blastengineはシンプルに使える開発者向けメールサービスを提供しています。何かと面倒なメール配信をシンプルに、かつ確実に送信先に届くようになります。
今回はblastengineのAPIを使ってPythonで添付ファイル付きのメール送信を行うまでの流れを解説します。
ユーザ登録する
blastengineにユーザ登録します。管理画面に入るためのユーザID、パスワードが手に入るので、ログインします(ユーザIDは後で使います)。
送信元ドメインのSPFを設定する
送信元として利用するドメイン(自分で持っているもの)の設定をします。これは任意のドメイン管理サービスで設定できますが、TXTレコードに以下のSPFを追加します。
txt @ v=spf1 include:spf.besender.jp ~all
APIキーを取得する
ログイン後、管理画面の右上にある設定メニューに移動します。
そして設定の中で、APIキーを取得します。
ライブラリのインストール
今回利用するライブラリは下記のrequestsです。
HTTPアクセスできるライブラリがあれば良いので、好きなものを利用してください。Pythonプロジェクトの作成と、ライブラリのインストール用コマンドを実行します。
$ mkdir blastengine-test
$ cd blastengine-test
$ echo "requests" >> requirements.txt
$ pip install -r requirements.txt
ライブラリを読み込む
まず必要なライブラリを読み込みます。上記の requests
に加えて、JSONを扱う json
、ハッシュを作成する hashlib
なども読み込みます。
import os
import sys
import requests
import json
import hashlib
import base64
必要な変数を取得
今回はターミナル(コマンドプロンプト)から実行します。その際にユーザIDとAPIキーを渡す仕組みにしますので、スクリプト側で入力値を受け取ります。また、両方とも必須なので、入力がなかったらエラーとします。
user_id = os.environ['BE_USERID']
api_key = os.environ['BE_APIKEY']
トークンを生成する
APIリクエストするためのトークンを生成します。手順としては次のとおりです。
- ユーザIDとAPIキーを連結する
- SHA256のハッシュを生成する
- ハッシュを全て小文字にする
- 3の文字列をBASE64エンコードする
実際のコードで言うと、次のようになります。 token
がトークンです。
digest = hashlib.sha256(f'{user_id}{api_key}'.encode()).hexdigest()
token = base64.b64encode(digest.encode()).decode('utf-8')
メール内容を準備する
メールの内容はdictで作成します。
entity = {
'from': {
'email': 'no-reply@example.jp',
'name': '送信者サンプル'
},
'to': 'test@example.com',
'subject': 'テスト件名',
'encode': 'ISO-2022-JP',
'text_part': 'テスト配信',
'html_part': '<!DOCTYPE html><html><header></header><body>sample html</body></html>'
}
添付ファイルを準備する
先ほど用意したentityはdataという名前で利用し、他に添付ファイルをfileパラメータに適用します。
# 添付ファイルの設定
files = [
# fileは添付ファイル
('file', ('README.md', open('./README.md', 'rb'), 'text/markdown')),
('file', ('requirements.txt', open('./requirements.txt', 'rb'), 'text/plain')),
# dataはメール内容(data.jsonはダミーのファイル名です)
('data', ('data.json', json.dumps(entity), 'application/json'))
]
メールを送信する
では実際にメールを送信します。APIのエンドポイントは https://app.engn.jp/api/v1/deliveries/transaction
になります。生成したトークンは Authorization
ヘッダーに適用します。
url = 'https://app.engn.jp/api/v1/deliveries/transaction'
headers = {
'Authorization': f'Bearer {token}'
}
# 送信時にはfilesパラメータに適用してください
response = requests.post(url, files=files, headers=headers)
結果
レスポンスを出力します。配信ID(delivery_id)は照会、変更および削除操作に必要です。
if response.status_code > 300:
print('Error')
res = json.loads(response.content)
print(res['delivery_id'])
# 9
全体のコード
今回のサンプルコードは次のようになります。実装時の参考にしてください。
import os
import sys
import requests
import json
import hashlib
import base64
user_id = os.environ['BE_USERID']
api_key = os.environ['BE_APIKEY']
digest = hashlib.sha256(f'{user_id}{api_key}'.encode()).hexdigest()
token = base64.b64encode(digest.encode()).decode('utf-8')
url = 'https://app.engn.jp/api/v1/deliveries/transaction'
entity = {
'from': {
'email': 'no-reply@example.jp',
'name': '送信者サンプル'
},
'to': 'test@example.com',
'subject': 'テスト件名',
'encode': 'ISO-2022-JP',
'text_part': 'テスト配信',
'html_part': '<!DOCTYPE html><html><header></header><body>sample html</body></html>'
}
headers = {
'Authorization': f'Bearer {token}'
}
# 添付ファイルの設定
files = [
# fileは添付ファイル
('file', ('README.md', open('./README.md', 'rb'), 'text/markdown')),
('file', ('requirements.txt', open('./requirements.txt', 'rb'), 'text/plain')),
# dataはメール内容(data.jsonはダミーのファイル名です)
('data', ('data.json', json.dumps(entity), 'application/json'))
]
# 送信時にはfilesパラメータに適用してください
response = requests.post(url, files=files, headers=headers)
if response.status_code > 300:
print('Error')
res = json.loads(response.content)
print(res['delivery_id'])
まとめ
クラウドサービスではSMTPポートが塞がれている場合があるので、そうした時にはAPI経由を利用してください。SMTPリレーを使えば、より信頼性高く、安定した配信が実現できるでしょう。
APIとSMTPリレー、それぞれの要件に合わせて最適な方を選択してください。