この記事は、適応型ソフトウェア開発 アドベントカレンダー 2024 の 20日目です。
適応力 = 柔軟性?
適応力とはいったい何なのか。
これを結構な頻度で考えることが多かった。
というよりも常にそこは考えていたかもしれない。
高い柔軟性により、高い適応力をもたらすのか?
では、高い柔軟性とは何か?
ということを考えていくにつれ、適応型ソフトウェア開発の弱点が見えてきた。
適応型ソフトウェア開発の弱点
「圧倒的な適応能力は、高い柔軟性から生まれる」という勘違いこそ、適応型ソフトウェア開発を進める上で最も危険な思考だった。
高い柔軟性
「高い柔軟性」という言葉は一見よく見える。
ただし、意思決定の先延ばしだったり、今決めないことを柔軟な動きと言ってしまえる緩さが存在する。
この今決めない・判断ができないという状況を許容した途端に、チームは適応力を失っていく。
これはなぜだろうか。
優柔不断は何もできなくなる
今決めないことが柔軟性であると高をくくってしまうと、状態を変化させることが恐ろしくなってくる。
その結果、このフレームワークで最も重視する状態変化を起こすことができなくなってしまう。
(優柔不断は、状態を変化させることを遅延させる行為であると定義したため。)
つまり、優柔不断な体制だと最も進捗が出ない状態になってしまう。
ゾンビである。
高い柔軟性を捨てる
そのため、高い柔軟性を捨てることが大切だった。
むしろ、余白のない即決意思決定がとても重要である。
次に向かう状態を即決し、学習・思案・協調する。
そして、次のカオスに向き合ったときに、身を切ってでも状態を前に倒す。
そのスピードが速ければ早いほど適応力に富んだチームであると言えるかもしれない。
ただし、今までやってきたことを否定するのはとても勇気がいる行為だ。
だから、大切な方程式がある。
圧倒的な適応力 = 簡単なルール × 豊かな人間関係
高い適応力は柔軟性からは生まれない。
圧倒的な意思決定とピボットを全員で決めることができる関係性こそ大切なのだ。
これをはき違えると、途端にぬるま湯に変化し、組織は一瞬で腐敗する。
それが適応型ソフトウェア開発の難しさである。