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[CEDEC2017]プロダクトマネージャーの仕事術

Posted at

プロダクトマネージャーの仕事術

講演者

及川 卓也 さん

講演内容

アメリカでIT系企業が成功している要因のひとつとしてプロダクトマネージャーというが存在がある。

プロダクトマネージャー(以下、PdMと記載)とは?

プロダクトの成功に責任を持つ人のこと。

業務内容

組織横断的なチームを率いてプロダクトを成功に導いていく
立場的にはプロダクトチームのミニCEOであり、糊や縁の下の力持ち的なことを行う
例えば、何をしていいのかの担当割や足りていないものを補う方法の役割を提案したりする。

責任の割り振り

各責任ついての割り振りを明確にしておく。
PdMは「何を」「いつ」「なぜ作るのか」の責任を担う
エンジニアリングマネージャーは「どのように作るのか」の責任を担う

PdMになるために

PdMはエンジニア職からなる人が多い
ただし、エンジニアからなった人はエンジニアの力量を把握しているため
何が出来ないといったことを前提としないようにすることが大切。
技術的なバックボーンがある最初の段階では最高のものを提案することが仕事である。
それをどのように対応するのかはエンジニアの仕事。

エンジニアマネージャーとしての注意点

毎回毎回同じ様なことばかりをさせると、エンジニアは飽きてしまう。
そのため、中長期的にエンジニアを成長させていくことが大切である。

プロダクトマネージャー(PdM)とプロジェクトマネージャー(PM)の違い

プロジェクト=有機性の業務である。
プロダクトの中にプロジェクトがあるという考えである。
PdMは「何を」PMは「どうやって?」を考えることが仕事であるため
PdMはwhatにこだわっている。

製品要求仕様書(PRD)

「何を」を決めるためのフレームワーク。
常に更新し、プロダクトチーム全員で作成・保守を行う。
また、ぶらないようにするために骨太の方針でもある。
サンプル

問題点

  • 分量が多くなりがち
  • アジャイル開発のと相性が悪い
    • アジャイルソフトウェア開発宣言内に包括的なドキュメントよりも動くソフトウェアをとある

PRD以外のドキュメントやフレームワーク

  • One Pager
  • リーンキャンバス
  • インセプションデッキ

One Pager

1枚のドキュメントでハイレベルの製品コンセプトをまとめた物
例としてアマゾンジャパンが行っている手法として
「すべてプレスリリースから考えよ」がある

リーンキャンバス

事業計画書を1枚のキャンバスで表したもの
参考

リーンとは?

無駄のないもの
よく聴く言葉としてリーンスタートアップがある

リーンスタートアップ

そもそもスタートアップが成功しているものの3分の2は、当初のプランから大幅に変更を加えている。
スタートアップが成功するためには最初のプランが良かったのではなく、
リソースがなくなる前に優れたプランを見つけたから成功したと言える。

スタートアップの最も大きなリスクは誰も欲しくないものをつくること

無駄なく、仮説と検証のイテレーションを回すことがカギとなる。
その手順に沿うだめの手段としてリーンキャンバスが存在している。

インセプションデッキ

書籍「アジャイルサムライ」にて次のような質問と課題で構成されている
参考

  • 我々はなぜここにいるのか?
  • エレベータピッチ
  • パッケージデザイン
  • やらないことリスト
  • 「ご近所さん」を探せ
  • 解決案を描く
  • 夜も眠れない問題
  • 期間を見極める
  • 何をあきらめるか
  • 何がどれだけ必要か

プロダクトマネージメントトライアングル

詳しくはこちらを参考
PdMは糊である。
これを紐解くための考え方である。
PdMはプロダクトチームのどの部分で糊となれば良いかを考えるのに使える。

プロダクトマネージャーの共通の役割

プロダクトチームによって役割は異なるが、共通する役割が存在している

企業理念から事業戦略、そしてプロダクト戦略への展開

  • ミッション

企業や組織の存在意義を説明。
事業内容と目的を整理し、どのようにその事業目的にたどり着くのかを定義する

  • ビジョン

企業や組織が長期的にどのような姿となることを目指すかを定義する

企業→事業部→プロダクト→機能のまでの整合性をとることが大切。
参考(Simon Sinekのゴールデンサイクル)

アイデアかプロダクトや機能要求への転換

すべてのプロダクトは下記のどちらかを達成するためにある。

  • 課題を解決
  • 新しい価値を提供

即ち、アイデアとは課題 + 解決策がセットになったものである。
バリュープロポジションキャンバスというものを使うといいかもしれない。

ファシリテーション

プロダクトチームを率いるために高度なファシリテーションが必要となる。
ファシリテーションのためにはコンテキストの共有リーダーシップが必要

コンテキストの共有

日本はハイコンテキスト文化と呼ばれる。予め課題の背景などを共有していること。
だが、ぶれない方針を徹底するために言語化などを通じてコンテキストを共有することが大切である。
暗黙知を形式知にしていくことこそが大切。

リーダーシップ

リーダーシップは何も管理職だけが持つものではない。
サーバントリーダーシップというスタイルも存在している。

サーバントリーダーシップ

「リーダーである人は、まず相手に奉仕し、その後に相手を導くものである。」という哲学
参考

信頼貯金と残高

PdMは人事権を持たずにチームを率いる必要がある。
そのために、他のメンバーとの間に信頼関係がないといけない。
信頼関係を構築するために必要なことは「信頼は一夜にしてならず」ということを
普段から信頼関係の構築時に気を配ることである。

感想

プロジェクトマネージャーという職に関しては耳にしていましたが、
プロダクトマネージャーという職に関してはこの講演で知り、非常に興味深い話を聴くことが出来ました。
ひとつのプロダクトに対して居てほしい存在だと個人的に思っています。

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