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世紀末秋葉原日記 Ver. 0.1 前夜

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いい加減煮詰まっていた。

仕事は、人に言わせれば面白い仕事ではあるんだが、自分の立場では到底マーケットにリーチ出来ない状況となると、評価もそれほど芳しくない。
無駄なプライドだけが俺をただ焦らせていた。
今にして思えば思い上がりも甚だしい。単に俺に実力が伴っていないだけ。
バブルも超えて、まったくうだつの上がらない自分の環境と地位、彼女いない歴=年齢なのはもう素質なので仕方ないとしても、このまま電機メーカーの子会社にいても先は見えないとしか思えないほど煮詰まっていた。

俺は学生時代、秋葉原のZ80やら6800やら6502のシングルボードやパーツ類と取り扱う某店で、なんと月180時間もアルバイトに入るという生活をしていて、卒業後もそのまま秋葉原に居つく気だった。
ただ、田舎の両親のことを考えると、山口の田舎から4年も関東の大学に居させてくれたという恩も無視できず、結局は最終年度の年明けに秋葉原以外のどこかに就職することに決め、さらにいい時代だったのか、その時期でも冠企業に入社できてしまったという、大馬鹿ものでもあった。

その悪運をすっぱり捨てようかと、そんな思いが心を支配し始めた時だった。

IBM-PC互換機の台頭、そしてUnix Cloneの時代。
世の中は、386BSDとLinuxがQICテープやFDで配布されていた時代だった。

古巣の親父はいつのまにか新しい会社を立ち上げ、昔の仲間も徐々に秋葉原に集まっており、俺もしばらくぶりに秋葉原に舞い戻った、まさに舞い戻った親不孝息子の一人だった。

(つづく)

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