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なぜアジャイル宣言が誕生したのか?何を変えようとしているのか?

Last updated at Posted at 2018-11-14

これは何?

はじめに ~ アジャイル宣言は、不親切で難しい?

アジャイル宣言そのものには、具体的な開発手法/技術についての言及はありません。
これはつまり『アジャイル宣言で「何が大切か?(新しい価値観)」は伝えたのだから、具体的にどうするか?(開発手法やどんな技術を使うか)については自分たちで考えなさい』ということです。

  • これって不親切で、難しいことを言ってるように思いませんか?

  • 「そんな意地悪しないで、もっと具体的(どんなツール使えばいいの?どんなコミュニケーション手段をとるのがいいの?など)に教えてよ!」と思いますよね。

  • なぜ『具体的な開発手法/技術を示さなかったのでしょう?』

  • 実は『開発手法/技術を書いてしまうと、アジャイル "宣言" ではなくなってしまうので、書けなかったんです』

  • 「え?どういうこと?」と思いました?

  • 順を追って説明してみます。

アジャイル宣言は、なぜ誕生した?

なぜ『アジャイル宣言に、具体的な開発手法/技術が書かれなかったのか?』
それは、アジャイル宣言が誕生した経緯を振り返ることで見えてきます。

  • 1)近年、世の中の変化のスピードが増した結果、今までの『開発手法/技術』で成果を出すことが難しくなってきた。
  • 2)しかしながら、新しい『開発手法/技術』を考えたとしても、世の中の変化によって、すぐにその手法/技術は陳腐化してしまう。
  • 3)だから、新たな『開発手法/技術』を**探求し続けなければならない。**
  • 4)「そうだ!新たな開発手法/技術をどういう基準で取り入れるべきか?」をまとめよう!そして「これをチームの行動理念として実践しよう!」

つまり『これを大切にすれば(新しい価値観=開発手法/技術の選定基準)、今の時代にマッチしたソフトウェア開発ができるのでは?」をまとめたものが「アジャイル宣言、及び、アジャイル宣言の背後にある原則」なのです。

アジャイル宣言は、何を変えようとしているのか?

アジャイル宣言は、新しい価値観への転換を促しています。

  • 「特定の開発手法/技術だけでは、世の中の変化と戦うことができなくなった」という現実を受け入れ、

  • 「世の中の激しい変化にさらされても、使う開発手法/技術を素早く柔軟に変え続けることで、成果を出し続けるぞ!」という宣言

ここで、勘違いしてほしくないのですが『これまでの開発手法/技術がダメだ』と言う意味ではありません。『これまでの開発手法/技術が通用する場面は今もたくさんある』と思います。アジャイル宣言の本質から考えると『これまでの開発手法/技術、新しい開発手法/技術、**この全部**を選択肢として、自分たちの状況に合うものを選ぶことができる』ということに意味があるんだと思います。

まとめ

  • 近年の世の中の激しい変化についてゆくために、開発手法/技術を1つに絞り込むことをあきらめた。

  • 代わりに「開発手法/技術を柔軟に変える為には何が大切か?(新しい価値観=開発手法/技術の選定基準)」をまとめた。

  • これがアジャイル "宣言" である理由(=具体的な開発手法/技術が書かれていない理由)です。

  • ちなみに、この文章での「具体的な開発手法/技術」のことは、一般的には「プラクティス」と呼ばれているものです。

  • 「これをやってればいいよ!」だったのが、「常に良いやりかたを考えてやってね!」が求められるようになったので、本当の意味での実践は大変そう。。

  • 妄想ですが「アジャイルやってます?」「はい。やってますよ」「スクラムですか?」「ウォーターフォールです!」って言いきれたらすごくカッコいいのかも?

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