はじめまして。この記事は株式会社Works Human Intelligence Advent Calendar 2021の22日目の記事です。
##自己紹介
今年の4月に弊社に新卒入社し、今はTech Leadという部署で働いています。
英文学科卒で、プログラミングはドのつく初心者です。
ちなみにアイコンは青年期のヘンリー8世です。
##本題
それでは本題に入ります。
皆さんは弊社名・Works Human Intelligenceがどういう意味かご存知ですか。私は知りません。
ということで、弊社名をどうにかこうにか英文法を用いて解釈していこうと思います。
暫しお付き合いください。
##'Works Human Intelligence'を文法解析すると?
文構造を分析するとき、たいていまず単語に区切り、語同士のつながりを明らかにしていくのが正攻法ではないでしょうか。
以下その手順で進めます。
###ステップ1:単語に区切る
'Works Human Intelligence'は、'works'、'human'、'intelligence'の3単語に分けることができます。
'intelligence'の品詞は名詞以外ないために確定できますが、'human'は名詞と形容詞、'works'は動詞と名詞、それぞれ2パターン考えられます。
###ステップ2:考えられる語のまとまりを語同士の関係や文法のルールから精査する
まず'human'から見ていきましょう。
'human'が名詞とした場合、'intelligence'が直後に来ていることから、名詞と名詞が接続詞や前置詞なしに隣り合っていることになります。
こういったとき、名詞の形容詞化が考えられます。前の名詞が後の名詞を形容詞的に修飾していることを、名詞の形容詞化といいます。
それにあてはめて訳すと「人間の知能」となり、意味が通りますね。
つまり、「'human'が'intelligence'を修飾している」ということです。
(これは'human'を形容詞として捉えても同じ結論に至ります。)
それではついに'works'を見ていきます。'works'は以下の2通りの解釈ができます。
ケース1:'works'が動詞の三人称単数形である場合
ケース2:'works'が名詞の複数形である場合
####ケース1:'works'が動詞の三人称単数形である場合
この時、さらに以下2つのパターンに分けることができます。
①'human intelligence'が'works'の主語のとき
②'human intelligence'が'works'の目的語のとき
まず①から考えていきます。
①の場合、主語と動詞の語順が平叙文と逆です。
すると倒置が起きていると考えられます。倒置が起きるのは大まかに以下のパターンです。順に見ていきます。
・疑問文
動詞の三人称単数形を用いた疑問文の場合は「does + 動詞の原形」という形になり、doesが文頭に出るはずなので、今回はあてはまりません。
・副詞や否定語句が文頭にくるとき
副詞も否定語句もないのであてはまりません。
・仮定法の条件節
今回仮定法の主節がないこと、もしあったとしても倒置が起きるのは条件節内部で'had''should''were'などが使われている場合なのであてはまりません。
※'human'が主語、'intelligence'が目的語と考え、'works'と'human'の語順が逆になる倒置と考えることもできますが、こちらも結局上の倒置のパターンにあてはまりません。
次に②を考えていきます。
②の場合、主語が存在しません。
主語がないときは以下のパターンが考えられます。
・命令形
命令形は二人称の場合に用いられるのであてはまりません。
・主語が書かずとも明らかなとき
もし前に文章などあれば別ですが、'works human intelligence'という文だけ提示されています。
主語は特に明らかにされていないのであてはまりません。
結果として、'works'を動詞として解釈するのは難しいということになります。
####ケース2:'works'が名詞の複数形である場合
ここでは'human'と'intelligence'の関係を見ていくのと同じやり方をします。
'works'と'human intelligence'が接続詞や前置詞なしに隣り合っているので、ここでも名詞の形容詞化を疑います。
この場合、前の名詞(ここでは'works')は後の名詞(ここでは'human intelligence')の目的や材料、種類を表すことが多いです。
複数形の名詞が形容詞化するのは、その名詞が常に複数形の名詞である場合のみです('glasses'や'trousers'など)。
'works'が常に複数形であるとき、「機械の仕組み」という意味になります。
「機械」が'human intelligence'の目的・材料・種類かどうかは、これ以外の情報が提示されていない以上、一目で明らかとは言えません。
したがって、こちらのパターンも解釈しきれません。
結論として、'Works Human Intelligence'を文法的に納得のいく説明をすることは難しいということになります。(え)
##まとめ
突然ですがこれって、プログラミングとやっていることがほぼ同じだとは思いませんか?
上記の英文解析プロセスを見ていると、今書いているソースコードが頭に浮かんできませんか?
変数のスコープを小さくしたり命名を分かりやすいものにしたりすることは、英語において指示語や代名詞が何を指しているのか明快にすることと同じようなものだし、ロジックを飛ばしたらプログラムが動かなくなることは、ひとつの語の解釈で意味が全く変わってしまうこととなんだか似ています。
半年ほどプログラミングを経験して感じたことは、たとえプログラミングとは無関係と思えることであっても、これまでの学びは決して無駄にはならないということです。自分がこれまで学んできたことに引き付けて新たなことを学んでみると、いくらか理解しやすくなるように思います。
就活生時代の私のように「これから初めてプログラミングに触れるけどやったことないから不安だわ」という皆さん、今の私と同じように始めたばかりの初心者の皆さん、なかなか思うようにいかず悔しい思いをすることもありますが、一緒に頑張っていきましょうね。
と、それっぽくまとめたところで終わりにしたいと思います。
長々とお付き合いいただきありがとうございました。