Zoomの音声がm4aで出力される件
今や知らない人はいないほど普及したZoom。無料版でもローカルに録音・録画ができて大変便利なのですが、録音したデータがm4a形式になるという欠点を抱えています。
普段音声をCubaseで編集しているのですが、Cubaseはm4a入力に対応しておらず、このままでは編集ができません。
私はAdobe Media Encoderで何とかしているのですが、このほどCCを契約していない人にも同じような変換方法を教える必要が出てきたので、せっかくの機会ということでまとめます。
こういう人向けの記事です
- 無料で比較的手間の少ない、安全なm4a→wav変換法を知りたい
- 変換のためになんかよく分からないWebアプリとかをずっと使っている(普通に危ないのでやめましょう)
利用環境
- Windows10 Home 20H2
- BatchEncoder 5.1
- qaac 2.72
インストール
配信サイト
BatchEncoderはGitHubより入手します。
インストールして使う場合はBatchEncoder-5.1-x64.exe
(OSが64bitの場合)をダウンロードし、exeファイルを実行してインストールします。
基本的には Next > をクリックしていけば大丈夫です。インストールする項目が聞かれますが、今のところ変な広告ソフトと抱き合わせになっているわけではなさそうなので、そのまま(Full Installation)のまま進めて大丈夫です。
ショートカットの設定は、必要に応じて Additional shortcuts: 欄にチェックイを入れることで変更できます。
インストール内容
- Main Program
- Documents
- Format Definitions
- Languages
- Progress Functions
- Tool Definitions
- Scripts
日本語化
BatchEncoderを実行し、メニューバーから Language(L) > Japanese(日本語) を選択すると、日本語になります。簡単でいいですね。
使ってみる
出力形式の一覧を見てみると、めちゃくちゃたくさんありますね。
拡張子の後ろに「-lame」とか「-qaac」とか書いてあります。
これは、各変換をする時に使う外部アプリケーションの名称です。
m4a→wav変換をする時は、Decode M4A to WAV
を使いますが、これにはneroやqaacが必要となるようです。
とりあえず変換してみる
変換するには、まずBatchEncoder上でファイルを読み込む必要があります。以下2つの方法のどちらかで読み込ませます。
- 変換したいファイルをエクスプローラーで選択し、ドラッグアンドドロップで放り込む。
- メニューバーから 編集(E) > ファイルの追加(A) (または、F5を押下)と進み、開いた画面で変換したいファイルを選ぶ。
すると、BatceEncoderのリストに読み込んだファイルが表示されます。
この状態で右下の 変換開始(R) をクリックすると変換が開始されます。
しかし、形式を選択しただけで変換してしまうと、「エラー:コマンドラインプロセスが作成できません。(0)」と返ってきます。
これは、必要な外部アプリケーション(qaac)がないためです。
そもそもBatchEncoder自身は、必要なパラメータを外部アプリケーションに流す機能しか持っておらず、ファイルの変換をこのソフト単独で行うことはできないのです。
外部アプリケーションのインストール
メイン画面のメニューバーから、 オプション(O) > ツールの設定(L) (または、F10を押下)と進みます。この画面では、各種外部アプリケーションのダウンロードとセットアップができるのですが、neroとqaacについては、ダウンロード元のURLが404になってしまいダウンロードできません。
そこで、ここではqaacのダウンロード元にGitHubを指定してダウンロードする方法を示します。
- まずqaacが置いてあるGitHubのページを開きます。
- "qaac_x.xx.zip"(20210714現在、最新バージョンは2.72)がリンクになっています。右クリックします。
- リンクのアドレスをコピーします。
- BatchEncoder「ツールの設定」画面に戻ります。
- ツールのリストから qaac_x64 を探し、クリックして選択します。
- リスト下がにqaac_x64の情報が表示されるので、画像の通り変更します。
※変換箇所
・ダウンロードURL:GitHubでコピーしたアドレスをペースト
・ダウンロードファイル名:バージョンを書き換える
・展開パス:バージョンを書き換える(最後のexeファイルは同じ名前なので注意)
- ダウンロードします。ステータスが「ダウンロードしたファイルを展開しました。」になればOKです。OK(O)をクリックしてメイン画面に戻ります。
アプリケーションのインストールが終わりましたが、続いてアプリケーションを呼び出す際の設定を変更します。
- メイン画面のメニューバーから、 オプション(O) > 形式の設定(F) (または、F8を押下)と進みます。
- リストから「Decode to M4A to WAV -qaac」を選択します。
- コマンドライン実行ファイルの場所を以下のように変更します。
tools/qaac_x.xx/qaac_x.xx/x64/qaac64.exe
※x.xxにはダウンロードしたバージョンを当てはめる
ここまでの手順を踏むと、変換が正常に行えます。
追加Tips
出力先の変更
メイン画面下の「出力先」欄を変更することで行えます。デフォルトでは、ファイルがあった場所に出力するようになってますが、パスを入力するなり、入力欄右側、三点リーダをクリックすることで、エクスプローラーからも指定できます。
音質などの変更
私の環境では、なぜかデフォルトでサンプリング周波数が32,000Hzになりました。44,100Hや48,000Hzが一般的だと思うので、設定を変更します。
- メイン画面のメニューバーから、 オプション(O) > プリセットの設定(P) (または、F7を押下)と進みます。
- 「コマンドラインオプション」に、以下の記述を追加します。
--rate=任意の値(Hz)
[例 --rate=44100]
- OK(O)をクリックしてメイン画面に戻ります。
他にもいろいろと指定できるオプションはあるみたいです。
少し古いですが https://kamedo2.hatenablog.jp/entry/20130625/1372177052 (kamedo2氏)などを参照するといろいろ書いてあります。
最後までお読みいただきありがとうございました。