Kotlin ネストしたクラスを外に出してみる

　金田著「はじめてのandroidプログラミング 第５版」を使って、勉強しています。

　「第８章タイマーを使ってスライドショーを実装する」で使っているテクニックを解析してみます。
　今日のテーマは、ネストした(入れ子になった)クラスを外に出してみるです。初心者にとって、クラスの中にクラスが入れ子になって入っていると、違和感を感じませんか。そこでネストしたクラスを外に出してみます。
　
　以下、本書を持っている前提で説明します。本書を使って勉強中の方、一緒に勉強しましょう。

0.前提

　p224まで写経が済んでいるとします。

1.原型

　p224まで写経が済んでいる状態のコードを示します。説明に不要な部分は、著作権に配慮して省略しています。
　MainActivityクラスの中に、MyAdapterクラスがネスト（入れ子）になっています。これはMyAdapterクラスがMainActivityクラスでしか使わないためです。この説明は、本書には書かれていないようです。参考としてJosh Skeen著 吉川監訳 「Kotlinプログラミング」のp242に書かれています。

MainActivity.kt

class MainActivity : AppCompatActivity() {

    // MainActivityクラスの中にMyAdapterクラスをネスト(入れ子にする）
    class MyAdapter(fa: FragmentActivity) : FragmentStateAdapter(fa) {
        // 省略
    }

    private lateinit var binding: ActivityMainBinding
    override fun onCreate(savedInstanceState: Bundle?) {
        // 省略
        binding.pager.adapter = MyAdapter(this)
    }
}

2.入れ子になったクラスを外に出す

　初心者には、クラスの中にクラスがあると、ぱっと見、慣れていないと違和感を感じます。このため入れ子になったMyAdapterクラスを外に出してみます。また出されたMyAdapterクラスは、ファイルの外部から見える必要がないので可視性をprivateに変更しました。この説明は和訳版kotlinリファレンスの可視性修飾子に書かれています。

MainActivity.kt

class MainActivity : AppCompatActivity() {
    // ネストクラス
    // class MyAdapter(fa: FragmentActivity) : FragmentStateAdapter(fa) {
    //     // 省略
    // }

    private lateinit var binding: ActivityMainBinding
    override fun onCreate(savedInstanceState: Bundle?) {
        // 省略
        binding.pager.adapter = MyAdapter(this)
    }
}

// MyAdapterクラスをMainActivityクラスの外に出す
private class MyAdapter(fa: FragmentActivity) : FragmentStateAdapter(fa) {
    // 省略
}

　ネストクラスは、コードの可読性、クラスの可視性(カプセル化)を高める目的で使われますが、慣れていない人は、逆に、試しにネストしたクラスを外に出して、意味を確認しながらネストクラスに慣れていきましょう。