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iOSアプリケーションにおける、Launch Screenの役割

Last updated at Posted at 2019-04-11

iOS向けアプリケーションにおける、Launch Screenの役割

iOS向けアプリケーションを開発していると、Launch Screenを作る機会があるはずです。

僕もいくつか作ってきました。

Launch ScreenについてGoogle検索をしていると、Appleが意図した使い方ではない行為を推奨しようとしている記事をいくつか見つけてしまったので、Apple Human Interface Guidelinesにおける記述を合わせて、なるべくAppleの意図に沿う形で、Launch Screenの役割について説明していこうと思います。

1. Launch Screenとは

iOS向けアプリケーションという文脈で「Launch Screen」とは、旧来型の呼び名で言う、「スプラッシュスクリーンのようなもの」という説明で大筋を説明することができます。

念の為に説明させていただきますと、スプラッシュスクリーンとはアプリケーションが起動中の間の画面表示全般を指します。

2. Appleの定義するLaunch Screenとは

AppleはiOS向けアプリケーションに一貫したデザイン性・ユーザー体験を持たせるために、 Apple Human Interface Guidelinesというドキュメントを整備しています。

その中に、Launch Screenについての定義がありましたので、ここに転記します。
(https://developer.apple.com/design/human-interface-guidelines/ios/icons-and-images/launch-screen/)

(原文版)
1. It’s solely intended to enhance the perception of your app as quick to launch and immediately ready for use.
2. The launch screen isn’t an opportunity for artistic expression.
3. Design a launch screen that’s nearly identical to the first screen of your app.
4. Don’t advertise. The launch screen isn’t a branding opportunity.

(邦訳版)
1. アプリの起動をすばやく開始し、すぐに使用できるようにすることを目的としています。
2. ローンチスクリーンは芸術的表現の機会ではありません。
3. アプリの最初の画面とほぼ同じ起動画面を設計します。
4. 宣伝しないでください。起動画面はブランディングの機会ではありません。

細かい説明

1つ1つ、細かく説明させていただきたいと思います。

a. すぐに使用できるようにデザインしなければならない

Launch Screenを安直に「スプラッシュスクリーン」と捉えてしまうと、よく陥りがちなのが

「とりあえずアプリのロゴをデザインする」

という解決策だと思います。

実際このパターンでやっているサービスは結構あります。

が、この行為はApple的には推奨ではありません。

iOS端末をお使いの方ならわかると思いますが、iOS端末の標準アプリ(App Store、iTunes Store、設定、メッセージ、メール、Map・・・etc)を開くたびにAppleのロゴが表示されることはありません。

b. 芸術的表現のためのものではない

これは、 a. すぐに使用できるようにデザインしなければならない の言い換えと捉えることもできるのですが、そもそもAppleはLaunch Screenの目的を

「アプリの起動をすばやく開始し、すぐに使用できるようにすること

としているため、Launch Screenでユーザーが待つ必要のある芸術性のある表現を行うことを してはならないと明言しています 。(禁止しています)

c. アプリの最初の画面とほぼ同じ画面にしよう

Launch Screenをアプリの最初の画面とほぼ同じ画面にすることにより、アプリが高速に動作しているようにユーザーに思わせることができます。

公式以外のアプリだと、Facebookや、Google Map、Slack、Whats Appなんかがとてもうまくできてますね。

d. ブランディングのために使ってはならない

無計画にロゴを出したりサウンドを出したりしてはいけません。Appleが明確に禁止しています。

これも a. すぐに使用できるようにデザインしなければならない の言い換えです。

AppleはHuman Interface Guidelinesで下記のように述べています

Don’t include logos or other branding elements unless they’re a static part of your app’s first screen.

邦訳 : ロゴや他のブランド要素がアプリの最初の画面の静的な部分でない限り、それらを含めないでください。

Launch Screenで安易にロゴを出すことによってブランディングを行うことは避けるべきです。

こぼれ話: そもそもなんでスプラッシュスクリーンは嫌われたのか

ユーザーインターフェース、ユーザーエクスペリエンスの権威とも言える、ヤコブ・ニールセンという方が、この問に対して一定の答えを提供しています。

彼は、ユーザビリティの究極の目標を下記のように述べています。

理想的には、ユーザーがサイトに行ったら、探している答えがすぐ目の前にあるといい。それはつまりインタラクションコストがゼロになるということで、ユーザビリティという領域の究極の目標はそこにあるからである。

インタラクションコストを彼は下記のように定義しています。

インタラクションコストとは、ユーザーが目標を達成するため、サイトとインタラクトするのに必要な、精神的・肉体的な努力の総計である。

上記の前提の元、スプラッシュスクリーン説明したものがこちらです。

アプリ起動後、最初に現れるのはスプラッシュ画面である:

この時点でインタラクションコストに含まれるのは、フラッシュ画面が消え、このアプリの最初の操作可能な画面のためのスペースができるのを数秒待つことである

つまり、スプラッシュスクリーンはうまくデザインしないと

存在するだけでインタラクションコストを発生させる

ものだと彼は説明しています。

この考え方に納得できる人は多いのではないでしょうか。

参考

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