はじめに
この記事では、設計班として高専ロボコンに参加した筆者が「こーしたらよかったかも」と考えるロボット製作の進め方を書いていく。
そのポエムだけではあまりにも文章量が少なすぎるので、経験をもとに設計班がSolidWorksを使うときに役に立ちそうなことも書いていく。
(あくまで「鳥羽商船高専のロボコン部員」目線の話なので、弊校ロボコン部以外はあまり参考ならないかもしれないのは悪しからず)
軽い自己紹介
鳥羽商船高専 情報機械システム工学科
4年次以降の選択科目では情報・電気・機械のうち情報系の科目を選択
ロボコンでの担当は、加工(1年生)→制御(2年生)→設計(3~4年生)
(↑ただし諸事情により3年次はあまりメインで関わってはいない)
結論
試作を作れ!早く!
理由
1. 期限
まずこの高専ロボコンとかいうコンテスト、タスクの量に対して期限が短い。
4月中旬のルール発表~10月初頭の大会本番までの約半年弱の間に、アイデア決めから操縦練習まで行わなければならない。
2. アイデア決め
特に鳥羽商船高専ではアイデアを決めるときに、ひたすらアイデアを出し合い、強さや面白さからアイデアを決めていく。
このアイデアを決めるフェーズで機構の試作が少なくともCAD上にあると、違うアイデアを推しているメンバーをより早く納得させることができる。
3. 設計班の立ち位置
設計が終わらなければ加工・回路・制御のすべてが進まない。(経験談)
当然、ロボットがないので練習もできない。
逆に、試作ができていればある程度は回路や制御も進めることが可能になる。
ロボットもある程度は形になっているので、選手がそれなりに感覚を掴むこともできるようになる。
結局…
早く作って練習しろ!
+αのSolidWorks Tips
ここまで「早く設計しろ!」と重ねて書いてきたので、ここからは鳥羽商船高専が使用している3DCADソフトであるSolidWorksの中でも、筆者が使用してきた機能を設計で使う順に書いていく。
基本的なことばかりだけど知っておくと楽だと思う。
(ここからも弊校ロボコン部以外あまり参考にならないかもしれないのは悪しからず)
部品-1. スケッチ
「スケッチ」から選択できる。
平面的に線を描く。
部品-2. スマート寸法
「スケッチ」から選択できる。
必須。
長さだけでなく角度も指定することができる。
(スマート寸法以外でも可能だが)数値を入力するときには三角関数とかを使用できる。
部品-3. 幾何拘束の追加
「スケッチ」「幾何拘束の表示/削除」の▽から選択できる。
一致や正接のように、2本の線を寸法ではなく位置関係で拘束できる。
一見いらなそうだが、既存の部品に対して寸法の変更などがあったときでも形を崩れさせないようにできる。
部品-4. エンティティのミラー/円形パターンコピー
「スケッチ」から選択できる。
その名の通りの操作ができる。時短テクのひとつ。
部品-5. 押し出し(回転)ボス/ベース
「フィーチャー」から選択できる。
これでようやく立体ができあがる。
押し出しか回転かは自分の使いやすいほうでいいと思う。
部品-6. 押し出しカット
「フィーチャー」から選択できる。
いらない部分を切り取れる。
穴をあけたり溝を掘ったりとか。
部品-7. 平面
「フィーチャー」「参照ジオメトリ」の▽から選択できる。
個人的にはあまり使わなかったけど、正面・平面・右側面以外に任意の面を追加できるので痒い所に手が届くといった感じ。
アセンブリ-1. 構成部品の挿入
「アセンブリ」から選択できる。
部品だけでなくアセンブリも挿入することができる。
複数使用するユニットがあるなら、ユニットのアセンブリで挿入すると楽。
挿入した部品に対して、Ctrlキーを押しながらドラッグアンドドロップをするとコピーができる(時短テク)。
アセンブリ-2. 合致
「アセンブリ」から選択できる。
立体版の幾何拘束みたいなもん。
めちゃくちゃ合致エラー吐いてくるやつはマジで何?
アセンブリ-3. 測定
「評価」から選択できる。
距離やら直径やらを調べられるので便利。
アセンブリ-4. 非表示/抑制
部品を右クリックして選択できる。
どちらも、「奥にある部品が見えないから一旦透過させる」というような用途以外に、「動作を軽くしたいから使う」ことがある。
非表示は部品をただ見えなくする。
抑制は非表示にする+合致も一時的になかったことにする。
抑制は合致単位でも行うことができる。
アセンブリ-5. 構成部品置き換え
部品を右クリックして選択できる。
「穴を増やしただけの別部品に置き換えたい!でも元の部品をいじりたくない。。。」みたいなときに使う。時短テクのひとつ。
図面-1. モデルビュー
「図面」から選択できる。
部品やアセンブリを図面におとせる。
↓「シート1」の右のやつを左クリックするとシートを増やせる。
図面-2. 部品表
「アノテートアイテム」「テーブル」の▽から選択できる。
モデルビューで挿入したアセンブリを選択することで、そのアセンブリに使用されている部品の名前と個数を表にしてくれる。
いらない行はDeleteでポイしよう。
図面-3. スマート寸法
「アノテートアイテム」から選択できる。
部品の寸法を図面上に表示する。
「部品-2」のやつとは全くの別物。
スマート寸法選択後に自動寸法というものが選べる。
穴径があらぬ位置に表示される以外は概ね満足なのでオススメ。
図面-4. 注記
「アノテートアイテム」から選択できる。
テキストボックスを図面上に作成する。
図面-5. バルーン
「アノテートアイテム」から選択できる。
バルーン選択後に部品を左クリックすることで、その部品についての情報を表示することができる。特に、個数と部品名が便利。
おわりに
以上、退役ロボコニストのポエム記事。
それでは、良きロボコンライフを。