Raspbianで最適化フラグを渡すと std::thread 動かない

少々ハマったので情報共有します。

C++11 のスレッドコードを、ラズパイ２でビルドしたら、動きませんでした。
原因は、ラズパイ２向けのコンパイルフラグ -march=armv7-a （-mcpu=cortex-a7 も同じ）。

OS は 2016/5/27 リリースの Raspbian を使ってます。 OS ／基本ライブラリ系のバグなのかなぁ。

サンプルコード

問題点を含んだサンプルコード。なるべく最小にしてます。

test.cpp

#include <iostream>
#include <thread>
#include <chrono>


void thread_main(void)
{
    std::this_thread::sleep_for(std::chrono::seconds(5));
}


int main (void)
{
    std::thread t(thread_main);

    std::cout << "main waiting thread_main to finish" << std::endl;

    if (t.joinable()) {
        t.join();
        std::cout << "thread_main finished" << std::endl;
    }

    return 0;
}

動く場合

$ g++ -std=c++11 -pthread test.cpp

実行してみると、こんな感じに（ソースコードのまんま）。

$ ./a.out
main waiting thread_main to finish
thread_main finished

動かない場合

$ g++ -march=armv7-a -std=c++11 -pthread test.cpp

実行してみると・・・

$ ./a.out
pure virtual method called
terminate called without an active exception
Aborted

！！ pure virtual method called ！！

そういう訳で、スレッド使いたいときは、-march=armv7-a を渡すのは止めましょう。
以上です。

参考情報

ラズパイ２，３に最適なコンパイルフラグ
- https://www.raspberrypi.org/forums/viewtopic.php?f=33&t=144115

同じ問題に直面していそうな StackOverflow の記事：
- http://stackoverflow.com/questions/35929416/c-application-with-threads