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GxPグループでD&I推進を担当している勝山です。
この記事はグロースエクスパートナーズ Advent Calendar 2023の記事です。

私の仕事は、多様なメンバーを会社に受け入れること、そしてみんながお互いの違いをを尊重し認め合い活躍できる職場を作ることです。

そんな私の英語が流暢でないことは私の英語を聞いた皆さんがご存じかと思いますが、実は仕事の中で、日本語勉強中の海外出身者と対話をする機会が多くあります。

社内はもちろん、日本で学ぶ留学生に向けたイベントやインターンシップ受け入れ、そして外国籍の方との採用面接・・・等々。

そして、先月初めて自分が働くチームにグローバルメンバーが加わり、より対話の機会が増えたことで気づいたことがあります。

英語の習得の前に

英語に自信がある人は別として、グローバルメンバーとコミュニケーションを取ろうとしても「英語が話せないから」と尻込みしてしまう人は多いのではないでしょうか。けれどそれはとても勿体無いことです。なぜなら、彼らは「より多く日本語でコミュニケーションを取って、もっと日本語が上手くなりたい」と思っているのです。そして、外国人だからといってそのすべてが英語話者であるとは限らない、というのも意外と知られていないようです。

GxPグループには、英語をはじめ複数の言語を流暢に話せるメンバーもおり非常に憧れてしまいますが、言語というのは気合を入れて勉強をしたからといってすぐには習得できるものではないですよね。

では、どうすれば良いのでしょう。

必要なのは「やさしい日本語」で伝えようとすることです。

やさしい日本語とは

「やさしい」には「易しい」と「優しい」の2つの意味があります。「やさしい日本語」というのは、もともとは1995年の阪神淡路大震災の時に多くの外国人が被害を受けたことから、外国人にできるだけ早く正しい情報を伝えられるように、と考え出された日本語です。

ビジネスの現場での「やさしい日本語」は、メルカリさんがその取り組みで有名ですね。

▼参考PDF(経済産業省のサイトより:メルカリのやさしいコミュニケーショントレーニング)
https://www.moj.go.jp/isa/content/001388841.pdf

私自身はグローバルメンバーとの実際の対話の中で、「やさしい日本語」を使おうと意識するかしないかでは伝わり方が全く違う、ということをリアルに実感してきました。

ではそのポイントをお伝えしましょう。

対話するときの姿勢

まずは、話すとき聞くときに、意識するべきことがあります。

話すときのポイント

  • ゆっくり話す
  • 伝わっているか確認しながら話す
  • 伝わっていなければ、別の言い方に言い換えて伝える

聞くときのポイント

  • 柔らかい表情を意識する
  • うなづきながら聞くリアクションをする
  • 間違っている日本語に寛大になる

要するに、お互いの意見や気持ちを安心して表現できる状態で対話をしましょう、という提案です。

そのままでは伝わらないかもしれない日本語

いつも使っている日本語は、どんなにゆっくり丁寧に話しても伝わらない場合があります。そんな時こそ「やさしい日本語」に言い換えてみましょう。

以下は、そのままでは伝わらないかもしれない日本語の言い換え例。参考にしてもらえたら嬉しいです。

「敬語」は、伝わらないかもしれない

敬語は相手を気遣う素敵な日本語。でも残念ながら相手を混乱させてしまうこともあります。

言い換え例:

お聞かせください →話してください

ご遠慮ください →しないでください

お気をつけておこしください →安全に気をつけて来てください

おかけになってお待ちください →椅子に座って待っていてください

お目にかかるのを楽しみにしています →会えるのを楽しみにしています

「擬音語・擬態語」は、伝わらないかもしれない

ある時、グローバルメンバーに対してやさしく伝えるつもりで発した「ペタッと貼り付けてください」には「ペタは何ですか?」という反応が、そして「そーっと閉めてください」には、「そーって何?」という反応が返って来てしまいました。・・・そうです、これらの擬音語・擬態語は、海外出身者にとっては、かなりわかりづらいのです。

言い換え例:

ペタッと貼り付けてください →貼り付けてください

ドアをそーっと閉めてください →ドアをゆっくり閉めてください

ピカピカにしましょう →きれいにしましょう

さらっと説明しますね →短く簡単に説明しますね

コツコツ頑張りました →少しずつ頑張りました

ガンガン質問できます →自由にたくさん質問できます

頭がガンガンします →頭がとても痛いです

クーラーがガンガンに効いています →エアコンの設定が強くて寒いです

「カタカナ語」は、伝わらないかもしれない

英語だと思っていたそのカタカナ語、実はそのままでは伝わらない和製英語でした・・・ということが多くあります。以下はよくオフィスで使われているカタカナ語です。

言い換え例:

ノートパソコン  → Laptop(ラップトップ)

クレーム →Complaint(コンプレイン)

アンケート →Survey(サーベイ)

コンセント →Socket(ソケット)

サイン →Signature(シグネチャ)

ホッチキス →Stapler(ステープラー)

シール →Sticker(スティッカー)

マジック →Marker(マーカー)

ビニール袋 →Plastic bag(プラスティックバッグ)

ダンボール →Cardboard(カードボード)

マンツーマンレッスン →Private lesson(プライベートレッスン)

「主語なし」は、伝わらないかもしれない

簡単な短い文でも主語がないと伝わらないことが多くあります。意識して主語を付け加えることをおすすめします。

やってもらえると嬉しいです。 →あなたが、やってください。そうすると、私は嬉しいです。

遅いからもう帰って大丈夫です。 →遅い時間になりました。帰りましょう。

いつもは在宅です。 →いつも、私は、家で仕事をしています。

事故でダイヤが乱れています →事故がありました。電車が遅れています。

コーヒーは結構です →私はコーヒーは要りません。

「日付」は、伝わならいかもしれない

1日(ついたち)、2日(ふつか)、3日(みっか)、4日(よっか)、5日(いつか)、6日(むいか)、7日(なのか)、8日(ようか)、9日(ここのか)、10日(とおか)・・・14日(じゅうよっか)、20日(はつか)・・・脈絡なく変化する日付の読み方、なんと複雑なのでしょう。海外出身者とっては、日本語の日付を、耳だけで正しく把握するのはとても難しいことだそうです。もちろん日本語で正しく発声することもとても難しいそうです。
日付だけ英語で伝えたり、チャットで文字(数字)にして伝えると間違えがなく安心です。

最後に

今日ご紹介したのは、伝えたつもりが伝わっていなかったり、全く違う意味で伝わっていたり・・・そういったことを楽しく乗り越えてきた私なりの「やさしい日本語」の使い方。「やさしい日本語」を考えながら対話することで、単に情報が正しく伝わるだけでなく、相手とより感情の共有をしやすくなったり、さらには英語に変換しやすくなったり・・・と多くのメリットを実感してきました。そしてそこには新しい「歩み寄り」のコミュニケーションスタイルが生まれています。

「やさしい日本語」には正解がなく、お互いの言語やカルチャー、仕事内容や関係性、そして活用シーンで大きく変わっていくもの。あなたならではの「やさしい日本語」を考え活用してもらえたら嬉しいです。

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