はじめに
Autonomous Database ServerlessでECPU課金モデルが利用できるようになりました。ECPUモデルはOCPモデルより細かな粒度で設定ができます。
既存のAutonomous DatabaseインスタンスもOCPUモデルからECPUモデルへ更新が可能になったので、試してみたいと思います。
前提条件
- ワークロード・タイプはAutonomous Data Warehouseタイプ
- OCPUタイプのバックアップは1日分保持した状態
1.OCPUモデルのAutonomous Databaseのホームを表示し、ECPUモデルに更新
リソース割り当ての項目に"ECPUモデルに更新"のリンクがありました。
リンクをクリックすると、請求モデルの更新の画面が開きます。
インスタンスは起動している必要あります。停止しているとリンクはクリックできません。
(※ 更新時にはコンピュート、自動スケーリングの変更ができません。変更する場合は更新後に行うことができます)
OCPUとECPUは同等のコストパフォーマンスになるため、1OCPU(¥188.174/1OCPU)は4ECPU(¥47.04/1ECPU)相当です。
更新前のOCPU数は1の場合、表示されるECPU数は4になりました。つまり、デフォルトではOCPUと同等のコストパフォーマンスになる値が入ることがわかります。
ECPUモデルはOCPUモデルと異なり、バックアップの保持サイズにコストがかかります。バックアップ保持期間はデフォルトで60日ですが、1日から60日の間で変更ができます。短縮するとコストを下げることができます。
ECPUを4に、バックアップ期間を7にして変更の保存をしてみます。
ステータスが更新中になり、ほとんどの管理操作ができなくなりました。
しばらく待つと、使用可能になりました。ECPUが4、バックアップ保持期間が7になっています。
作業リクエストを見ると、開始から終了までは30秒程度でした。
2.ECPUモデルのインスタンスをチェック
2-1. スケーリング
ECPUインスタンスをチェックしてみます。
スケーリングはリソース割り当ての管理から可能です。ECPUは2ECPU以上で、1ECPU単位でスケーリングできます。
2-2.バックアップ
OCPUモデルのときの既存のバックアップが1つある状態で、バックアップ保持期間を7日間にしてECPUタイプに変更しました。確認すると、取得していたバックアップの保持期間が60日間から7日間に変更されています。
今回、既存のバックアップは7日間以内のバックアップであったため、保持期間の変更が行われましたが、保持期間を超えた古いバックアップであった場合は削除対象となります。ご注意ください。(削除される前であれば、保持期間を変更すると再表示されるようです)
Autonomous Databaseの詳細画面にある合計バックアップ・ストレージは、課金対象となるバックアップ容量のサイズを確認できる項目です。更新直後は値ははいっていませんでしたが、時間を置くと確認できました。
ECPU更新後もバックアップ保持期間の変更は可能です。バックアップ保持期間の編集リンクをクリックします。
2-3.ツール構成
ツール構成では、OCPUモデルのときとは異なり、いくつかのツールでECPU数と最大アイドル時間の設定があります。ここで指定されたVMのECPU数は、ツールを起動している時間、データベースのECPU数に追加されて請求されます。最大アイドル時間を超えた場合はツールは停止しますので請求も停止します。
ツールの編集をクリックすると、それらの変更やツールの有効化/無効化が可能です。
おわりに
OCPUモデルのAutonomous DatabaseインスタンスをECPUモデルに更新してみました。ツールの一部やバックアップ容量が有償になるところを注意すれば、見た目や使い勝手はOCPUモデルと変わらないようです。