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AWS大阪リージョン活用に向けた注意点(2021年7月時点)

Last updated at Posted at 2021-07-04

AWSで大阪リージョンが開設されてから4か月が経過しました。
その間に色々なサービスが利用開始となり、利用環境として整備されてきたように思います。その為、大阪リージョンについて、現状を整理して見ました。

■大阪リージョンの歴史を簡単に振り返る(私見含む)

 まず大阪リージョンの位置づけを説明します。
 「大阪リージョン」の歴史は前身の「大阪ローカルリージョン」から始まります。

◆大阪ローカルリージョン開設

 『【 AWS 新リージョン】 AWS 大阪ローカルリージョンが本日より利用可能になりました』

 2018年2月に開設した「大阪ローカルリージョン」はバックアップとDR(障害復旧)をメインとしたリージョンでした。その為、メインリージョンとして利用することはできず、機能面でも多くの制限がありました。大規模災害で東京リージョンが利用不可となった時に、最低限の復旧を想定した環境だった訳です。

 ただ、それだと重要システムのBCP要件を十分には満たせませんでした。当時他のクラウド(例えばAzureやGCP)は東西フルリージョンを所持していたので、ここがAWSの弱みでした。今後クラウド活用が推進される中、「大阪ローカルリージョン」のフルリージョン昇格は必須事項だった訳です。

◆大阪ローカルリージョンをフルリージョンに拡張すると発表

 『AWS 大阪ローカルリージョンをフルリージョンへ拡張中』
 『ソニー銀行、勘定系を含む全てのシステムに AWS の利用可能範囲を拡大』

 その結果、2020年1月にフルリージョンへの昇格が大々的に発表されました。それと同時にソニー銀行が「勘定系システムのAWS移行」を発表しています。AWS社としても大々的にPRしており、国内的に要望が大きく待ち望まれていた事がよく分かります。

◆大阪リージョン開設

『AWS アジアパシフィック (大阪) リージョンが3つのAZと多くのサービスと共に開設』

 そして2021年3月2日に「大阪リージョン」が開設した訳です。AWSの日本国内における大きな弱点が1つ消え去った瞬間でもありました。ちなみに3月2日に開設したのは「東京リージョン」の開設した「2011年3月2日」から10年目という記念日に合わせた訳です。AWSの日本部門にとって「3月2日」は特別思い入れのある日になった訳です。

■大阪リージョンで開始されたサービスの履歴(2021年7月4日時点)

 この開設以降、西日本ユーザは皆が大阪リージョンを利用するかというと、まだそういう状況ではあませんでした。なぜなら東京リージョンと比較した場合、大阪リージョンにはまだまだ利用できないサービスが多々あったからです。私は大阪リージョンのサービス開始に関しては「Amazon Web Services ブログ」を参考にしています。最近多くのサービスがリリースされており、一旦リリース状況を纏めてみました。

日時 サービス名
2021年3月2日 大阪リージョン開設
2021年03月03日 Amazon EFS
2021年03月17日 AWS Batch
2021年03月24日 Amazon VPC Endpoints
For Amazon EC2
2021年03月24日 Amazon Redshift Spectrum
2021年03月24日 AWS Backup
2021年03月30日 AWS Security Hub
2021年04月06日 Amazon Macie
2021年04月06日 Amazon MQ
2021年04月09日 Amazon GuardDuty
2021年04月13日 AWS Console Mobile Application
2021年04月15日 AWS CodeCommit
2021年04月23日 AWS Service Catalog
2021年04月27日 AWS TransitGateway
2021年04月30日 AWS Network Firewall
(MultiAZ)
2021年04月30日 Amazon RDS for SQL Server
(MultiAZ)
2021年05月20日 Amazon Route 53 Resolver
Endpoints for Hybrid Cloud
2021年05月28日 Amazon CloudWatch Synthetics
2021年06月02日 AWS WAF
2021年06月24日 AWS Outposts
2021年06月30日 AWS Firewall Manager

随分と機能がリリースされています。開設当初に「えっないの?」と話題となった「Amazon GuardDuty
」もリリースされました。そして個人的に無くては利用が厳しいと感じていた「Amazon VPC Endpoints
For Amazon EC2
」や「Amazon Route 53 Resolver Endpoints for Hybrid Cloud」が利用可能になったことは大きいです。私はハイブリッド構成での環境構築をすることが多く、こういった機能が利用できないことは結構致命的でした。

そう考えると、随分利用できる状態になってきたように思います。

■大阪リージョンの活用に向けて

上記の通りAWSの大阪リージョンも利用可能な状況になってきたように思います。

◆「西日本だから大阪リージョンを利用する」は間違い

単純に西日本だからといって大阪リージョンを利用するのは間違いです。
使いたい機能が使えるか?何を優先すべきかをしっかり考えて、東京リージョンと使い分ける必要があると思います。

◆大阪リージョンのサービスリリース情報を把握する

大阪リージョンでは日々利用できるサービスが増えており、これを把握する必要があります。その把握手段として私がお勧めするのは「Amazon Web Services ブログ」の閲覧です。ここでは重要な機能リリースは公開されるので、注目しておいた方がよいと思います。

◆大阪リージョンを利用した事前テストは必須

「東京リージョンと同じサービスが使える」と思わず、必ず事前にテストすることをお勧めします。使ってみないと分からない部分が多々あるからです。私が「Amazon VPC Endpoints For Amazon EC2」のサービスリリースに注目した通り、「VPC」が利用できるからといって「VPCエンドポイント」が利用できるとは限らないわけです。エンドポイントはDirectConnect接続等を想定した閉域環境の場合、利用できないことは致命的になったりします。こうした差は実際に使ってみなくては拾いきれません。

もちろん多くの機能が利用できるようになってはいますが、事前確認は必須だと思います。

今後、大阪リージョンの利用を検討されている方の参考になれば、と思います。

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