Ateam Brides Inc. Advent Calendar 2021の15日目は
株式会社エイチーム エンジニアのみやたけが担当します!
はじめに
タイトルの通りですが、今回はエンジニア経験の浅い人や、若手のエンジニア等で、不安が多い人に聞いてほしい成果と成長の話です。
くれぐれも、不安無くバリバリやってる人は対象外になりますのでお気をつけ下さい。共感得られない事請け合いです(笑)
いきなりですが、不安ありません?
エンジニアで入ってきた時に、僕みたいな凡人だと不安って結構あったりするんですがみなさんは如何でしょうか。
中途の場合
僕は今の会社に中途入社ですが、入った時はとっても不安でした。
今までWindows系でしか開発したことなかったので(jscript+ASP6)あまりCUIに慣れてませんでした。(エディタも今はなきPeggyを使ってました)
ところが入社してみると、OSはほぼLinux。皆さんターミナルの画面で、Vimをバリバリ使いこなしてました。
「やばくない?え、ちょ、レベル高いって。俺、エンジニアって言って入ってきちゃったけど、この人達と比べられちゃうの?中途なので即戦力にならないといけないけど、成果出せるの?」
と、正直そう思っちゃったわけです。
新卒の場合
この不安を、例えば新卒とかに置き換えてみます。
「やばくない?え、ちょ、レベル高いって。俺、エンジニアって言って入ってきちゃったけど、この人達と比べられちゃうの?同期の新卒もみんなすごいじゃん。おいてかれるんじゃないの?」
いかがでしょう。同様に、例えば2年目でも、
「やばくない?え、ちょ、レベル高いって。俺、なんとなく1年やってきて今2年目なのに、全然成果出せてない。今年の新卒や中途もすごいし、このままだとやばいよ」
みたいになっちゃう人もいるんじゃないかなと思うんです。
不安ないよって人
ごめんなさい、この記事の対象読者ではありません!
m(_ _)m
不安あるよって人
もしくは「そういう人を理解したいよ、する必要があるポジションだよ」
という人に
「こういう考え方もあるんだなー」というのが一つわかるといいなという程度の記事です。
あと、読んでみたら「当たり前じゃん」かもしれないので、是非期待値を下げてから読んで下さい💦
「成果」についての補足
まずはタイトルにある「成果」について、この記事で扱うイメージをお伝えしておきます。
幅広い解釈がある言葉なので、細かく話しだすと大変です。分かりやすくするために、あくまでこの記事中における定義をしておきます。(厳密なツッコミは無しでお願いします💦)
イメージ
「成果」と聞いて、一番分かりやすそうなものに例えます。
ビジネスいうところの、こういうやつです。
よくありますよね。
最初は投資、中長期的に投資効果が出る、みたいな。
今回は、これをエンジニアに置き換えて考えてみると、こんな感じだよね、というお話です。
エンジニアの成果 ≒ 成果物
エンジニアの成果ってなかなか見えにくかったりしますし、定義も様々だと思いますが、ここでは一旦分かりやすく「成果物」つまり、issue、チケット、案件、などなどの 【こなした数】 という定義で話を進めます。
よくある不安
最初はやる気一杯!
さて、では早速本題です。架空の人物、新卒エンジニアのAさんです。
入ったばかりでやる気で一杯です。
他との比較💦
ただ、数ヶ月やってくると、仕事の中身が分かると同時に、他のエンジニアのことも見えるようになってきます。
Aさんの同期入社の人(或いはライバルや同年代などの比較対象)は、これくらい成果物をリリースしていました。
それと比較すると、↓のようにかなり少ないです。Aさんは「あれ、これはまずいかも」と焦りが出てきました。
実際に少ないだけでなく、今後も「少なくなりそうだ」と思ってしまい、更に焦りが生じます。
まじめなAさんは「これじゃだめだ、あいつと同じくらいは最低限成果を積まなきゃ」と頑張ります。
↓の図でいうところの、赤色(つまり差分)を取り返そうとします。
しかし、そんな時に限って進まないんですね。コードレビュー通らない、マージできない、あぅあぅ・・・
更に焦ってしまうわけです。結局・・・変わりませんでした。
先輩との差💦
ちなみに、同期以外も、先輩たちはみんなすごい人たちだということが分かってきました。
先輩方はこんな感じなわけです。
極端すぎやろ!∠( ゚д゚)/ ビシッ
正直ね、先輩に追いつくなんて、想像できないわけですよ。でも、同じエンジニアとして比較される日々です。
出来る人はほんとカッコいいし、憧れるし、ああなりたいと思うんですけど、どんどん離れた存在に見えてきちゃうんです。
「俺、エンジニア無理かな・・・」
そんな言葉がつい浮かんでしまいました。
おすすめの考え方
「ちょっと待ったー!そんな暗くなる前に少しだけ話聞いて!」
ということで、ここから僕のおすすめする考え方をつらつらと書いていきます。
見るところを変えましょう!
