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データを利用して結果の予想や傾向を分析する方法:その1

Last updated at Posted at 2023-06-26

皆さんは、多数あるデータを利用して結果の予想や傾向を分析したことはありますか?
今回、私が大学時代によく利用していた3つの分析方法について簡単に紹介しようと思います。
1つの説明が長くなってしまうので、1つずつ紹介します。

1.因子分析

まず初めに因子分析について紹介します。
この分析方法は、簡単に説明すると

「違いの存在する物事に対して、何が原因でその違いが起こるのかを解明する分析方法」

です。

分かりやすくポケモンで例えてみましょう。
ポケモンには、可愛い、かっこいい、美しいなど様々な印象のポケモンがデザインされています。
このポケモン1種類ずつのデザインについて、イメージのアンケートを実施し、結果をまとめます。
その結果を用いて因子分析にかけます。
因子分析は、分析ソフトウェアもしくはpython等で作成した計算プログラムで行います。
因子分析を行うと以下のような結果を出すことができます。

  • 対象物(ポケモンのデザイン)に影響を与えている、2~3つほどの要因
  • 用いた各要素(アンケートの各項目)が、要因にどれほど影響を与えているか
  • 各対象物(各ポケモンのデザイン)の各要因の得点(座標)
  • 各要因の特徴

今回、ポケモンのデザインで分析した結果が以下の表です。
分析結果.png

分析結果より、以下のような要因があることがわかりました。

  • 「重い、頑丈な、豪快な、迫力のある」の要素がある要因
  • 「鋭い、速そうな、洗練された、かっこいい」の要素がある要因
  • 「明るい、美しい、和ませる、親しみやすい」の要素がある要因

それぞれの要因に含まれている要素を考慮し、「迫力」「鋭さ」「親しみやすさ」としました。
要因には寄与率というものがあり、その要素が全データをどれくらい説明できるかを表しています。
今回は、「迫力」が32.2%、「鋭さ」が24.0%、
「親しみやすさ」が21.9%でした。
この3要因を合わせて、全データの78.1%を説明できることになります。
この寄与率は、分析を行った際に一緒に計算されます。

分析結果には、それぞれのデータの「迫力」「鋭さ」「親しみやすさ」がどの程度なのかの数値も出ます。
その数値を利用し、それぞれのデータがどこに位置するのかを3次元の図に表すことができます。
図.png
この図から各要因にどのような特徴があるのかを考察します。
今回だと「迫力」は、左のポケモンと右のポケモンで比較し特徴を導き出します。
左のポケモンは、1等身・2等身のポケモンが多く、
右に行くにつれ等身や体のサイズが大きくなっていることが分かります。

鋭さに関しては、上のポケモンと下のポケモンで比較します。
上のポケモンは、目つきが鋭く、尖った角や羽を持っていたり、人型であったりするポケモンが多く、
下のポケモンは全体的に丸いフォルムのポケモンが多く存在していました。

親しみやすさに関しては、別の図で表しています。
このグラフの上のポケモンと下のポケモンで比較をします。
上のポケモンは、体の色が暖色系のポケモンが多く、
下のポケモンは、寒色のポケモンが多く存在していました。

まとめると、今回は因子分析を利用することで、
ポケモンのデザインの印象は「迫力(大きさ)」32.2%、「鋭さ(シルエット)」24.0%、「親しみやすさ(色)」21.9%で決まるということがわかりました。
中でも「親しみやすさ」が「色」で決まることは、この分析を行わなければわからなかったことです。

このように、違いの存在する物事に対して、何が原因でその違いが起こるのかを解明することができるのが因子分析です。

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