QualityForwardはクラウドベースのテスト管理サービスです。テスト管理(テストマネジメント)システムと言っても様々な種類があったり、似たような機能を持ったシステムもあります。今回はその種類と目的の違いについて紹介します。
BTS(バグトラッキングシステム)
BTSがテスト管理としてあげられることが多いですが、これは発生した不具合(バグ)を報告、管理するためのシステムになります。Bugzillaが有名です。一つずつの不具合に対して専用のURLを作成して、データベースで管理します。そしてディスカッションを通してバグの修正状態をモニタリングしたり、ソースコード管理と連携して修正内容が追えるようになっています。
BTSはリリースされた、もしくは開発者向けに公開されたソフトウェアをベースとしています。それを試したり、利用する中で発生した問題点について取り上げます。
CI(継続的インテグレーション)
DevOpsの文脈の中であがることの多いCIは、テストを自動化するための仕組みです。ソースコードを更新したタイミングで実行され、その実行内容と結果を管理します。ソースコードレビューシステムと連携し、自動テストした結果に応じてソースコードの受け入れ(マージ)可否判定に使われます。
CIの結果としてテストが失敗するのは良くあることです。そのため開発者に対してテスト結果の通知はしますが、BTSに自動登録されるようなことはありません。また、CIは自動化されたテストを行いますので、マンパワーによるテストを管理するのには適しません。
プロジェクト管理/課題管理
プロジェクト管理においては、各タスクをIssue(課題、チケット)といった単位で管理します。BTSのように不具合の内容を登録することもありますが、多くのプロジェクト管理はアサインされているメンバーしか投稿できません。BTSの場合は誰でも投稿できます。
BTSなどと連携するプロジェクト管理では、まず不具合の発生時にBTSに記述し、その内容がプロジェクト管理のタスクとして発生します。プロジェクト管理では開発だけでなく、他のステークホルダーとの調整や要望など、より広い範囲でのタスクを扱います。
テストケース管理システム
システムをマンパワー(一部自動化も可)でテストする際にテストケースを作成します。入力値と期待値を羅列し、実際にその結果になっているのかをテストします。人が手入力を行う場合もあれば、Webブラウザを自動操作するなどして自動化する場合もあります。
テストケースは大量に作成されるので、プロジェクトを横断してコピーしたり、バージョンアップ時にリサイクルする、条件(WebブラウザやOSのバージョンなど)を変えて利用します。私たちの提供するQualityForwardもテストケース管理システムの一つです。
テスト結果は報告書にまとめられたり、プロジェクト管理システムと連携して直すべき不具合として登録されます。
アプリケーション・ライフサイクル・マネジメント(ALM)
ソフトウェア開発と、その後の保守プロセスまで含めて管理するシステムです。ソフトウェア開発ライフサイクル(SDLC)と近い文脈で用いられますが、ALMの場合はより広く、運用フェーズも含めて管理されます。ALMの中にテスト管理、BTS機能を持っていったり、外部システムと連携するようになっています。
システムが大型なため、導入までの敷居が高くなってしまうのが難点です。数千〜数万人月を超えるような大型なプロジェクトでの利用が良いでしょう。
ソースコードレビューシステム
開発チーム内でソースコードレビューを行うのに専用のシステムを用いる場合があります。例えばFacebookが開発しているPhacilityではレビュー結果とBTSを連携させています。GitHubのソースコードレビューはCIと連携していたり、課題管理に登録もできます。
ソースコードレビューシステムは名前の通り、開発工程や保守工程におけるソースコードの変更点を確認するためのシステムになります。今は自動レビューを行ってくれるシステムもあります。
まとめ
Wikipediaによればテスト管理といった場合にはテストケース管理システムを指し示すようです。機能的に似通っていることもあり、どのツールをどのタイミングで導入すれば良いか分かりづらいという方も多いでしょう。また、システムによって開発フェーズのどこに適合するのか異なります。専門のツールもあれば、体系的に全体のプロセスに関わるものもあります。
いずれにしてもソフトウェアの品質を向上させ、安定した機能をユーザに届けるためにテストは欠かせません。これらのシステムを使いこなし、皆さんのシステム開発に活かしてください。
QualityForwardはクラウドベースのテスト管理サービスを提供しています。Excelを使ったテスト管理に不便さを感じ始めたら、ぜひQualityForwardをチェックしてください。