これは,Qiita Shell Script Advent Calendar 2016 の 11 日目の記事です。
担当は @hiroyuki_jp です。
きっかけ(お急ぎの方は飛ばしてください)
ファイルやディレクトリを削除できる,rm
や rmdir
といった便利なコマンドがあります。
みなさんよく使うと思うのですが,一般的に,これらのコマンドで消したファイルは復元するのが難しいと思います。
一方,Windows や macOS,その他の主要なシステムでは「ゴミ箱」が用意されており,こちらに捨てたファイルは,ゴミ箱を空にしない限り簡単に元の場所に戻すことができます。
削除したファイルを復元できることには大きな安心感があります。
macOS では,ゴミ箱の場所は ~/.Trash
です。
ところが,単純に mv <file> ~/.Trash
しても,下図のようにコンテキストメニューに「戻す」が出てきません。
そこで,コマンドラインから,指定したファイルを(「戻す」機能に対応させたまま)ゴミ箱に削除するコードを,シェルスクリプトで書いてみました。
ツール:trash
をつくりました
MIT ライセンスで公開しています。リポジトリはここです。
内部で簡単な AppleScript を動かしています。
実装はソースコードを見ればすぐ分かると思うので(初心者が書いたコードですので……;^^),以下では導入方法と使い方を紹介します。
インストール
スクリプトファイルをダウンロードし,/usr/local/bin
に配置してください。
次のコードを実行すれば一発で入ります。
$ curl -O https://raw.githubusercontent.com/h-matsuo/macOS-trash/master/trash; chmod +x trash; mv trash /usr/local/bin
※ 本ツールは macOS 専用です。
使い方
Usage は次の通りです。
$ trash [-r] <file>...
<file>
に削除したいファイルを 1 つ以上指定します。ディレクトリの場合は,-r
オプションを付けます。
この辺りの使い方は rm
コマンドと同じです。
相対パスを指定しても大丈夫です:
$ trash ../tmp/*
元に戻すときは?
現状,コマンドラインから元に戻す機能には対応しておりません。
元に戻すときは Finder.app から行ってください。
以上,作ってみたツールのご紹介でした。
ちゃんとシェルスクリプトを書いたのは初めてなので,ご意見等あればぜひお願いします。