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愛のアポスティーユ -Symbolによる愛の証明-

Last updated at Posted at 2020-12-20

nem Advent Calendar 2020参戦の投稿です。
https://qiita.com/advent-calendar/2020/nem
※ときにはNEM/Symbolを使って妄想して遊びたい、というところから出発して考えたものです。お気軽に楽しんでいただければ幸いです♪

#「愛」

それは、目に見えず、とても移ろいやすく、確かさのないものだと一般的に考えられています。人が心に抱くもの、あるいは心で感じるものなので、その心自体の不確かさゆえなのかもしれません。

しかし、誰しもが愛を求め、愛を与えたくなるのもまた事実です。だからこそ、人は「愛の確かさ」を欲してしまうことが多々あります。

そこに愛はあるのか? その愛は確かなものなのか?

そんな愛の存在の確信・確証を獲得し、「愛は永遠である」ことを、ブロックチェーンNEM/Symbolを使って形にすることはできるだろうか?
というネタをずっと持ち続けていたので、クリスマス直前のアドカレ参戦のタイミングで、どんな形にできるか遊びながら考えてみようと思います。

- 信頼のおける第三の存在による「愛の認証」
- 当人同士の「愛の確認」

を軸にSymbolベースで考えていきます。
愛の証明アプリケーションをつくるための、構成を考えていくようなイメージです。

AIなどを使って愛の判定をするスタイルも考えましたが、人々の思いや感情に関するデリケートな側面も考慮し、今回は人力で愛の評価をしていく形で進めます。これはこれでおもしろくなると思います。

##愛の証明パターン
証明方法について、参加者別で次の3パターンを用意することにします。
(話の都合上、参加者はすべてSymbolアカウントをもっていることとします。)

[ライト証明]
- 愛を証明したい2人(または複数人)

[ゴールド証明]
- 愛を証明したい2人(または複数人)
- 当人たちに縁ある信頼のおける証人各1名以上(計2名以上)

[プラチナ証明]
- 愛を証明したい2人(または複数人)
- 当人に縁ある信頼のおける証人各1名以上(計2名以上)
- まったく縁のない第三者*3名

*プラチナ証明の「まったく縁のない第三者」は、愛の証明サービス(仮称)を利用している人たちからランダムに選出されるものとします。

##愛の指標
愛を判定・評価するには、どんな人が利用しても、それが「愛」であると認知できる指標が必要です。
しかしその前に、愛の定義について触れておきます。

「愛とは何か」

人類に課された永遠の命題ともいうべき難問です。
世の中の人々は十人十色、千差万別であり、様々な考えや思い、信念があります。また、時代や地域、世情などによってその考えや信念は変化していくものです。だからこそ、まとめることが難しく、悩みや衝突も絶えることがありません。
愛についても同様で、西暦2020年になってもなお、「愛とはこうだ」という世界的な共通の答えは見い出されていません。

そこで、ここでは仮に、

愛とは、「大切に思う、深くあたたかい心」である。

ということにしておきます。これは、その昔自分で考えた定義を、ある程度汎用的にカスタマイズしたものです(異議は認める!異議も大切に受け止める愛のスタイル)。これを愛の指標として、次の5段階で愛を評価するための基準をつくります。

###愛の定量評価

1.「まったく大切に思っておらず、とても浅く冷たい」 = 評価 1
2.「あまり大切に思っておらず、浅めで冷ややか」 = 評価 2
3.「どちらでもない」 = 評価 3
4.「大切に思っており、深めであたたかい」 = 評価 4
5.「かなり大切に思っており、とても深くてあたたかい」 = 評価 5

この基準に基づき、当人たちはお互いに相手を、証人や第三者は当人たちの愛を定量評価することにします。

また、数値では表しにくい側面もあると思うので、定性評価も合わせて用意しておきます。

###愛の定性評価

a.その人は「大切に思う、深くあたたかい心」をもって行動していると思いますか?
 <思う, 思わない>
b.また、そう思うのはなぜですか?
 <コメント入力>

これらの評価基準に従って評価します。

##愛の体現

考えや思いは、自分から伝えなければ、伝える行動を起こさなければ、相手に伝わるものではありません。何もせずとも感じ取れ!というのはなかなかに無理があります。行動から読み取るにしても、感じ取れる程度には行動に現れていなければ、他人が読み取ることはできません。そこで、愛を証明する際に、認識するための「愛の体現」を要求することとします。