諦めかけているそこのAさん、ちょっと見るところを変えてみて下さい!
今はここを見てますね。
まじめなAさんは「成果出したい!貢献したい!」と思ってます。
わかります。わかりますし、大事なんですけども、エンジニアの世界にも、ビジネスと同じく、その下があるという考え方をしてみてください。
目に見えない、その下をぐーっと伸ばしてみると、こんな感じになってます。
エンジニアも、よくあるビジネス同様、投資して、初めて成果が出る世界だと思うわけです。
そして言わずもがな、成果を出すための投資というのは、つまり、成果を裏付ける「スキル」の存在です。
出ている成果物の下は、こんな感じになってるはずです。
エンジニアの場合、スキルがあってはじめて成果が出るんですね。
ちなみに、実際は「スキル」と一言に言えないくらいエンジニアのスキルは幅も広く深さも深いので、あくまで考え方の説明として分かりやすくするため括っている事をご了承下さい。
さっきの状態
さて、それを踏まえて先程のコードレビューが通らなかった時を振り返ってみましょう。
スキルが足りてない状態で納期通りに成果物を出そうとすると・・・
コードレビューが通らなかったりします。
ここで「俺なんて・・・」と思う前に、
ここの青い部分(成長したスキル)に着目してほしいんです。
そうです。レビューのFBでスキルが増えているんです!しかも2マス!
成果と同じくらい喜んで欲しい!
この例で言えば、成果の1マスは出なかったものの、スキルは2マス増えてるんですよ!
倍です倍!
全然それでいいんです!地表に出た見えるところ(つまり成果)は、一旦気にしない!
(怒られるかもですが、一旦気にしない強い心を持ってほしい!)
その分スキルが増えてればいいんです。
成果を出せなかった事より、むしろ「スキルが積めたのか?」「投資できたのか」に着目しましょう。
そうするとどうなる?
ここに着目して、着実に血肉にするんです。すると次の月が・・・
こうなります。まだ成果は出ないですが、スキルを着実に増やせましたね。
3ヶ月目にはきちんと成果が出ました!!
確かに成果だけ見れば、1月に出す予定だったのが3月になってしまったので、当然ショックでしょう。
遅いとか、まわりにはいろいろ言われるかもしれません。
でも、少なくとも自分だけでも、投資できた部分に着目し、積めているなら自分を褒めてあげて下さい。
そして、しっかり投資部分に着目して身につけていると、スキルの土台ができます。
土台ができれば、このあとは安定して成果を出せます。
やりましたね!
成果は後からついてくる
あえて言いましょう。
かの有名なギ◯ン・ザビの名演説風に言えば、
「あえて言おう、成果はカスであると」
というのはもちろん言い過ぎですが、でも、それくらいの極端な気持ちで投資部分を見に行きましょう。
成果というのは、ことビジネスにおいてはものすごいパワーを持っているので、相当意識しないとすぐにのしかかってきます。
もちろん最終的には成果を出したいわけですが、急ぎたいなら一旦成果を置いといて、スキルという投資部分に着目することが近道ですよ、という考え方です。
成果ばかり気にして陥ってしまうパターン
「成果だけしか見てないで焦ってると、こんな感じになりがちだよね」という部分を更に噛み砕いて見ていきましょう。
心情はどうなっていたか
またまたAさんの例を見ていきます。
成果が出てないことに焦りすぎて、スキルが積めてない(投資できてない)という状態です。
Aさん、コードレビューのFBも貰ってるんですが、とにかく速くリリースしたいので、内容はよく分かってないままFBもらった通りコードだけ修正して・・・
翌月出し直しました。
しかし、本質的なスキル向上につながっていないため、またもや通らないんですね。少し違う箇所で同じようなFBを貰ったり、抜け漏れがあったり。
すると更に焦ります。
遅れれば遅れるほど、先月より更にスキルに目がいかず、焦りの悪循環です。
通ってしまうのも危険
たまに通ることもあります。
例えば、期日も迫っている中なので「一旦動くので出しましょう」という場合や、レビューワーが忙しくて満足にコードレビューが出来なかった時などです。
↓スキルが積めてないのに成果が出ちゃいましたね。
とりあえずリリースしてほっとしました。少し焦りが和らぎました。
と思ったのもつかの間、↓のように、翌月は成果出せませんでした。スキルが足りないので安定しないんですね。
しかも、一見成果に見えるこいつは、「成果っぽいもの」になってる可能性が高くなってしまいます。
一番良くないのは・・・
何が良くないって、一番良くないのは、疲弊して自信を無くしてしまうことです。
こういう循環に陥ってしまうと、自信がどんどん失われていきます。
本当は数年後すごいエンジニアになる素質があったとしても、自信が無いとその素質はどんどん隠れてしまいます。
そうならないためにも、まずは投資!
