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Developers Summit 2021聴講メモ

Last updated at Posted at 2021-02-22

はじめに

Developers Summit 2021の2日目の講演をいくつか聴講しましたので、備忘録として聴講メモを作成しました。Developers Summit 2021の詳細については、こちらのページを参照してください。

19-B-4:エンジニアのためのメンタルヘルスマネジメント<秋葉原のゲーマー心療内科医からのメッセージ>

講演者は、秋葉原内科saveクリニック 鈴木裕介さんです。講演の紹介ページはこちらです。

講演内容

  • メンタルヘルス不調の多い産業の第2位は情報通信業である(第1位は医療、福祉)。エンジニアのメンタルリスクは平均の3倍高い。
  • チームの中で「繋がっているが孤独な関係性」がストレスを形成している。
  • ストレスは「ストレッサー(ストレス状況)」と「ストレス反応」の2つの相互作用で成立する。
  • ストレッサーが続くと、約3カ月後に体の一番弱いところに顕在化する。早い段階で気づき難い。
  • ストレス反応は心理面、行動面、身体面に大別される。ストレス反応が身体面に出ても気づき難い。
  • 朝の頭痛のある人の30%が抑うつ状態だったデータがある。
  • 心理的ストレッサーのうち、デイリーハッスルズ(言い方に腹が立つ、流しが汚い等)に要注意。デイリーハッスルズのような小さなストレスが積み重ねが慢性化する。
  • ストレスマグニチュード(社会的再適応評価尺度)。ポジティブな出来事もストレスとなる。
  • 環境変化は要注意。キツイ環境からラクな環境への変化の場合も注意が必要。
  • 腰痛もメンタル疾患。職場での対人関係、仕事の満足度、サポート不足も身体化兆候の危険因子。
  • ストレスにより、下降性疼痛抑制系の神経回路がうまく働かなくなり、ちょっとした痛みも大きな痛みに感じてしまう「腰痛」がある。
  • 腰痛対策で必要なのは体操。
  • FFS理論(Five Factors and Stress理論)。人間の特性を5つの因子に整理する。
  • 個性によってストレッサーは異なる。エンジニアは弁別性が強い傾向(合理性が強い)。
  • 受容性と弁別性のミスコミュニケーション。
  • 弁別性のストレスマネージメント。「清濁併せ吞む」事の合理性を追求(合理性のアップデート)。
  • Minecraftを用いた復職プログラムの事例あり。
  • コーピングのリストを持つ。

所感

ストレスと腰痛の関係については考えた事はありませんでしたが、過去の経験から頷けるところはあります。自分も実践しているので、体操が腰痛防止に効果があるのはよく分かります。コーピングは小さな幸せを沢山持つことだと思いました。

19-C-6:3つのNew(New Normal・New Tool・New Team)で大規模スクラムLeSSを始めたら大変でした

講演者は、NEC 河野友生子さんと大内孝明さんです。講演の紹介ページはこちらです。

講演内容

  • 4か月でExastroのEPOCモジュールを、LeSSと呼ばれる大規模スクラムフレームワークで開発した時に上がった課題とその対策を、スクラムマスターの河野さんが説明し、アジャイルコーチの大内さんがポイント解説するというスタイルでの講演。
  • Exastroは「システムライフサイクル(設計・開発・設定・運用)をデジタル化・自動化・省力化することを目的とした」というオープンソースのソフトウェアスィートとのこと。
  • 今回の開発では初めてLeSSを採用し、スクラム経験のある既存の1チームと経験なしの1チームの2チームの開発体制を全員在宅ワークで実施した。
  • 工夫で乗り越えた課題。
    • 課題:共有した情報を掲示しておけない。
      • 対策:オンラインホワイトボードのmiroを活用。
    • 課題:お互いの開発チームの状況が見えない。
      • 対策:合同イベントで情報共有。
    • 課題:他の開発チームに助けてもらえるかわからない。
      • 対策:スキルマップの共有。
    • 課題:開発チーム間、ロール間でぎくしゃく。
      • 対策:スクラム体験ワークショップを実施。
    • 見えない開発チームが出来た。
      • 対策:各開発チームにスクラムマスターを配置。
  • 意識改革で乗り越えた問題。
    • 開発チームにちょっとした確認が取れていない。
      • 対策:積極的な声掛け。
    • 他開発チームの問題は他人事。
      • 対策:他開発チームの問題も自分事に。
    • 開発チーム間での優越感と劣等感の発生。
      • 対策:開発チームよりスクラムチーム。
    • ステークホルダーが価値を感じづらい。
      • 対策:スプリントレビューをステークホルダー視点で。

所感

全員在宅ワーク(New Normal)、初めてのLessの採用(New Tool)、スクラム経験のない新開発チーム(New Team)という困難な条件でプロジェクトを運用してきたという内容なので、LeSSよりも在宅ワークにおけるコミュニケーションの困難さの比率が高かったと思いますが、その分、アジャイル開発以外でも通じる内容だったと思います。個人的には開発チーム内で、どのように意識改革をしていったかについて、もう少し聴いてみたかったです。

スタートアップ系の登壇が多いと思われるイベントの場にメーカー系のNECが登壇するのは珍しいせいか、やや硬めな講演の印象を持ちましたが、今後も色々なイベントでアウトプットしていくようですので、今後が楽しみです。

19-A-8:Pythonエンジニア認定基礎試験とPythonエンジニア認定データ分析試験の紹介と例題解説

講演者は、一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会 吉政忠志さんと寺田学さんです。講演の紹介ページはこちらです。

講演内容

  • 「Python3 エンジニア認定基礎試験」と「Python 3 エンジニア認定データ分析試験」のご紹介で、現在受験者は年間1万人ベースとのこと。
  • 日経TECHの2020年9月の記事によると、Pythonの認定試験は、今取るべき民間資格の2位である(1位はAWS認定試験)。
  • マイナビニュースの2021年の記事によるとITエンジニアが学びたいプログラム言語の1位はPythonである。
  • 「日本の人事部」というサイトで、Python試験コーナーを立ち上げた。
  • 最近の懸念としては、Pythonを知らない人が書いている書籍が多くなり、「Pythonic」なPythonを知らないエンジニアが増える可能性がある。その結果、Pythonのメリットの一つの保守性が失われる可能性が高い。
  • 認定試験は「Pythonic」なPythonを意識したテストになっている。
  • 認定基礎試験の教科書は「Pythonチュートリアル 第3版」、認定データ分析試験の教科書は「Pythonによるあたらしいデータ分析の教科書」とのこと。
  • 以降の講演内容はテスト問題のサンプル説明、イベント開催や認定試験に関する記事のお知らせ等でした。

所感

Pythonの認定試験の受験者が年間1万人ベースという事に驚きましたが、後の説明を聞くにつれ、まめな広報活動の賜物だと思いました。背景には「Pythonic」なPythonについての危機感があるのでしょう。

私はPython3の正式版リリースの直前の頃に、自分のためのツールを作るために少しの期間だけ、触ったことがある程度の知識しかありませんが、改めて勉強し直してみるのもいいかなと思いました。

おわりに

時間が取れなくて、上記の3講演しか聴講できませんでしたが、楽しかったです。1年前のDevelopers Summit 2020の頃は、新型コロナウイルス感染拡大を感じつつも、目黒の雅叙園で開催されていましたので、かなり昔の出来事のようにも感じました。1年後はもう少し社会は落ち着いていると思いますので、どのような形態で開催されているか楽しみです。

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