0
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

基本情報技術者試験 - システム構成要素の基礎知識

Posted at

基本情報技術者試験の勉強中に整理した、システム構成要素に関する基礎知識をまとめました。冗長構成やシステムの信頼性に関する概念を中心に解説しています。

1. システムの冗長構成

シンプレックスシステム(Simplex System)

シンプレックスシステムは、単一の装置や構成で構築されたシステムです。冗長性がなく、一つの装置で処理を行います。故障すると機能停止となるため、信頼性は低いですが、コストが抑えられるというメリットがあります。

デュプレックスシステム(Duplex System)

デュプレックスシステムは、同一の装置やシステムを2重化して構成するものです。主に以下の2種類があります:

  1. ホットスタンバイ方式

    • 主系(アクティブ)と待機系(スタンバイ)の2つのシステムを用意
    • 通常は主系が処理を担当し、主系に障害が発生すると自動的に待機系に切り替わる
    • 待機系は常に電源が入っており、すぐに処理を引き継げる状態になっている
  2. コールドスタンバイ方式

    • 主系と待機系を用意するが、待機系は通常電源が入っていない
    • 主系に障害が発生した場合に、待機系を起動して処理を引き継ぐ
    • 切り替えに時間がかかるが、消費電力を抑えられる

デュアルシステム(Dual System)

デュアルシステムは、2つの独立したシステムが並行して同じ処理を行い、両方の結果を比較して整合性を確認するシステムです。一方が故障しても、もう一方が正常に動作していれば処理を継続できます。信頼性が高く、特に高い安全性が求められる分野(航空管制、原子力発電所の制御系など)で利用されます。

デュプレックスとデュアルの違い

  • デュプレックス:一方が主系、一方が待機系として役割が分かれている
  • デュアル:両方が同時に同じ処理を行い、結果を照合する

2. システムの信頼性設計に関する概念

フォールトトレラント(Fault Tolerant)

「障害許容」と訳され、システムの一部に障害が発生しても、システム全体の機能は停止せず、継続して動作する仕組みです。冗長構成(デュプレックスシステムなど)を採用して実現します。

覚え方: 「トレラント」=「許容する」、つまり「障害があっても許容し、動き続ける」

フェールソフト(Fail Soft)

障害が発生した場合に、完全に停止するのではなく、機能を部分的に制限しながらも重要な機能は継続して提供する方式です。縮退運転とも呼ばれます。

覚え方: 「ソフト」=「柔軟に」、つまり「障害時には柔軟に機能を制限して対応する」

フェールセーフ(Fail Safe)

障害が発生した場合に、安全側に制御して被害を最小限に抑える方式です。例えば、電車のブレーキシステムは電源が切れると自動的にブレーキがかかるよう設計されています。

覚え方: 「セーフ」=「安全」、つまり「障害が起きても安全な状態になる」

フールプルーフ(Fool Proof)

操作ミスによる誤動作を防止するための仕組みです。利用者が間違った操作をしても、システムが異常動作しないように設計されています。

覚え方: 「フール」=「愚か」、「プルーフ」=「証明・防止」、つまり「ユーザーが間違っても問題を防止する」

まとめ:概念の整理

これらの概念は「何に対して」「どう対応するか」で整理すると覚えやすいです:

概念 対象 対応方法
フォールトトレラント 障害 機能を維持する
フェールソフト 障害 部分的に機能を継続する
フェールセーフ 障害 安全側に制御する
フールプルーフ 操作ミス 誤動作を防止する

基本情報技術者試験では、これらの概念の違いを明確に理解し、適切な場面での適用例を答えられるようにしておくことが重要です。

0
0
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
0
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?