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KPTTTという振り返りフレームワークを編み出した話

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この記事は、ふりかえりアドベントカレンダー2024 の 7日目の記事です。

振り返りフレームワークを適切に選ぶのは難しい

チーム・個人の状態・環境・盤面に合わせて適切な振り返りフレームワークを選ぶのは、それだけでも結構大変だった。

実際世の中にはたくさんのフレームワークや手法であふれており、その中から自分たちに会っているものを見つけ出して有効に使うことはなかなかうまくできない。

そんな状況下でも私たちはしっかりと日々を振り返り、明日の貢献活動につなげていかなければいけないのだ。

KPT

最初に扱っていたのは、私のなかで一番一般的に通じやすかった「KPT」フレームワークだ。

これはとてもシンプルで、特定の事柄に対してよかったこと・課題・次の挑戦を決めるというものだ。

しかしながら、シンプルなフレームワークは使い手によってその良し悪しがはっきりと分かれてしまう玄人志向のものでもあることを使い続けることで実感することになった。

KPTを初めてわかってきた難しさ

よかったことを続けていく・課題を見つけ出し、その次の挑戦を見つけるというシンプルさゆえに、そこからの発展を生み出せないことが大きな課題だった。

良かったことを記載したら、そこで終わってしまう。

課題を分析し、次はこんなことに挑戦してみようと、挑戦スローガンを書き出してみる。
だが、そこで終わってしまう。

特にわかりやすい課題を分析するという行為は、チームにえぐりこんでいく話題が多くなってしまうため、関係性が高くないと深くまで思考を進めることも簡単ではなかった。

そんなことを繰り返してしまうフレームワークでもあった。

そこで私はそのフレームワークを拡張解釈することで、何かできないかを考えるに至った。
そして編み出したのが、「KPTTT」である。

KPTTT

KPTTTはKPTをベースに解釈を広げたものである。
お気づきだと思うが、KPTにさらに2つのTを搭載したフレームワークだ。

その2つのTの存在によって、シンプルな構造を維持したまま上述する課題をクリアすることができるものになった。

その2つを今から解説する。

Todo

1つ目のT。それは「TODO」だ。

タイトルなし.png

解決したいKPTの苦しさの1つ目は、次の「明確な」アクションを考案せずに終わってしまうことだった。

そこで、以下の2つの観点に対して、具体的なアクションをTODOとして次のイテレーションに積み込むことを義務づけることでこれを解決する方向に進めた。

良かったことに対するTODO

どうすれば、その体験を再現できるのか。
その再現の為に、次は何をするのか。
それを明確にすることで、同じ体験を繰り返し体現することが可能になるはずであるという仮説をもって、TODOに積み込む。

そうすると、より良くするための活動を継続することができるようになることが多かった。

挑戦に対するTODO

課題を突破するために、意識を変える。そのTryの1歩目として、何をするのか。
それを明確にする仕事をTODOへ積み込む。

そうすることで、少なからず1歩は課題に立ち向かうことができるようになる可能性があるという仮説をもって次のイテレーションに向き合うことを義務づける。

その結果、次のイテレーションでは課題に感じる部分が変化することが多かった。

明確なアクションをTODOにすることを義務付ける

KPTに1つ目のTを搭載するだけでも、明確なアクションを定義したうえで終わらせることができるようになり、なぁなぁに振り返りを解散させてしまう機会が少なくなっていった。

ただし、ここで1つ課題が発生した。

課題:ぎすぎすする。

明確なTODOを積み込むためには、しっかりとチームにえぐりこんで会話する必要が生まれてくる。
特によかったことに再現性を持たせる行為はなかなかにえぐかった。
この純度の高いコミュニケーションを維持したり、さらに昇華させるには、もう一段階先の工夫が必要だった。

それがもう1つのTである。

Thanks

それはThanksである。

タイトルなし.png

ともに振り返りに参加してくれたり、イテレーションを一緒に過ごしたメンバー各個人に対する具体的な感謝を述べる時間を搭載した。

業務上ずっと一緒に生活しているメンバーに具体的な感謝はなかなか言えてない

みんなは隣のチームメイトに、具体的な感謝を述べているだろうか。
自分自身、隣のチームメイトから具体的な感謝を述べられることがあるだろうか。

これはなかなか得られない。
だから人間関係は難しいものになってしまっていることがおおい。

これを突破するために、ドラッガー風エクササイズなどを使って、お互いの期待値を確認しあったりしているが、私にとってはそれをやるまでもなく、具体的に私の期待を超えた小さな瞬間に対して全身全霊で感謝するだけで実はそれは満たせているものだと考えている。

そして人から感謝をされるという現象は、1つの成功体験であり、自分の自身にもつながる体験だ。

この体験を振り返りの中に組み込むことで、チームの期待値調整を行えるようにした。
それがもう1つのT。Thanksである。

Thanksの恩恵

Thanksを最後に行うことで、中盤に行うえぐりこむようなTODOの定義をバチバチに行うことができるようになり、その反動でThanksの内容も日を追うごとに具体的になっていった。

その結果、お互いがリスペクトをもって、現状を打開するためには手段を択ばないという安全な空間を形成することができるようになった。

これがThanksの恩恵である。

これから具体的な方法を述べる

KPTTTの進め方

  1. 最初はKPTと同じように、良かったこと・課題・各個人へのthanksを記述する: 6min
  2. 全体を俯瞰する時間を作る: 2min
  3. 関心の高いものにしるしをつけてもらう: 1min
  4. 良かったことが記載されているときは、良かった事の分析をする: 15min
  5. 良かった事を再現するためのTODOを決め、担当を決める。: 10min
  6. 課題が記載されているときは、課題の分析をし、挑戦をきめる: 15min
  7. 挑戦するための明確なTODOを決め、担当を決める: 10min
  8. thanksを一息に読み上げる: 1min

この合計1時間を集中して取り組んでいくことが、KPTTTである。

まとめ

  • KPTTTはKPTの解釈を拡大し、TODOとThanksを搭載したものである
  • KPTTT1つのフレームワークでどんな状態・環境にも対応可能なアダプティブなものである
  • たくさんのフレームワークが目移りしてしまって、選べない人におすすめ
  • 凝ったフレームワークが苦手な人にはおすすめ

実際につかってみたよという話や感想はとてもうれしい。
ぜひ教えていただけるととてもありがたい。

最後まで読んでくれてありがとう。

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