OCI CLIインストール時の「No such file or directory」エラーの解決方法(Windows 11 Home対応)
はじめに
Oracle Cloud Infrastructure (OCI) CLIをWindows環境にインストールする(pip install oci-cli実行の)際、以下のようなエラーに遭遇することがあります。
ERROR: Could not install packages due to an OSError: [Errno 2] No such file or directory: 'C:\\Users\\...\\Python39\\Lib\\site-packages\\oci_cli\\help_text_producer\\data_files\\man\\database-management_managed-database_enable-external-container-database-management-feature-external-database-diagnostics-and-management-feature-details.1'
HINT: This error might have occurred since this system does not have Windows Long Path support enabled.
この記事では、このエラーの原因と解決方法を説明します。
エラーの原因
このエラーは主に以下の理由で発生します:
- Windowsのロングパスサポートが無効になっている
- ファイルパスが260文字の制限を超えている
解決方法
1. Windowsのロングパスサポートを有効にする
Windows 11 Pro/Enterprise/Educationの場合:
- 管理者権限でPowerShellを開く
- 以下のコマンドを実行:
Set-ItemProperty -Path "HKLM:\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\FileSystem" -Name "LongPathsEnabled" -Value 1
- PCを再起動
Windows 11 Homeの場合:
- Windowsキー + R を押して「ファイル名を指定して実行」を開く
-
regedit
と入力し、OKをクリック - レジストリエディタで以下のパスに移動:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\FileSystem
- 右ペインで
LongPathsEnabled
を探す- 存在しない場合:右クリック → 新規 → DWORD (32ビット) 値 を選択し、名前を
LongPathsEnabled
とする
- 存在しない場合:右クリック → 新規 → DWORD (32ビット) 値 を選択し、名前を
-
LongPathsEnabled
をダブルクリックし、値のデータを1
に設定 - OKをクリックしてレジストリエディタを閉じる
- PCを再起動
2. インストールディレクトリの変更
上記の方法で解決しない場合:
- 短いパスにインストールを試みる:
$env:ORACLE_PATH = "C:\oci-cli"
iex ((New-Object System.Net.WebClient).DownloadString('https://raw.githubusercontent.com/oracle/oci-cli/master/scripts/install/install.ps1'))
まとめ
これらの方法でOCI CLIのインストールエラーが解決できるはずです。ロングパスサポートを有効にすることで、他のアプリケーションでも長いファイルパスを扱えるようになるため、一般的なWindowsの使用においても有用です。
注意点
- レジストリの編集は慎重に行ってください
- Windows 11 Homeでは、グループポリシーエディタ(gpedit.msc)が利用できないため、レジストリを直接編集する必要があります