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この記事は、適応型ソフトウェア開発 アドベントカレンダー 2024 の 12日目です。

プロジェクトデータシートとは

前回の記事で「ゲート」という透明性を与えるためのきっかけについて解説したが、その時に課題がのこっていたと思う。

課題

スクラムフレームワークは集中状態を構築して進めるため、進めているチームタスク自体もシングルタスクで進行する。そのため、状況を把握する際には1つの状態をチェックすることで進捗状況の評価を行える状態を作ることができた。

しかし、適応型ソフトウェア開発では、マルチタスク状態で進行するため複数のタスクに関する状況を俯瞰した上で、チームの進捗状況を評価する必要がある。

この状態確認を行い、適切にチームの進捗状態を把握する仕組みを作ることが大切である。

しかしながら、 状態確認を行い、適切にチームの進捗状態を把握する仕組み とはどのようなものなのだろうか。

その1つの事例がプロジェクトデータシートと呼ばれるものだ。

プロジェクトデータシート

プロジェクトデータシート(以下PDS)とは、チームが進行しているすべてのタスクを一覧化したシートのことである。

そのシートにはそれぞれの「状態」を明記し、次に目指す状況を整理しておくことで、共通認識を作りやすい状況をつくるためのツールである。

記載例

PDSは以下のように一覧でまとめた。
あくまでこれの例は筆者がチームで取り組んだ時の事例である。

タスク名 状態 現在の状態 次に目指したい状態 目指したい背景
XXXについて学ぶ 学習 XXXのことをあまり知らない XXXの提供方法を思案できる XXXを顧客に提供したい
YYYについて思案する 思案 YYYのことを学び、調査した YYYを協調して作れる XXXを顧客に提供したい
ZZZについて協調する 協調 ZZZの方針が決定した ZZZをリリースする ZZZを顧客に提供したい

タスク名

取り組んでいる仕事が何かを明確にするためのラベルを持つ。

状態

タスクがどんな状態なのかを「学習」・「思案」・「協調」の3値で表現する。
ここの状態を常に最新化することが大切である。

現在の状態

タスクが今具体的にどのような状態になっているのか、「学習」・「思案」・「協調」の値に対する根拠を記述しておく。

次に目指したい状態

タスクが次具体的にどのような状態になっていてほしいのか、「学習」・「思案」・「協調」の値に対するありようを記述しておく。

目指したい背景

タスクがどこから生まれたもので、何のカオスの縁にいたものなのかを記載しておき、迷わないようにしておく。

まとめ

このような案件状況を1目で俯瞰できるシートを作っておくことで、ゲートに備えることが有効だった。

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