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Ubuntu18.04のGPUマシンでCOVID-19に立ち向かう方法(Folding@home)

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はじめに

本日(3月30日)、新型コロナウイルスによる症状悪化のため、タレントの志村けんさんが亡くなられました。ご冥福をお祈りいたします。

この件を受けて、現在の私に何かできることはないかと思い、つい3日ほど前から行っているあるプロジェクトへの参加方法についてメモ書きでもいいから共有すべきだと考え、現在執筆をしている所であります。参加しているプロジェクトというのはFolding@homeというもので、元々はタンパク質構造解析のための分散コンピューティングプロジェクトです。ここで得られた成果はがんやアルツハイマー病などの様々な治療に役立てることを目的としていて、現在はCOVID-19のための解析プロジェクトが行われています。

もし、お手元に少しでも余裕のあるPCをお持ちでしたらぜひご参加いただきたいのですが、この参加方法自体はとても簡単です。今回はUbuntu18.04のGPUマシンなどに対象を絞って説明させていただきます。また、SNSを利用している方でしたらぜひ周りのご友人や知人の方にご紹介いただけたら幸いです。

Folding@homeの導入方法

ここからは早速インストール方法に入っていきます。ここでやることは主に2つです。
* 公式サイトから3つのインストールファイルをダウンロードする。
* ターミナルでダウンロードした3つのファイルを使ってインストールする。

PCスペック

どんな方のPCでも動かすことはできますが、一応私の環境について載せておきます。詳しい対応環境については公式に問い合わせるのが一番早いと思います。

  • OS : Ubuntu 18.04 64-bit
  • CPU : intel Xeon E5-1650 v4
  • GPU : GTX 1080ti x2
  • RAM : 64 GB

Folding@homeのダウンロード

まず公式サイトのダウンロードページに行きます。
ページリンクは↓
Folding@home

そしたら、サイト中央あたりのDebian / Mint / Ubuntuと書かれている項目の下にある

fahclient_7.5.1_amd64.deb
fahcontrol_7.5.1-1_all.deb
fahviewer_7.5.1_amd64.deb

の3つをそれぞれクリックしてダウンロードしてください。バージョン名はその時ごとに変わると思いますので、合うものを選んでください。

Folding@homeのインストール

ターミナルを開き、ダウンロードしたファイルがあるディレクトリに飛んでから、

$ sudo dpkg -i fahclient_7.5.1_amd64.deb
$ sudo dpkg -i fahcontrol_7.5.1-1_all.deb
$ sudo dpkg -i fahviewer_7.5.1_amd64.deb

を打ち込んでインストールします。途中でIDとチーム名、passkeyを入力する所がありますが、IDは匿名でも自分のSNSの名前でも構いません。チーム所属ももちろん無所属でも構いませんが、日本人が多く集まっているコミュニティとしてASRockManiaさんというPCパーツ屋さんであるASRockが開いているチームがあります。自分もそこに所属していますが、もし入りたい方はチームの項目に252872と入力してください。passkeyの設定は未設定のままで大丈夫です。ここはあとから設定し直すこともできるので飛ばしても全然大丈夫です。

ここまででもう既にFolding@homeへの参加は出来ています。あとはうまく動かないという人向けの設定方法を書いていきます

Folding@homeの設定(FAHControlの設定)

さて、インストールが無事に済んだらあとはコントロールウインドウを開いて設定するだけです。インストールが済んだ時点で既に動いているものもあるとは思いますが、ここでproxyやGPUの設定が必要な人が多いと思います。それについて書いていきます。

まず、ターミナルを開いて

$ FAHControl

と打ち込んでFAHControlを開きます。すると、現在の実行環境が表示されます。この画面の右上にあるConfigureを開くと設定画面が出てきます。

GPUスロットの追加

まず、初期状態ではCPUのみがスロットに登録されているため、GPUなどはこの設定画面で追加する必要があります。設定画面のSlotsタブを開いてFolding slotsの枠の下部にある追加を押します。すると、追加でCPUとGPUを追加できる画面が出てきますので、この画面のGPU側のチェックボタンを押して、あとはいじらずにOKを押してください。GPUが2枚の人はもう一度追加を押して同じようにGPUを追加してください。
設定が終わったら保存を押してください。

Proxyの設定

もし、ファイアウォールなどのセキュリティがある環境下の人ではプロキシを通さないといけないという場合では設定画面のProxyタブを開いてチェックボタンを押してチェックを付け、IPアドレスとポート番号をこちらに入力してください。
こちらも設定が終わったら保存を押してください。

アカウントのパスワードの設定

ここまでの設定が行われていれば既にうまく実行ができていると思いますが、それでもうまくつながらないということが起きた場合には設定画面のConnectionタブにあるPasswordの設定をしないといけないかもしれません。ここのパスワードには今使っているUbuntuアカウントのログインパスワードを入力してください。あとは保存を押して画面を閉じます。

Folding@homeの再起動

ここまで色んな設定をしているので一度Folding@homeを再起動して設定が反映されているかどうかを確認してみてください。再起動は下記の

$ sudo /etc/init.d/FAHClient stop
$ sudo /etc/init.d/FAHClient start

を打って実行すれば行えます。

おわりに

Folding@homeの導入方法について書いてきました。基本的にFolding@homeは起動しておいてあとは勝手にやってくれるため、自分から特に触るものがなくとても簡単に参加ができます。参加者が多くなればそのぶん計算できる量が増えて、多くの人を救うために必要な時間も短縮できます。冒頭でも伝えましたが、もしご友人の方でPCをお持ちの方がいればUbuntu以外でもFolding@homeへの参加は可能なので、情報の共有の程よろしくお願い致します。何か追加情報が欲しい、あるいは間違っている部分がある場合はご指摘などをコメントでくださると幸いです。

新型コロナウイルスによる感染者を一人でも多く救われますよう心から願っています。

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