どうも、GOKUSANです。
前回のNetAppのデータをFSx for NetApp ONTAPへデータ移行してみた①の続きになります。
↓前回
そうそう。
お伝えし忘れていたのですが、FSx側への移行の前段階として、
移行前提を満たすための準備 ← 今はここ
↓
バージョンアップに向けた下準備
↓
バージョンアップ
↓
FSxとの同期
という順でお送りしたいと思います。
DP形式をXDP形式に
前回の記事で、オンプレミス側のNetApp間のSnapMirrorをバージョンアップ後も維持するため、DP形式なんてやめちまえというお話しをしました。
↓のキャプチャでいうと、「SourcePath」がIKA:vol2 というのが、type列の値が「DP」になっていますね。
さて、現状DP形式で取得されているSnapMirrorをXDP形式に変換するには
① DP形式のsnapmirrorを停止する
② 停止したsnapmirrorの関係を解除する
③ snapmirrorを削除する
④ 再びsnapmirrorを作成する
⑤ snapmirrorによる同期を再開する
という手順をたどります。
要するに、1回消してもう1回SnapMirror作り直せということですね。
作り直すためのコマンドをパパっと!書いてしまいましょう!
ここでは、
【ソース側】
SVM名 = IKA
ボリューム名 = vol2
【デスティネーション側】
SVM名 = GOKUSAN
ボリューム名 = vol2
としますね。
snapmirror quience -destination-path GOKUSAN:vol2
snapmirror break -destination-path GOKUSAN:vol2
snapmirror delete -destination-path GOKUSAN:vol2
snapmirror create -source-path IKA:vol2 -destination-path GOKUSAN:vol2 -type XDP
これだけでsnapmirrorはXDP形式で作り直せます。
大事なのは、-type XDP の部分ですね。古いONTAPだとここを明示的に指定しないとDP形式になってしまいます。
ん?最初から同期し直しにならないよね?
この作り直しに際して、私は一つ疑問が湧きました。
作り直したら、ボリュームの同期は一からやり直しになったりしない?
という点です。
結論から言うとなりません。
ただ、注意しないといけない点もあります。
注意!
・DPからXDPの変換を行うと、必ず一度「同期」をかけなければいけない
というのも、作り直した直後の状態は「broken-off」された状態
↓のキャプチャでいうと「Mirror State」列にご注目
これは、snapmirror break コマンドを行った直後(関係解除)の状態です。
なので、breakと対になる関係再開のコマンドを打たなければなりません。
breakコマンドと対となるコマンドはresyncです。
snapmirror breakコマンドで関係解除された場合は、
snapmirror resyncコマンドで関係が再開できます。
snapmirror resync -destination-path GOKUSAN:vol2
ただ、この関係再開コマンドは、実行するとその時点で強制的にsnapmirrorによる同期処理が走ってしまいます。
なのでこのコマンドを実行する前に、2つ目の注意点です。
注意!
・DPからXDPの変換にはそれなりに時間がかかる
今回のお客様はNetAppで払い出せるボリュームの最大値である「60TB」のボリュームをお持ちで、
かつ、95%以上のデータを使用されておられました。
環境に依存するところはあると思いますが、変換には1週間近くの時間を要しました。
正直、「そんなにかかるの!?」という感じでしたが、それなりに時間がかかるケースがあることも想定しておいてください。
なお、変換中におけるユーザー利用への影響はありませんが、変換処理中にソース側とデスティネーション側の通信が切れてしまうと、変換処理は失敗します。
なお、実際の作業では、変換処理中にソース側をお客様都合で再起動せざるを得ない状況となり、一時失敗状態となりましたが、もう一度resyncを叩けば処理は失敗時点からちゃんと再開されました。
まとめ
今回は、FSxへのデータ移行の前準備として、オンプレミス側のSnapMirror関係に手を入れました。
まとめ
・DPからXDPの変換にはSnapMirrorの作り直しが必要だよ!
・DPからXDPの変換やると必ず1回は同期処理をしないといけないよ!
・DPからXDPの変換にはそれなりに時間がかかるんだよ!
次回は、バージョンアップのための下準備についてお話ししまーす。
ではでは。