概要
仮想環境ソフトウェアDockerを使うことで、OSに関係なく計算環境を構築・移行することが出来ます。Win10HomeでJupyterLab環境を構築する手順を示します。このJupyterLab環境では、Python, R, Juliaを使うことが出来ます。
各用語の説明
- 仮想環境 : ハードウェアやOSの異なる環境でも動作する仕組みのこと。これにより、ハードウェアやOSに依存せずに環境を動作させることが可能。
- Docker : 仮想環境ソフトウェアの一つ。「コンテナ」という仕組みを採用しており、従来の仮想環境ソフトウェアと比較し軽量であるのが特徴。オープンソース。
- Dockerhub : 様々なDocker環境がアップロードされているサーバー兼ウェブサイト。たった1つのコマンドでDocker環境を構築することが出来る。
- JupyterLab : Python, R, Juliaなどの言語をインタラクティブに実行出来る計算環境。ブラウザベースで動作するため、仮想環境ソフトウェアで簡単に構築することが出来る。今回はDockerhubにアップロードされているJupyter公式のDocker環境を用いる。
手順
- Windows 10 Insider Preview ビルドをインストールする
Windows Insider Program ユーザー ガイド - Microsoft - Docker Desktop Edge 2.2.2.0をインストールする
Docker Desktop for Windows Home is here! - docker official blog - PowerShellで
docker
コマンドが正常に動くことを確認する - メニューバーのDockerアイコンを右クリックして「Linux containers」に切り替える
- メニューバーのDockerアイコンを右クリックして「設定」を選択する。Dockerと共有したいドライブにチェックを入れておく。この場合はCドライブにもDドライブにもチェックを入れておけば良い
- Powershellで以下のコマンドを走らせる。以下の
d:/Desktop
では共有先ディレクトリとして「DドライブのDesktop」を指定している。各自の環境に合わせて適宜変更する。docker run -d --restart always -p 10000:8888 -e JUPYTER_ENABLE_LAB=yes -v d:/Desktop:/home/jovyan/work --name notebook jupyter/datascience-notebook jupyter-lab --NotebookApp.token='' --allow-root
- 以下のURLにアクセスする
http://localhost:10000 - 正常に起動できれば、以下のように表示される。①workフォルダ以下にデスクトップのファイルが表示される、②各言語のnotebookを作成、③
conda install (ライブラリ名)
コマンドで各ライブラリをインストール