#はじめに
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Firefox版 SeleniumIDEが動かなくなって 8ヶ月、このあいだに新たなSeleniumIDEの開発が始まり、すでにリリースされています。
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が、「SeleniumIDE」で検索すると、当然のことながら新旧の情報が混在してでてきます。 以前から使われていた方はこのあたりを前提に情報を見るので「これは古い」「これは使える」の判断ができますが、あらたに使おうという人には何が何やら状態だと思うので、少しでも役に立てばと書いてみました。
##経緯
- 一連の経緯の記事は下記になります
Selenium IDEはこの先生きのこるのか - Qiita
まだまだ使うぞSelenium IDE - Qiita
SideeXは SeleniumIDEの後継? - Qiita
Seleniumでスクリプトを書くのに使える記録ツールあれこれ
- 新SelemiumIDEは 完全にゼロベースの開発ではなく SideEXというものからフォークして作成されています。
- このSideEX は Katalon Recorder のベースにもなっているそうなので、検索した際この辺りが出てきた場合の参考にしてください
##記事の時期
- 旧版の最終リリースは 2.9.1で、 2017年8月にリリースされた FireFox 55 から動かなくなりました。
それから、4ヶ月後の12月に Ver 1.0がリリースされました
Ver | 日付 |
---|---|
v1.0 | 2017/12/11 |
v1.0.1 | 2018/1/11 |
v1.0.2 | 2018/2/20 |
v1.0.3 | 2018/2/27 |
v1.1.0-beta.1 | 2018/1/23 |
v1.1.0-beta.2 | 2018/3/19 |
v3.0.0 | 2018/4/11 |
v3.0.1 | 2018/4/12 |
v3.0.2 | 2018/4/15 |
v3.1.0-beta.3 | 2018/4/16 |
v3.1.0-beta.4 | 2018/4/17 |
v3.1.0-beta.5 | 2018/4/26 |
v3.0.3 | 2018/05/21 |
v3.1.0-beta.7 | 2018/06/17 |
v3.1.0 | 2018/06/21 |
v3.1.1 | 2018/06/26 |
v3.2.0-beta.1 | 2018/07/09 |
v3.2.0-beta.2 | 2018/07/11 |
v3.2.0-beta.3 | 2018/07/12 |
v3.2.0-beta.4 | 2018/07/23 |
v3.2.0-beta.5 | 2018/08/05 |
v3.2.0 | 2018/08/13 |
v3.2.1 | 2018/08/13 |
v3.2.2 | 2018/08/14 |
v3.2.3 | 2018/08/18 |
- なのでこの時期より古いタイミングで書かれた記事は 旧SeleniumIDEについて書かれています。
- ちなみに Ver 1.1.0 から Ver 3.0.0に上がっていますが、FireFoxの公式に出すには旧SeleniumIDEである バージョン2.9.1よりも上にする必要があったからだそうです
公式のリリースノート
https://github.com/SeleniumHQ/selenium-ide/releases
##動作環境
- 旧SeleniumIDEは FireFox Add-on でしたので、 Firefoxでしか動きませんでした
- 新SeleniumIDEは ChromaとFireFoxどちらの環境でも動くようになりました。
- インストールはどちらも、公式からになります
Chrom https://chrome.google.com/webstore/detail/selenium-ide/mooikfkahbdckldjjndioackbalphokd
FieFox https://addons.mozilla.org/en-US/firefox/addon/selenium-ide/
実行はこんな感じのアイコンをクリック(もしくはメニューから)
##見た目
- IDEのスクリーンショットを比べてみましょう
##旧
- 一目瞭然ですね
- レコーディングボタンの表示がわかりやすくなりました
- スピードアイコンも設定次第で針の位置が変わったり
- 記録したスクリプトの保存を促すようにアイコンがごそごそしたり・・・
##機能
現時点で旧SeleniumIDEにあった機能の全てが使えるようにはなっていません。が、現時点で記録・再生に必要な最低限は実装されています
こちら、精力的に機能追加が行われていますが、内容的に全てが実装されることもないと予想します(これは個人の意見です)
ログは表示されますが、コマンドのリファレンスやUI-Element Roullupなどはありません
ロケーションの確認機能(虫眼鏡アイコンを押すと、ブラウザー上のエレメントが点滅して場所が確認できる)は動きますが、自分の環境では点滅後 NotFoundのエラーダイアログが表示されます
下記は現時点で実装されていません
- タイマー機能
- 外部JavaScriptによる機能拡張
- IDEからWebdriver経由で実行(これはCLIで実現のようです)
- Eval系コマンド(個人的には欲しい・・・)
要望が多そうな、多言語へのフォーマット変換ですが、旧seleniumIDEは html形式のテーブルタグコマンドが保存されていましたが、新SeleniumIDEでは Json形式で保存されています。
なので、これを入力に簡易版の変換ツールはそれほど難しくないのでは?
旧seleniumIDEでは、assertXX系,VeryfiXX系が充実していましたが、今の所この辺りは必要分のみ実装されているので変換もシンプルにできる気がします
##コマンドラインからの実行
- コマンドラインからの実行ができるようになると、色々と便利です
- これに備えて Selenium SIDE Runner が用意されるようなのですが、まだ動いたところが確認できていません。
- 開発は順調に進められているので期待して待ちましょう。
#おわりに
- 毎度同じことを書いていますが、 長いスパンでE2Eテストを行うのであれば webdriverを使用してテストスクリプトを書く方が良いです
- とはいえ、ちょっとしたデータの作成や、 ロケーションの調査を行う際に、IDEがあると随分と助かります。
- これからも精力的に開発が続くこと、また、利用する側からも開発してくださる方へフィードバックができるといいですね。