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Observeasyを触ってみたよレポ

Last updated at Posted at 2024-07-15

はじめに

image.png

今年のInteropに行ったとき、こういうものを見つけました。

Observeasy | No-Code Automation for Network Operations

サーバとかネットワーク機器を自動化できるツールらしいです。
ざっくりどんなものかというと、AWXやAnsibleAutomationPlatform(AAP)みたいにワークフロースタイルで自動処理をしてくれて、コマンド打って結果を表示するだけのシンプルなツールでした。

AWXやAAPはコードを書いてからブラウザ上そのコードを登録するって作業がありますが、こちらはすべてブラウザ上で完結するみたいです。

現職ではAnsibleをバリバリ使ってるのでぶっちゃけ需要はないんですが、前職が全く自動化に取り組めないところだったので、「こういうのあったら比較的手軽に自動化を組み込むことができるのでは……?」なんてことを思いました。

面白そうな製品ですね! いや案外需要あるんじゃないですか!? Ansibleと比べたら学習コスト低そうなので、未だレガシーな運用している現場には受け入れやすいと思いますよ!

と助言をしてそのブースを後にしました。いや、嫌味じゃなくて。

で、展示会恒例の営業メールが来ました。
営業メールうざ…と見てみたら、そうじゃなくておためし版使ってみませんか?の配布リンク案内でした。

おっちょうど実機触ってみたかったんだよ。動かせるならちょっと試しに触ってみるか!

ということで、この記事ではObservEasyを触ってみたよレポをしたいと思います。

ちょっと辛口になってしまいましたが、屈託のない客観的な意見として見てもらえれば幸いです。

インストールしてみる

メールからインストール手順&チュートリアルのページに飛べたので、そのページをもとに設定をしていきます。

Requirements

Ubuntu/CentOSで動作確認をしており、最低4Core/4GB必要みたいです。

VMだと考えると地味に重いですね。
Dockerコンテナだしある程度仕方ないのかもしれない。

とりあえず手元の検証用仮想サーバにこのスペックでVMを立てます。

Setup

インストール用のシェルスクリプトが用意されていて、それを実行するだけでインストールは終わります。

実際にやってることとしては、Docker環境を用意してdocker-composeを実行しているだけみたいです。

スクリプトが正常に終了したら443番ポートが開くので、ブラウザからアクセスできるようになります。

Login

さっそくブラウザからアクセス。
ログイン画面はこんな感じ。

エントランス画面.png

ログインをするとワークフロー一覧のページになります。

機器登録

サイドメニュー.png

サイドメニューを開くとこんな感じです。
Data Collection が Ansible のインベントリに相応します。
Data Collection の下に Network Inventory というのがありますが、これはどうやら違うみたいです。ややこしい。

DataConnector登録.png

こんな感じで、名前、IPアドレス、認証情報を入力します。
チュートリアルではデモ機としてJuniperのルータを用意してくれていたようですが、天邪鬼の私は自分でCSR1000Vを立ててそちらで試しました。

ワークフロー登録

Workflow_ADD後.png

ワークフローを登録していきます。ADDボタンを押すとこんな感じでした。

Workflow_追加1.png

Empty actionを押したり、下の「+」を押下すると、右にアクション追加サイドパネルが出てきます。

Command to run に実行したいコマンドを書きます。複数行入れることができます。
実行結果から確認したい行の抽出文字列を Keyword to match に書きます。

ワークフロー実行

一覧画面に戻り実行します。

ワークフロー画面に遷移し、完了するとこんな感じの画面になります。

Workflow_Deployments_結果1.png

成功した各アクションがSuccess表示になり、右サイドパネルに実行結果が表示されます。

この実行結果は、左サイドメニューの「Workflows Deployments」から確認できます。
※AWX/AAPでいうところの「ジョブ」

使ってみた感想

とりあえず軽く動かしてみて気づいたことを書きます。

ワークフローについて

現在はまだシンプルな一直線のフローしかできない感じですかね?

実行結果からの条件分岐とか、承認待ち(AAP/AWXでいうところのApproval)アクションみたいなのができるとかなり応用が利くようになりそうです。

実行結果のハイライト機能について

これもまだ作り込める余地はかなりありそうですね。

Matchedで指定した条件式に一致した最初の行しかヒットしないので、ユニークな文字列を頑張って見つけないと難しそうです。

あと、ここは正規表現をどうしても使いたくなってしまうところなんですが、残念ながら現状は対応していないみたいでした。

認証情報について

認証情報の登録は分けたほうが柔軟性が高まるような気もしますが、こっちの方がシンプルでわかりやすいのかもしれませんね。
ただ、できれば公開鍵認証とかはできるようになってもらえるとうれしいところですね。

使ってると重くなる

4GB RAMでは容量が足りず、swap領域への書き込みが多発することでI/O負荷が高まることが原因です。

また、ワークフローの編集画面ではキータイプするたびにリクエストを投げるので、そのたびに処理が重くなります。

時間経過とともに負荷が高まりやすくなるので、ゴミプロセスとかが残ってる可能性があります。

最低限これは解消してもらわないと実用的ではないですね。

Actionsってなんだ?

ワークフロー図の最後にActionsってのを追加できる項目があるんですが、微妙に使い方がわからないというか。
通知系の機能?のようにも思いましたが、今回の調査ではいまいち用途がつかめませんでした。
※実行結果からなにか引っ掛けて来る感じには思いましたが。

ワークフローのダウンロード機能がほしい

こういう製品に対して需要があるのって「Ansibleで自動化したいけどネットワークエンジニアには敷居が高い」って思って手作業から抜け出せない現場とかじゃないでしょうか。

で、そういうところって「最終的にはExcelの手順書が最強だよね」って思ってるところだと個人的に思ってます。
※お客さんに納品するものの中に手順書とか仕様書みたいなのがあったりするし。

なので、ワークフロー=手順書に簡単にできるようなエクスポート機能があると便利じゃないかなって思います。

最後に:Observeasyがこの先生きのこるには

とりあえず使ってみて、やっぱり需要はあるんじゃないかな。と思いました。
学習コストが限りなく低い自動化ツールとして売り込めば、業務に手一杯で学習に時間を使えない企業にはヒットしそうな気がします。

あとは、うまくパートナーを見つけてフィードバックもらえるようになれば、いろいろ機能追加の方向性とかも見えてきていいんじゃないでしょうか?

ただし、現状では「とりあえず動くところまではできた!」程度なので、もうちょっと作り込んでから売り込まないと逆にイメージ悪くしそうな感じでした。

Interopに出てた競合他社という点では、LogicVeinのNet LineDancerとかが一番近い気がするので、そことの差別化がどの程度できるかにもよってきそうな気がしました。

来年のInteropでは更に進化したObserveasyが見れることを期待したいです。

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