これは、どんな体現の形を取っても構いません。ただ1つの条件は、

データ化できる体現方法

を取ることです。テキスト(文章)でも、画像でも、映像でも、音声でも、絵画でも、書でも、歌や音楽でも、物質的なプレゼントでも、何らかの形でデータ化できればOKです。そうすることにより、多様な愛の形を受け止めることができます。
ここでお気づきの方もいらっしゃると思いますが、この体現データをトークン化(モザイク化)すると、さらにおもしろいことができるでしょう。

「愛のトークン化」
です。

これについて話し始めるとどんどん長くなってしまうので、またの機会に!:smile:

オンチェーン・アセット・モデリングというNIS1/mijin(v.1)から続くコンセプトにより、価値あるあらゆるものを、コーディングせずともモデリングするだけでトークン化(モザイク化)することができるのが、NEM/Symbolであり、mijin(v.1, v.2 Catapult)です。

さて、愛の証明でSymbolをどう使っていくかですが、各自が上記の評価結果を送信し、すべて揃って確認したらマルチシグで承認することにします。
各証明方法についてのフローをつくってみましょう。

##愛の証明フロー
#####<フロー1> ライト証明 (証明したい当人同士のみ)

マルチシグ、アグリゲート・トランザクションを使用

1.愛を証明したい者全員で証明を申請
2.証明パターンから[ライト証明]を選択
3.当人たちは各自、愛の体現データを提出
4.体現データを元に、お互いを評価
5.各人が評価結果を提出
6.相手の評価結果を確認
7.すべて確認したら、マルチシグで承認
8.マルチシグがすべて揃ったら、愛の評価結果と愛のアポスティーユ(公証)が届く(アグリゲート・トランザクション)

#####<フロー2> ゴールド証明 (当人たちと縁ある証人)

マルチレベル・マルチシグ、アグリゲート・トランザクションを使用

1.愛を証明したい者全員で証明を申請
2.証明パターンから[ゴールド証明]を選択
3.当人たちは各自、愛の体現データを提出
4.体現データを元に、当人同士で互いに評価、縁ある証人たちへ依頼を送信
5.当人たちが評価結果を提出し、承認(マルチシグ第1層)
6.体現データと5.の提出内容をもとに、縁ある証人たちが評価し、提出
7.証人は、すべて確認したらマルチシグで承認(マルチシグ第2層)
8.マルチシグがすべて揃ったら、愛の評価結果と愛のアポスティーユ(公証)が届く(アグリゲート・トランザクション)

#####<フロー3> プラチナ証明 (第三者証人込み)

マルチレベル・マルチシグ、アグリゲート・トランザクションを使用

1.愛を証明したい者全員で証明を申請
2.証明パターンから[プラチナ証明]を選択
3.当人たちは各自、愛の体現データを提出
4.体現データを元に、各自評価、縁ある証人・縁のない第三者(ランダム選出)たちへ依頼を送信
5.当人たちが評価結果を提出し、承認(マルチシグ第1層)
6.体現データと5.の提出内容をもとに、縁ある証人たちが評価し、提出
7.縁ある証人は、すべて確認したらマルチシグで承認(マルチシグ第2層)
8.7.までの内容をもとに、縁のない第三者たちが評価し、提出
9.縁のない第三者たちは、すべて確認したらマルチシグで承認(マルチシグ第3層)
10.マルチシグがすべて揃ったら、愛の評価結果と愛のアポスティーユ(公証)が届く(アグリゲート・トランザクション)

細かいところはだいぶ端折っていますが、愛をしっかりと評価し、その愛をアポスティーユします。
当人たちの選択によって、体現データなどをプライベートにしたりパブリックにしたりすることができると良さそうです。プライベートで行ったとしても、パブリックチェーンでアンカリングすることによって、公共の記録をすることが可能です。(ハイブリッドの活用)
これは、公的な愛の宣誓であるとも言えるでしょう。

その時の愛を確実にSymbolに刻み、
愛を恒久的に記録・証明し、
愛を(ほぼ)永遠のものとする

のです。

本人確認や証人の署名要件、アカウントの使い方などを充実させれば、婚姻届システムなどにも使えるようになると思います。現在の婚姻届の手続きは、証人は誰でもよく、署名捺印も厳格ではないので、偽装がたやすい状況です。

証人になってくれた方々などには、貢献に対する評価があると良いかもしれません。

また、彼らの愛の形を支持したり応援したりするような投げ銭があってもおもしろいかもしれませんし、オープンアポスティーユのように彼らの愛の体現を「見せる」サービスも、ありかもしれません。さらに、愛の軌跡を記録していくようなサービスも考えられます。メタデータを活用して楽しい拡張を図ることもできると思います。

「愛のアポスティーユ」、いつか実際につくってみたいですね。

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