SNMPマネージャのネットワーク構成図自動生成機能
ネットワーク管理の世界では、
SNMPマネージャーと呼ばれる管理ツールがあり、Auto Discovery機能を使ってマネージャ側からICMPやSNMPで通信できるノード(IPアドレス)を検出し、
さらにSNMPを使って検出したノードからMIB情報を取得し、それらの情報からネットワーク構成図を自動生成する機能が用意されています。
ネットワーク構成図を自動生成する機能については、UNIXのX WINDOWが普及していた頃の1990年代前半にはすでにSNMPマネージャに実装され製品化されていました。
- SNMPマネージャ製品例
- Zabbix
https://www.zabbix.com/ - SNMPc
https://www.castlerock.com/products/snmpc/ - HP OpenvView
https://ja.wikipedia.org/wiki/OpenView_Operations
ネットワーク構成図の自動生成結果については、ベンダーによってSNMP MIBの実装状況も異なるので、完璧な図を自動出力だけに頼って作成するのは難しく、自動生成後に手作業でノードやリンクの情報を修正・追加しなければならない場合がほとんどです。
また、物理構成についても反映させようとすると、1枚の図面に収めるのは困難です。
自分で取得したconfigからの自動生成について
SNMPマネージャを使って構成図を確認出来るのは、当然ですが、社内にいるユーザーで、管理コンソールの操作権限が与えられている人だけですよね。
構築中・更改中のNWシステム等で、
NW機器の設定情報(config)から、NW構成図を、さっと書き出したい時があります。
そんな時に便利なのが、こちらのツール。
BuildNetDiagram - ネットワーク論理構成図自動生成ツール(Excel VBA)
(2021/10/20にver1.05の公開が開始されました)
このツールでは、
事前にshow running-configなどの実行結果を自分で取得して用意しておく必要がありますが、
それらの取得結果からネットワーク論理構成図を自動生成します。
Cisco, AlaxalA, Foundary Networks, Fortigate, Aruba, BIG-IP等の機種のconfigの出力結果から、IPアドレスが割り当てられているインタフェース(物理インタフェースまたはVLAN)を自動で抽出し、ネットワーク論理構成図を自動生成します。自動生成の処理は、Excel VBAを使用しています。
ネットワーク論理構成は、取得したインタフェースIPアドレスの一覧を作成し、所属するネットワークをバス状に配置しています。同一のネットワークアドレスが使用されていれば、同一のバスで結ばれます。
しかし、あくまで同一のアドレスであれば結んでいるだけであって、実際の物理的接続が確立していることを保証しているわけではありません。
生成結果はExcelのShapeオブジェクトとして出力されるため、生成後に配置や大きさなどのプロパティを変更したり、コピー&ペーストなどの操作で、他のアプリケーションに転用することも可能です。
メーカー | config取得コマンド | BuildNetDiagramで検索対象の論理インタフェース設定コマンド |
---|---|---|
Cisco | show running-config | interface <インタフェース名> ip address ... |
AlaxalA | 同上 | 同上 |
BigIron | 同上 | 同上 |
FastIron | 同上 | 同上 |
HPE Aruba | 同上 | 同上(vlanは書式が異なる) |
Juniper | show configuration | display set | set interfaces <インタフェース名> family inet address |
Fortigate FW | show | edit <インタフェース名> set ip ... |