エンジニアにとっての投資、つまりこの赤枠の部分ですね。
結構かかる
冒頭であった、投資もせず、そんなすぐに売上出るわけないのと同じです。
今までいろんなエンジニアのマネージメントをさせてもらった経験上ですが、エンジニアも結構かかると思います(自分も含めて)
僕の体感値として、中途であっても半年くらいかかるんじゃないかなと思っています。
(もちろん中には初月からずば抜けていた人もいますが、ほんの一握りです)
自分なりの階段
もちろん投資期間は人それぞれではありますが「きちんと投資部分に着目して、階段を作る」事が重要かなと思うわけです。
素質があってもなくても階段作るしかない。自分の階段を作ることが大事です。
でもスキルが上がったかって分からんくない?
不安が多い人の中には「スキルってなんやねん」という人も多いと思います。範囲は広いし、アプローチはたくさんあるし、覚える事もとにかくいっぱいあります。
確かにそう。
ただ、これも「複雑性」にだけ目がいってしまい「焦る」に陥ると、また悪循環になってしまいます。
それだけは避けたいので、ここはできるだけシンプルに考えましょう。
もちろんこのアプローチもいろいろあると思いますが、以下は僕がオススメする考え方です。
単純な2つのこと
まず一つ目。
毎回「自分の納得するコードを書く」
本当に上がった?は一旦おいといて、今の自分の実力でいいから、常に「今の自分にとって納得できるコードを書けた」を繰り返すだけでいい!というものです。
もう一度言います。
結果はおいといて、とりあえずそれができれば「昨日より今日スキルが上がった!」と思ってしまうという荒業です。
ただし、これの効果を最大化するためにもう一つポイントがあります。それが二つ目です。
コードレビューを受けたら「自分が納得するまで聞く」
コードレビューを受けたらどのみち自分で直すと思いますが、その前に「自分が納得するまで」聞きましょう
そうすると、自分自身の納得するレベルが上がります。
すると、先に言った「今の自分にとって納得できるコード」のレベルは、前回より上がってる事になります。
この二つをセットで繰り返すだけです。
- 自分にとって納得できるコードを書く
- 自分が納得するまで聞いて直す
- 繰り返す
どうですか?単純でしょ。
まとめ
それでは今日の記事のまとめです。
【見るとこ変えよう】
・不安が多い人は、まず投資部分に着目しよう
└成果が出なくても焦らない!
・投資ができた部分を喜ぼう!
└成果と同じくらい達成感を得よう!
【投資しよう】
・自分の納得するコードを書こう
・自分の納得するまで聞いて直そう
個人的には「成果はあとからついてくるさ!」くらい楽観的な方がいいと思っています。
市場的にもエンジニア不足ですが、その上更に、初手を間違っただけで将来有望かつ貴重なエンジニアを失うわけにはいきません。
自分にも才能があると信じて、しっかり着実に、土台部分を作り上げてほしいと思います!
エンジニアでない人向け
エンジニアでもないのにここまで読んでくれたのは、きっと、不安多きエンジニアと一緒に仕事をしている上司や依頼側の方ではないでしょうか。
開発部隊の内製化も進んでおり、慣れないエンジニアのマネージメントで苦労している人も多いのではと思います。
そういった方は、成果を出さなくてはいけない立場にいる方が多いと思いますが、もしこの記事で参考になる部分があれば幸いです。
「成果は出なかったのは残念だけど、その分スキルは上がったのかい?」と聞いてあげてください。
成果がどれくらい出たかでなく、土台がどれくらい作れたかを気にしてあげて下さい。
それだけでも中長期的な結果はだいぶ変わると思います。
注意!!みんなじゃないよ!
成果に着目した方が、スキルが伸びる人ももちろんいるので、万人に共通ではないです!
あくまで「不安が多いエンジニアはこういう傾向が多めだと思うよ」「もしそうならこういう考え方が合うかもよ」というくらいの理解でお願いします!m(_ _)m
さて、Ateam Brides Inc. Advent Calendar 2021明日の16日目は、@ma-ni がお送りします👍お楽しみに!
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