この記事から早3年
このシステムを他の事業所にも使ってもらいたい、というところから個人事業主になり、アレグロペンギンという屋号で活動しております🐧
実際のところ、この3年で開発してきたのは介護業界も含みますが、業界問わず気の合うお客様とのお付き合いがあります。社内システムのユーザーさんである社員さんとも近い距離感で開発しています。
今回は私が開発した社内システムを毎日使ってくれているお客様との取り組みを紹介したいと思います。
この記事はQiitaアドベントカレンダー2022 FileMakerに参加しています
運用安定後にも価値が高まる社内システム
社内システムの運用が安定してきて、完成したと思ってそのままにしておくのは大変勿体無いことです。
”業務は変化しているのにシステムをそれに合わせるのはお金がかかるからそのままに…”
というのがシステムが負債になってしまうパターンですが、それを回避するだけではなく、もっと積極的に社内システムをひとつの切り口にして、施策を出していく、ということもできます💡
私たちは定期的に会議を開いて、開発者の私もたまにはファシリテーターになったりアイデアを出しています。具体的にどんなことを話し合っているのか、どのように関わっているかご紹介します。
社内システムで収集したデータやその集計結果の考察会
なぜそのようなデータ項目が必要か、どういう狙いがあってこのようなシステムになったのか?
ということ合わせて、運用が進む中で取得できたデータを見ながら振り返る時間を作っています。
開発のプロセスまで共有することで、よりデータに興味を持ってもらいたいと思っているからです。
例えば様々な切り口で売上を分析するためのグラフを作ったら、なぜそのようなグラフの見せ方にしたか?ということに加え、そこからどのようなことが読み取れるか、といった考察もセットでお伝えし、そこからユーザーさんにも意見を聞いていきます。
グラフから事実を読み取る、というスキル自体はそれほど高度なものではないはずですが、そこから深堀したり、議論を進めたり、ということを自発的にできる人が少ない場合は、そうした文化を生み出すことにも繋がります。
ビジネスモデル研究会
社内システムを開発していると、その事業には詳しくなりますが客観性は持ち合わせたままの状態でいることができます。
お客様企業のビジネスモデルをいくつかの文脈で語ることができるので、そういう切り口から新たな施策出しが始まることもあります。
普段業務をしていると、俯瞰的にみることが難しくなることもあると思いますが、こうした時間が自分の仕事がどのように人の役に立っているかを考えることにも繋がれば良いなと思います。
私自身がビジネスを実践や本などから日々学んでいるので、それをお客様に当てはめて話することもあります。
アクシデントが業務を考え直すきっかけとなることも
これは実家のデイサービスでの出来事ですが、救急対応があったことをきっかけに、ではどうするのがベストだったか?という議論になり、それに合わせ、ある業務が目的から再構築された、という話もあります。
そうした議論の中に”じゃあシステムでこうすれば良いか”と持ちかけられ、開発者にも話に加わってもらおう、という発想になるところが身内ながら素晴らしい!と思いました笑
FileMakerでの開発が素早いから
FileMakerで開発されたシステムは、最初のデータモデリングがちゃんとできていれば、あとは思いついたらすぐにアイデアを実装することができています。
FileMakerで開発したシステムを使って毎日仕事をしていて、新しいアイデアをすぐにシステムに落とし込める開発者が近くにいるなら、良い企画を常に出し続けるサイクルを生み出さないともったいないです。
ユーザーさんの要求が全て要件になるわけではないので、要求自体の質を上げていくことが特に運用が始まってからは大きなポイントだと思っています。
そのために開発者ができることも多くあるのではと日々感じています。
ユーザーさんと開発者が近い関係にあると、開発者がユーザーさんの要求をなんでも聞いてしまうのが当たり前、という空気感になってしまうこともあり得るのかなと思いますが、そうなっていないのはあらかじめルールを決めていたり社内のシステム担当者が間に立って調整してくれているおかげだなと感じています。
システムを作らせる技術
今年は”システムを作らせる”側のスキルに注目した一年だったなと思います。
※システムを作らせる技術という本、こちらは大変勉強になりました。
色んな方におすすめしていて、私も何度も読み返しています。
システム開発が成功するか否かはシステムを作らせる側の影響が非常に大きいですが、そこを私の立場からもフォローすることによって、プロジェクトを成功させようと試行錯誤しました。
(そんなことができるのは、受託開発ではなくて準委任契約にしているからです。)
FileMakerで開発が早くできる分、アイデアが形になるまでの時間が早くなり、よりアイデアにオーナーシップが芽生えやすく、モチベーションを育てることができると感じています。
そういう体験をどんどん増やして、組織が活発になれば、またシステムも成長していく…というサイクルができます◎