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わかれば簡単! #PowerApps のTemplateSize=0の手法

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はじめに

日本のPowerApps makerたちの一部では『TemplateSize:0』という手法が使われているのですが、まだまだあまり知られていないと感じたので、今回簡単にご紹介します。
Power Appsのキャンバスアプリの中でも、ギャラリーコントロールを利用する際のテクニックです。

一番すぐに思いつくのは、NxMのグリッドを作成するようなパターンで、かつ列方向が10を超える場合です。
Power Appsのギャラリーには、WrapCountというプロパティがあり、縦型のギャラリーであれば、横方向に何列カードを配置するかを記述しています。
しかし、この上限が10であるために、表示上の制限が出てくる場合があります。
この制限を緩和する手段として、GalleryのTemplateSizeを0にするというものがありますので、今回紹介します。

PowerApps のスクリーンにおける座標

Power Appsのキャンバスアプリでは、スクリーンの左上にXY座標の原点、(X=0, Y=0)が存在します。
スクリーン上のコントロールやアイコンは、この原点から見て、どの位置にあるのかを、それぞれのXYプロパティによって表現しています。
image.png

ギャラリーコントロールにおける座標

ギャラリーコントロール(以後縦型に限定します)では、ギャラリー内に適当なコントロールを追加すると、横方向に同じ位置に、各行でコントロールが表示されることがわかるかと思います。
また各行にセパレータを入れると何となくわかりますが、各行の天井からの位置もそろっているのが見て取れます。
image.png
このようにキレイに表示されるのは、各行の中で座標の原点を持っていて、それが左上にあるからなんです。
image.png
また、スクリーン側から見ると、各行のコントロールの間は、TemplateHeightのぶんだけ、離れていることもわかります。
image.png

ではTemplateHeightが0になるとどうなるでしょう?
ナイーブには、各行のコントロールが、縦方向に接近していって、最終的に重なるだろうと予想できます。
これがまさにTemplateSize:0のポイントです。

TemplateSizeを0にすると何がおこるか

TemplateHeightをスライダーで調整したデモがこちらです。

予想通り、各行のコントロールが接近していって、同じ高さにそろいました。
ただし、気を付けなければならないのは、Y方向に少しの補正が必要だということです。
各コントロールのYプロパティには、たとえTemplateHEight=0であったとしても以下の補正が必要です。

someControl.Y
配置したいYの値-ThisItem.RowNumber

RowNumberはギャラリーの各アイテムの順番で、1から始まる連番の数字がふられていることを想定しています。
この補正のもとで、各行の原点は一致し、ギャラリーの中がすべてのアイテムに対して同じ座標になります。

これを利用することで、これまでよりも自由なレイアウトができます。
image.png

WrapCount>10

TemplateSize:0を利用すると、WrapCountを10以上に引き上げることができます。

ここでは、スライダーで横方向に配置したいアイテムの数を設定しています。

きっちりとNxMで並べたいような場合には、一般性を失うことなく、各コントロール(RectangleやButton,Labelなど)のX,Yプロパティは以下の式で決定することができます。

control.X
Button2.Width*((ThisItem.RowNumber)-wrapNum*(RoundDown((ThisItem.RowNumber-1)/wrapNum,0))-1)
control.Y
0-ThisItem.RowNumber+control.Height*RoundDown((ThisItem.RowNumber-1)/wrapNum,0)

ここでwrapNumは横方向に配置したいアイテム数です。

このようにして、WrapCount10の制限は緩和可能です。

参考

RowNumberを付与する際には、下記ブログが参考になります。

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