作成時に前述のSPICEに取り込むか選択する事ができます。
データセットのデータを整形できる「Prepare」により、不要な列の削除・列名の変更、計算フィールドの設定、ジョイン、カスタムSQLなどが可能です。

QuickSightに対してS3バケットへの権限を追加する

  • これを実施しないと、データセットの作成時に以下のエラーが発生する スクリーンショット 2017-02-11 22.52.42.png

  • 右上のアイコンから[Manage QuickSight]をクリックする
    スクリーンショット_2017-02-11_22_56_59.png

  • 「Account setting」を開き、「Edit AWS permissions」をクリックする スクリーンショット_2017-02-11_22_59_20.png

  • 「Choose S3 buckets」を選択し、該当のバケットにチェックを入れてから「Select buckets」をクリックする(その後の画面で「Apply」をクリックする) スクリーンショット_2017-02-11_23_00_39.png スクリーンショット_2017-02-11_23_04_30.png

データセットを作成する

  • 以下の画面では作成済みのAnalysis(分析画面)を選択できる。今回は 「Manage data」をクリックする スクリーンショット_2017-02-11_22_34_53.png

  • 以下の画面では作成済みのデータセットを選択できる。 「New data set」をクリックする スクリーンショット_2017-02-11_22_40_31.png

  • データセットを作成するためのデータソースを選択する。ここでは「Athena」を選択する スクリーンショット_2017-02-11_22_43_46.png

  • Data source nameを入力し、「Create data source」をクリックする スクリーンショット_2017-02-11_22_48_03.png

  • Databaseのプルダウンから、事前に作ったAthenaデータベースを選択し、「Select」をクリックする スクリーンショット 2017-02-11 22.51.21.png

  • 最後にAthenaのデータをSPICEにインポートするか、直接クエリを実行するか選択する。ここでは「Import to SPICE for quicker analytics」を選択し、「Visualize」をクリックする スクリーンショット_2017-02-11_23_27_50.png 注意
    • AWSのドキュメントによると「AthenaはSPICEへのインポートに未対応」となっていますが、実際の挙動はインポート可能となっています。
    • AWSのドキュメントより抜粋
      • You can improve the performance of database data sets by importing the data into SPICE instead of using a direct query to the database (with the exception of Amazon Athena data sets, which currently only support direct query).
      • データベースへの直接クエリを使用するのではなく、データをSPICEにインポートすることで、データベースデータセットのパフォーマンスを向上させることができます(現在、直接クエリのみをサポートするAmazon Athenaデータセットを除く)。

  • Analysisの画面でImport completeが「100% success」になったらSPICEへのデータインポートが完了した事になる
    スクリーンショット_2017-02-11_23_30_22.png

[ToDo 12] Amazon QuickSightのAnalysisを作成する

  • ここでは時間ごとの温度平均値を折れ線グラフで表示します

フィールドを配置する

  • Visual typesの「Line chart」を選択する
    スクリーンショット_2017-02-12_21_27_40.png

  • X軸に表示するデータを指定するため、Fields listの「time」をクリックする(「time」をField wellsの「X axis」にドラッグ&ドロップしても同じ事ができる)
    スクリーンショット_2017-02-12_21_46_47.png

    スクリーンショット_2017-02-12_21_46_18.png ※ドラッグ&ドロップした場合

  • Y軸に表示するデータを指定するため、Fields listの「temperature」をクリックする(「temperature」をField wellsの「Value」にドラッグ&ドロップしても同じ事ができる)
    スクリーンショット_2017-02-12_21_51_15.png

集計する条件を変更する

  • この時点では年単位の温度の合計値となっているため、時間単位の平均値になるように設定を変える
  • 「X axis」の「V」をクリックし、「Aggregate」を「Hour」に変更する スクリーンショット_2017-02-12_22_00_36.png

  • 「Value」の「V」をクリックし、「Aggregate」を「AVERAGE」に変更する スクリーンショット_2017-02-12_22_02_51.png

  • 時間単位の平均温度が表示されるようになる スクリーンショット 2017-02-12 22.05.55.png

[ToDo 13] SPICEのデータを更新する

2017年2月現在、SPICEのデータを自動でリフレッシュする機能は搭載されていないため、手動でリフレッシュする必要があります。
2017年2月22日にスケジュールリフレッシュの機能が搭載されました。今回は手動でリフレッシュしますが、設定方法はこちらを参照。

  • 左上のアイコンをクリックする
    スクリーンショット_2017-02-12_22_39_07.png

  • 「Manage data」をクリックする
  • リフレッシュするデータセットをクリックする。
  • 「Refresh Now」をクリックする。
    スクリーンショット_2017-02-13_9_50_25.png
  • 「Refresh」をクリックする。
    スクリーンショット_2017-02-13_9_51_30.png
  • 「We have submitted your refresh request.」と表示されたら、「OK」をクリックする。
  • 「Last Refreshed」が「a few seconds ago」になったらインポート完了。インポートされたレコード数も更新される。
    スクリーンショット_2017-02-22_23_04_22.png

補足

  • 最後の画面で「Edit data set」をクリックすると、SPICEの中を参照したり、設定を変える事ができる。(Preparing data) スクリーンショット 2017-02-13 9.59.33.png

[ToDo 14] 計算フィールドを使う

計算フィールド(Calculated field)を使う事で、データソースのデータに対して演算を行う事ができます。もちろん演算後のデータを使って可視化ができます。
ここでは取得した温度データを高い・中間・低いに分類して、パイチャート(円グラフ)で可視化します。

計算フィールドの追加

  • 前述の「補足」の手順でPreparing dataの画面を表示する
  • 「New field」をクリックする スクリーンショット_2017-02-22_23_42_21.png

  • 「New calculated field」画面が表示されたら「Function list」の「ifelse」をクリックする(選択したら水色に変わる) スクリーンショット_2017-02-22_23_29_22.png

  • 「Calculated field name」に任意の名称を入力、「Formula」に以下の内容を入力したら、「Create」をクリックする(完了までに時間がかかる場合がある)
    ifelse(temperature < 20,'low',temperature > 29,'high','middle') スクリーンショット_2017-02-22_23_35_36.png 注意
    • ifelseでは、温度を判定し、20度未満ならlow、29度より大きければhigh、それ以外はmiddleに分類しています。
    • ifelse内の数値は温度を表します。会場の温度に合わせて調整が必要となる可能性があります。

  • 完了すると「Calculated fields」にフィールドが追加され、分類されたデータが格納される スクリーンショット_2017-02-22_23_46_59.png

  • 「Save」をクリックする スクリーンショット_2017-03-04_22_21_07.png

パイチャート(円グラフ)の設定

作成済みのAnalysisにパイチャート(円グラフ)を追加します。

  • 左上のアイコンをクリックする
    スクリーンショット_2017-02-22_23_55_03.png

  • 作成済みのAnalysisをクリックする スクリーンショット_2017-02-22_23_56_45.png

  • 左上の「+Add」をクリックし、「Add visual」をクリックする
    スクリーンショット_2017-02-22_23_59_21.png

  • 未設定のグラフが追加されるので、「Visual types」の「Pie chart」をクリックする スクリーンショット_2017-02-23_0_03_18.png

  • 追加した計算フィールドをクリックすると、「Group/Color」に設定され、グラフが表示される スクリーンショット_2017-02-23_0_05_24.png
26
24
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
26
24