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Engineering Manager vol.2Advent Calendar 2018

Day 24

開発責任者として中途入社した時にやったこと

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この記事は、Engineering Manager vol.2 Advent Calendar 2018 24日目向けに書きました。

去年10月に現職に開発責任者として入社しました。最近、周りでも開発責任者として転職する人がちらほらいて、入社時にどんなことを考えて何をしたのか聞かれることがあり、会社の規模、事業、メンバーや抱えている課題によって実践する内容は異なると思いますが、私がやったことをまとめました。

責任者として入社するということ

エンジニアに限った話ではないですが、責任者として採用されるケースは

  • 事業や組織をスケールさせる
  • 組織や仕組みの抜本的な改善

など会社が変化していくタイミングで経験値を期待され採用されることが多いかと思います。

個人の成果ではなく組織の成果として評価されるレイヤーで、事業や既存組織にあるルール、メンバーの特性など本来であれば時間をかけて理解し成果に繋げる必要がありますが、早急な成果が求められます。短期間である程度見える形で成果を出すことが重要だと考えています。
それだけではなく、出来上がった組織の長になるので、期待値も高く、常に評価され、時には変化への反発の可能性もあり、難易度としては非常に高いと考えています。

入社を決める前に確認したこと

難しいポジションかつ自分のやれることは限られているので、具体的にどんな成果を求めているかなどを確認しました。ポジンションに関わらずこのミスマッチがあるとお互い辛いです。
具体的な話を進める上で、Mission、Visionに共感し、事業へ貢献したいことは大前提でお話をさせて頂きましたし、幸いにもオフィスでの面談・面接だけでなく、何度か飲みながら意見交換し入社後の具体的なイメージが出来たことがよかったと思います。
この経験から、現在は採用の際には可能な限りオフサイトの場でお互いの話をするようにしています。

内定前なので可能な範囲ですが、以下のことを確認しました。

  • 会社・事業の現状と今後
  • 組織の状態と課題
  • 各メンバの特性
  • システム概要、技術的な課題
  • 利用技術、開発手法、プロセス
  • 自分に期待している成果
  • 任せたい/任せる範囲(権限的なこと)

解決が求められていた課題に関しては、実際自分ならどうするとか、経験的にこういうやり方をしてました、という具合なディスカッション出来たため、受け入れ側としても入社後想定外の人だったというリスクは軽減出来たかなと思います。

入社してからやったこと

理解する

当然ながら、配下のメンバがどんな人なのかを知ることが第一歩です。

  • 担当業務について
  • これまで経験、経歴
  • これからやっていきたいこと
  • 不満や課題、改善したいこと
  • 会社にいるモチベーション
  • 自分に期待したいこと

と言ったことを聞きながら、組織の現状を把握しつつ、関係部署の方にもお話を伺い、外からの見え方も確認した上で、何から着手するかを検討しました。
外から来ると、特に課題が目がつきます。これは、既存の人が習慣化されているもの、他の優先度が高くそのままにしていること、リソースがなく手がつけられないなど事情があります。
理解してもらうには、まず理解していくことなので、協力して抱えている課題を一緒に解決していく姿勢を見せ、現状を受け入れ次に何をするのかを大事にし、次のアクションへと繋げることを意識しました。

理解してもらう

タイミング的に下半期の開始とともに入社でしたので、通期の戦略、上期の流れを汲むつつ、今後の方針を作りました。そこには施策だけでなく、組織の存在意義、どういう組織にしたいか、そして自分がどういう貢献をしていきたいかも明言しました。

経験値を期待されて入社していますので、自分の持つ経験、スキルは出し惜しみしないことも大事です。勉強会やレビューなどを通じて、経験・スキルを伝えています。

やったこと

既存の仕組みでうまく行っていること事はいじらずそのままに、すぐに解決できる課題から着手しつつ、大きめの課題のプランニングを並行して行いました。技術的なことは、コーディング含めて自分が出来ることは何でもやりました。自身の組織として安定するまでは、とにかくやれることはすべてやるスタンスでいました。
前述の内容を含めて、やってきたことは以下になります。

  • 1on1の実施
  • 情報収集
  • 下期の方針策定
  • 情報共有改善
  • 開発レビュー/プロセスの見直し
  • 開発環境の抜本的改善
  • リファクタリングの推進
  • 新技術導入
  • 既存システムパフォーマンス改善

上記に加え、採用活動がうまく行ってなかったので、人事と共に採用方法、採用プロセスの見直しも行いました。

  • 募集要項の更新
    • 採用ポジションの整理
    • 欲しいエンジニア像の明確化
  • 採用媒体の選定
  • エージェントへの説明
    • エンジニア向け会社説明資料も作成した
  • 採用プロセスの短縮
    など

あと、当然と言えば当然ですが、忘れていけないのは、情報システム運用規程やセキュリティルールなど現在回っているルールを理解した上で、業務遂行して行く必要があります。自身が見る組織、システムの理解も重要ですが、会社としての定められている仕組みをまずは確認しましょう。

一年経ってどうか

まだ入社時から抱えている大きい課題はあり発展途上ではありますが、開発環境も変わり、新規事業立ち上げもあり、また採用もうまく回り始め新しいメンバの参画もあり、一年前とは全く違う組織になりつつあると思います。
私が考えた方向性と既存メンバの期待値にズレが少なかったため、協力体制が築けたのが大きな要因だったと思います。それだけでなく、経営層の理解とバックアップは非常に助かりました。

とはいえ、幸い致命的なものはありませんでしたが、失敗したこともたくさんあります。

特に、うまく行っていない見直しする必要な施策がありました。入社間もないこともあり、なかなか決断が出来ず、時間をかけ遠回りしてしまいました。管理職ともなれば入社歴は関係なく、費用対効果の観点で冷静な判断をするべきことを改めて認識しました。

最後に

状況、条件によって、同じやり方でも結果は変わりますが、開発責任者として中途入社した時の一つのナレッジとして、一人でも参考になった方がいればうれしいです。

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