今期もでました!皆さんお楽しみの Power Platform 2022 release wave 1 plan です!
"Release wave X plan"は、毎年2回発行されているPower Platformの半年間のリリースプランです。今回で言えば wave 1は日本的には上期 (4月~9月) のリリースプランを解説したものになります。
ドキュメントは以下からオンラインで読むこともできますし、PDFでも提供されています。
PDF用リンク↓
[注意事項]
ここで書かれているのは現時点で予定されている計画です。リリース時期が保証されているわけでもないですし、そもそもリリース対象から外れる (なくなる) こともあります。
この投稿では、今回のRelease planを一通り読んでみて、面白そうだなと思う機能・アップデートを紹介していきます。主観バリバリなので、全部サラッと読んでみることをお勧めします。
Power Apps
まずPower Appsからです。ポータルはほぼ触れていないので、今回もノーコメントです。
Power Apps grid control support for editable scenarios in model-driven apps (46ページ目)
Power Appsの中でもモデル駆動型アプリで、SharePointのグリッドビューでの編集のような操作がサポートされます。
これまでも編集可能グリッドはありましたが、デザインと機能が刷新されて新しいgrid controlとして登場です。
ビュー内のすべてのレコードをスクロールで表示できるようになるようです。("次のページへ" みたいなリンクを押さなくていい)
(画像は現在プレビュー提供されている読み取り専用のグリッドビューです)
Intelligent formula repair in Power Fx (57ページ目)
Power AppsでAIが数式をサジェストしてくれる!という感じのニュースが話題になりましたね。
今回の機能は 『AIがあなたの数式のエラー・問題に解決のためのコメントをしてくれる!』 というもの。
日本語圏のことを考えると、数式を提案してくれる機能より、こっちのほうが便利なのでは?と思います。今まではエラーが出たらエラーの内容を見て、だいたいはわからなくてトライ&エラーしてましたよね。
これからはAIがいい感じに修正方法をコメントしてくれるので、トライ&エラーの時間が短くなるだろうと思います。
このコメントはPROSEという技術が利用されているそうです。
https://www.microsoft.com/en-us/research/group/prose/
Power Fx formulas provide richer and easier to use column calculations in Microsoft Dataverse (64ページ目)
今のところDataverse for Teamsでのみ提供されているPower Fxを利用した数式列が5月にGAになります。
このタイミングで通常のDataverseにもくるのかな。非常に便利なのでfor Teams以外でも利用できればかなり使いやすくなりますね。
Power Apps application on Windows running model-driven and canvas apps with full support for offline (72ページ目)
Power AppsのWindowsアプリ登場! (便利になって新登場?)
Windows用アプリではオフライン状態での利用がサポートされます。キャンバス・モデル駆動型ともにオフラインキャパシティーはすごく熱望されることが多い機能ですね。
また、面白そうなのは以下の一文
"Leverage devices capabilities, such as camera, microphone, file picker, geolocation, and barcode scanner from your apps."
Windowsに刺さったデバイスの機能を利用できるようになるんですって。バーコードスキャナーはユースケース多そうですね。
Power Appsで在庫管理とかよく聞きますが、これがバーコードスキャナーでピピっとできるのはいいな。
ということでPower Appsはこれくらいです。他にもすでにPublic Previewになっている機能のGAの予定などが書かれていますが、割愛します。
Power Automate
Flow ownership supported for Service Principals (91ページ目)
そもそもサービスプリンシパルは...
リソース/サービス レベルの無人操作を実行する目的でテナント内で作成する Azure Active Directory アプリケーション リソースです。
アプリケーション ID とパスワードまたは証明書が与えられた、独自のユーザー ID です。 サービス プリンシパルには、割り当てられたロールとアクセス許可によって定義されるタスクを実行するために必要な権限のみが与えられます。
サービスアカウント的なものですね。フローの所有権は通常個人・グループを通じて複数人に割り当てることができますが、サービスアカウントをフローの所有者にできますよということです。
企業内で管理されるようなフロー(個別の生産性向上ではなく組織内のプロセスで利用されるような場合)には便利なアップデートだと思います。
Handle null values in JSON (92ページ目)
面白そうというか、なんだろう?という内容です。JSONのパースでこれまでnullがあるとエラーになっていたものが、エラーにならなくなる(nullをハンドリングできる)というもの。
でもスキーマで[string, null]みたいに書けばnullも許容されていたと思うので、よくわからない。
詳しい人教えてください!
OData editor improvements in cloud flows (94ぺージ目)
今は試験的機能を有効にすると利用可能な、ODataエディターが4月にGAになります。
ODataでフィルターを書くのって結構慣れが必要ですよね。でもUIでポチポチでフィルターを指定できるので、初学者が躓くポイントがこれで減ることになります。
また、複雑なフィルターを書きたいときのサンプルにもなりますね。一度ODataエディターで指定しておいて、Advancedモードに切り替えて細かく指定していくという感じ。
Undo feature in cloud flow designer (97ページ目)
何気にこれが一番クラウドフロー作成の体験を向上させてくれるかもしれません。
クラウドフローをデザインしているときにUndo/Redoができるようになります。ただしブラウザーのローカルストレージを利用するので、編集中のみでかつ前段階の情報がクラウドに同期される とかではないです。あくまでも作成中の生産性?向上ですね。
Power Virtual Agents
最後、Power Virtual Agentsからは2つをご紹介。
Start bot conversations with proactive triggers (108ページ目)
PVAを僕が使わない理由はただ一つ。かならず会話をユーザーが開始しないといけないからです。外部イベント起因でBotから会話を開始してくれればユーザーの手数が一個へりますよね。
トリガーインテントをうまく作らなくても、Botが決まった会話を開始してくれるので、ユーザー入力という不定性を排除できます。
これはめちゃくちゃいいアップデートですね!!
Use connectors within Power Virtual Agents or author custom connectors (108ページ目)
これまでPVAからコネクターを利用するときには、一度Power Automateのフローを呼ばないといけなかったですが、PVAから直接コネクターを利用した情報取得・更新ができるようになります。
もちろんフロー化しておいてロジック部分を切り出す・再利用性を高めるという方向性は残しつつですね。単純なデータ取得であればわざわざそれ用のフローを管理する必要がなくなるので、素晴らしいアップデートです。
ということで、だいぶPVAを使いたい気になってきました。4月くらいからリリースが待ち遠しいです!
おわり
ということで今回は個人的な興味・関心に基づいて、Power Platform 2022年上半期のリリース計画を見てきました。
詳細はやはり全文見ていただくのがいいと思いますが、「あー、こんなアプデがあるのかー」という流し読みの足しにしていただければ幸いです。