はじめに
Developers Summit 2023の2日目の講演をいくつか聴講しましたので、備忘録として聴講メモを作成しました。Developers Summit 2023の詳細については、こちらのページを参照してください。
10-A-1:学び続けている方からバトンを受け取るための「学びのススメ」
講演者は、豆蔵/IPA 羽生田栄一さん、アギレルゴコンサルティング 川口恭伸さん、豆蔵 中佐藤麻記子さん、能楽師(下掛宝生流) 安田登さん。講演の紹介ページはこちらです。
講演内容
IPAの「学びのインタビュー」から生まれた30個の「大人の学びパターン・ランゲージ」のうち、「A4:もやもやをコトバに」、「A5 キワを攻める」、「B7:継続は気楽にあり」、「B8:苦手解消ハック」、「C1:基本の型をまねぶ」、「D4:学びのコミュニティ」、「D6:わたしの学びは人類のバトン」についての解説が中心でした。
所感
この講演を聴くきっかけは、能楽師 安田登さんが参加されていた事でしたが、自己紹介を聞くと1990年代に既に3DCGの本やゲームの攻略本を出版されており、インターネットに出会ったのも1991年とのことで、元々ITの素養がある方でした。
IPAの「学びのインタビュー」や「大人の学びパターン・ランゲージ」については、全く知らなかったので、後からIPAのページを読みました。良質なコンテンツだと思うので、もう少しアクセスしやすい工夫をした方が良いと思いました。
10-D-3:SIerで「新規事業」を作るということ、SEが「価値」を作るということ
講演者は、TIS 木利友一さんと木利友一さんです。講演の紹介ページはこちらです。
講演内容
TISにおいて、ゼロから新規事業を立ち上げようとして、最終的にリリース出来なかった失敗事例を開発側の立場から紹介していました。
所感
発表の内容そのものは、新規事業に限らず、受託開発等にも参考になる内容でもあったと思います。失敗しても再チャレンジできるのは素晴らしいと思いました。ただ、それは体力がある会社だから出来る面もあり、どこの会社でも出来るわけではないとも感じました。
一番興味があったのは、ビジネスとして新規事業開拓にGoサインを出すプロセスの失敗部分の検証だったのですが、社外秘の内容が含まれているためだと思いますが、その部分にほとんど触れていなかったのが残念でした。
10-A-4:フロントエンド開発のためのセキュリティ入門
講演者は、サイボウズ 平野昌士さんです。講演の紹介ページはこちらです。
講演内容
講演者の自著「フロントエンド開発のためのセキュリティ入門」から、「暗号化の失敗」、「アクセス制御の不備」、「インジェクション」、「脆弱で古くなったコンポーネント」におけるセキュリティリスクの解説でした。
所感
フロントエンド開発者ではないので、広く浅くは知識として理解していても、深いところは曖昧な理解をしている事を認識できたので、勉強になりました。
10-A-6:有志によって日本最大級の選挙情報サイトが生まれた物語
講演者は、ユーザベース 河野文弥さんです。講演の紹介ページはこちらです。
講演内容
講演者が「JAPAN CHOICE」という選挙情報サイトを立ち上げる時のエピソードの紹介と、シビックテックという考え方の考察でした。
所感
この講演は素直に面白かったです。本業とは別の時間に半年かけてサイトを立ち上げるはずが、突然の衆議院の解散を受けて、2週間でサイトを立ち上げたとのことでした。淡々と話す口調からもにじみ出る熱意以上のものを感じて、選挙(というより政治参加)に対する原体験を聞いてみたいと思いました。2週間でサイトを立ち上げるために、入れてしまえばこっちのものというノリで知人をプロジェクトに参加してもらったとの事でしたが、誰でも良かったわけでなく、「まき込まれ力がある」人を選んでいると発言されていて、冷静な判断をしていると思いました。
おわりに
時間が取れなくて、上記の4講演しか聴講できませんでしたが、楽しかったです。自分の業務や技術に近い講演は少ないですが、聴講しながら自問自答をする事が結果的に自分に良い影響を与えてくれるので、次回も時間があれば参加したいと思います。