2019年末時点で大量のデータをクラウドに上げて保管する際の費用感を調べてみました。費用感を出すのが目的なので最安と言っても厳密ではないです。
抜け漏れや計算間違いがあればご指摘頂けるとありがたいです。
TL;DR
データ保管
保管レベル | 最安単価(GB・月) | 最安サービス |
---|---|---|
RDBMS | 9.9円 | GCP Cloud SQL(HDD) |
オブジェクトストレージ | 2.14円 | Azure BLOBストレージ(ホット・LRS・500 TB 超/月) |
アーカイブ | 0.109円 | Amazon S3 Glacier Deep Archive |
データ転送(上り)
転送経路 | 最安単価(GB) | 最安サービス |
---|---|---|
モバイル | 51.7円 | BIGLOBE biz. M2M専用プラン/SMSなし/上り高速・下り低速 |
光回線 | 5.56円 | フレッツ光+上り30GB制限の月額5000円プロバイダ |
オフライン転送 | 0.344円 | AWS Snowball |
レギュレーション
- 逓減課金(500TB未満いくら、以上いくらのような方式)の場合最安帯とする
- クラウドはAWS/Azure/GCPを対象とする
- 一般に最も安いと思われるリージョンとする
- AWS オハイオ
- Azure 米国東部
- GCP アイオワ
- 一般に最も安いと思われるリージョンとする
- データ容量によってスケールする金額を対象とする
- RDBMSのインスタンス費やオフライン転送の延滞料金などは対象としない
- 冗長化やパフォーマンスは最小限とする
- 為替レートは1$110円とする
- 有効数字は3桁で四捨五入
- クラウド上での活用を目的としアップストリームのみ考慮する
詳細
データ保管
RDBMS
AWS
Amazon Aurora: 10USD/GB・月=11円/GB・月
Azure
Azure Database for PostgresQL(or MySQL): 11.2円/GB・月
GCP
Cloud SQL(HDD): 0.09USD/GB・月=9.9円/GB・月
オブジェクトストレージ
AWS
Amazon S3標準(500 TB/月以上): 0.021$/GB・月=2.31円/GB・月
Azure
Azure BLOBストレージ(ホット・LRS・500 TB 超/月): 2.14円/GB・月
GCP
https://cloud.google.com/storage/pricing?hl=ja#price-tables
のストレージ料金表がバグっていて読めないので割愛。
アーカイブ
AWS
Amazon S3 Glacier Deep Archive: 0.00099$/GB・月=0.109円/GB・月
Azure
Azure BLOBストレージ(アーカイブ・LRS・500 TB 超/月): 0.111円/GB・月
GCP
https://cloud.google.com/storage/pricing?hl=ja#price-tables
のストレージ料金表がバグっていて読めないので割愛。
データ転送
モバイル
見付けた中で最安はBIGLOBE biz.: M2M専用プラン/SMSなし/上り高速・下り低速: 15500円/300GB=51.7円
光回線
制限のないプロバイダなら建前上はいくらでも転送可能なはずだが、現実には難しいと思われる。
速度制限をしているプロバイダは上り30GBで制限をかけている例が多い。
また、フレッツ光のプロバイダ込み料金が5000円前後であることを考慮して、
5000円/30GB/30日=5.56円 とする。
オフライン転送
AWS
AWS Snowball: 250USD/80TB=0.344円/GB
Azure
Azure Data Box: (28000+10640)円/100TB=0.386円/GB
GCP
Transfer Appliance: 1800USB/480TB=0.413円/GB
所感・考察
- RDBMSでインスタンス費を無視したが現実には無視できず実際にはもっと高価
- クラウド間での差はあまりない
- BIGLOBのM2Mは上り特化とはいえ安過ぎて何か間違えている気もする
- 光回線については現実的に月間900GBも上げられるのかは疑問がある