この記事は、適応型ソフトウェア開発 アドベントカレンダー 2024 の 13日目です。
1日で変化する「状態」を観測する
スクラムフレームワークでは、1日の振る舞いをデイリースクラムという方法で、透明性を持たせる。
それでは、適応型ソフトウェア開発においては、どうするのが良いか。
実はとてもシンプルである。それは、タイムボックスを1日に合わせたプロジェクトデータシートを俯瞰する時間を作ることだ。
プロジェクトデータシート
プロジェクトデータシートやタイムボックスについては、以下の記事を参照。
チームでの取り組み方の事例
以下の手順でチーム1日の俯瞰を進めることにした。
- 前日
- 用意してあるデイリープロジェクトデータシートに、今作業している全ての案件を書き込む
- 担当者は、1日でどの状態に行きたいかを事前に書いておく
- 当日
- 朝会は任意参加
- シートに書いてあることを正として進める
記載例
デイリーPDSだと、一番小さな粒度のタイムボックスになるため、やることはとにかく具体的に記述するようにした。
タスク名 | 状態 | 今日やること | 達成すること | 目指したい背景 |
---|---|---|---|---|
XXXについて学ぶ | 学習 | XXXにおけるAAAの調査 | AAAの調査を終える | XXXを顧客に提供したい |
YYYについて思案する | 思案 | YYYのタスクブレイク | YYYを協調して作れる | XXXを顧客に提供したい |
ZZZについて協調する | 協調 | ZZZのMRを作成する | ZZZをリリースする | ZZZを顧客に提供したい |
またこのタイミングで、困っていることや相談したいことなどを、軽い気持ちの共有という時間を作り、そこで交流を深めることで進捗を出せるように心がけた。
頻度
このデイリーPDSを眺める時間は、毎日実施し、日々の状態を常に最新化できるようにすることを徹底した。
その結果、次に大きな粒度のタイムボックスになっても、自分たちの状態を見失うことは減っていった。