#はじめに
今年もアドベントカレンダーの季節がやってきました。
この一年振り返ってみると、若手メンバーから「どうやってテスト技術の勉強を進めたら良いか」と相談を受けることが多かった気がするので、
本記事では、モバイルゲーム開発のテスト担当者におすすめしたい(実際におすすめした)図書の紹介をしたいと思います。
#対象
モバイルゲーム開発に関係するテスト担当者といっても各社、状況によってさまざまな役割があると思うので、
本記事では以下のように分類してみました。
その中で、紹介する図書がどの層に特におすすめしたいかをまとめてみます。
##役割分類
- テストメンバー
- テスト実行、テストケース作成を主業務とします。
- テストリーダー
- テスト設計、テストメンバーへの作業指示/フォロー、進捗管理を主業務とします。
- テスト管理者
- 開発との折衝、テスト計画立案、テスト改善業務、テストリーダーへの作業指示/フォローを主業務とします。
#おすすめの基準
以下のようなかたちでおすすめ度合いを表現してみます。
【記載例】
おすすめ対象:テストメンバー
おすすめ度(※★が多いほど高い)
項目 | おすすめ度 |
---|---|
読みやすさ | ★★★☆☆ |
理解しやすさ | ★★★★☆ |
参照頻度 | ★★☆☆☆ |
#おすすめ図書紹介
##1.JSTQB教科書
おすすめ対象:テストメンバー
おすすめ度
項目 | おすすめ度 |
---|---|
読みやすさ | ★★★☆☆ |
理解しやすさ | ★★★☆☆ |
参照頻度 | ★★★★★ |
ソフトウェアテストの理解を深めたい人に最初におすすめする本がこちらです。
この本では、テストの原則からテスト技法、テストマネジメントなどテスト全般に関わる内容の基礎がつめこまれています。
教科書的にまとめられていることもあり、実務経験が浅いときは理解しづらい箇所もありますが、
テストの仕事を進めていく際にどの場面でも参照できるところがおすすめポイントです。
私はテストドキュメントのフォーマットを作成したり、運用フローを見直す際に本書を活用しています。
##2.社内プレゼンの資料作成術
おすすめ対象:テスト管理者
おすすめ度
項目 | おすすめ度 |
---|---|
読みやすさ | ★★★★★ |
理解しやすさ | ★★★★☆ |
参照頻度 | ★★★☆☆ |
テストの仕事をしていると、上司や開発者に品質に関するレポートをする機会が出てきます。
レポートの構成や見やすさを向上させたいときに参考になるのがこちらの本です。
どんなに良い分析や提案も、相手に伝わらなければ意味がありません。
この本は良い例/悪い例を比較しながら、図を多用して相手に伝わる資料の作り方を解説してくれるので、
読書慣れしていなくてもさくさく読める点が特徴です。
##3.マインドマップから始めるソフトウェアテスト
おすすめ対象:テストメンバー
おすすめ度
項目 | おすすめ度 |
---|---|
読みやすさ | ★★★★☆ |
理解しやすさ | ★★★★☆ |
参照頻度 | ★★★☆☆ |
テスト業務の実務経験が増えてきて、より効率的に不具合を見つけたいと思い始めた人におすすめする本です。
本書ではベテランの人がどうやってテストを作っているのか、抜け漏れを防ぐにはどういう考えが必要なのかをマインドマップという技法を軸に解説してくれます。
テストの理解度を1段引き上げてくれる要素が随所に盛り込まれているため、新人教育用テキストとしても使えると思います。
##4.ソフトウェアテスト技法練習帳
おすすめ対象:テストリーダー
おすすめ度
項目 | おすすめ度 |
---|---|
読みやすさ | ★★★☆☆ |
理解しやすさ | ★★★☆☆ |
参照頻度 | ★★★★☆ |
より網羅的なテストをつくりたい、テスト設計を効率的に進めたいという方におすすめする本です。
ゲームのテスト業界では、無意識的に同値分割や境界値分析といったテスト技法を使っているケースが散見されます。
そのため、一部では効率化されているが一部は非効率なテストになっていることや
本来は確認しておくべきテストが不足してしまうという事態につながっていると思います。
本書でテスト技法を習得し、現場で活用できればそうしたリスクの軽減にもつながります。
またゲームコンテンツを題材にした例題もあるので、ゲームのテスト担当者でも入りやすい点がおもしろいと感じました。
##5.知識ゼロから学ぶソフトウェアテスト
おすすめ対象:テストメンバー
おすすめ度
項目 | おすすめ度 |
---|---|
読みやすさ | ★★★★☆ |
理解しやすさ | ★★★★☆ |
参照頻度 | ★★★★☆ |
テスト初心者がソフトウェアテストについて学ぶなら「まずはこれ」という一冊です。
実務形式かつ読みやすい表現で記載されているので、読書初心者にも読みやすいのもおすすめ理由の一つです。
1つ目に紹介したJSTQB教科書同様に幅広い知見がまとめられているため、様々なシーンで活用できると思います。
#おわりに
ここで紹介したのはあくまで一例です。
読書慣れしていないと最初は大変かもしれませんが、読書経験値を積み重ねることで
知識という武器が強化されていきます。
本記事がきっかけでより良いゲームQAライフにつながると幸いです。