対象読者
- Figmaを使うデザイナー
- Figmaを見ながらスタイルのコーディングをするエンジニア
なぜこの記事を書いたのか
弊社ではデザインシステムを構築しています。
テキストもコンポーネント化しているのですが、ある日エンジニアから上がってきたPull Requestを見ると font-weight: 700;
となっていたのです。
デザイナーとしては、太文字は font-wight: 600;
になる用にコンポーネントを作っていたので、なぜ700と指定されてしまったのか不思議でした。
原因を調査した結果、他でも嵌る可能性があるかもしれないと思ったので、今回記事に残そうと思いました。
すべての答えはFigmaにある
弊社で使っているFigmaの文字設定は下記のようにしています
font-familly | Figmaでのfont-weight | ブラウザでのfont-weightとして出力したい値 |
---|---|---|
Hiragino Kaku Gothic ProN | W3 | normal |
Hiragino Kaku Gothic ProN | W6 | 600 |
※iOSの Hiragino Sans
ではW3,W6,W8に絞られているので、この構成にしています。
※iOS13 Safariで font-weight: bold
が W8に割り振られるようになったため、弊社では明示的に font-weight: 600;
にしています。参考 2021年に最適なfont-familyの書き方 - ICS MEDIA
一部は下記で公開していますので、該当のテキストのコンポーネントも見ることができます。
FigmaのInspectで見てみると原因がわかった
font-familly | Figmaでのfont-weight | ブラウザでのfont-weightとして出力したい値 | FigmaのInspect |
---|---|---|---|
Hiragino Kaku Gothic ProN | W3 | normal | |
Hiragino Kaku Gothic ProN | W6 | 600 |
そう、 Hiragino Kaku Gothic ProN
のfont-weightが1段階太く表示されていたのです。
FigmaとFontの変換がうまくいっていないのでInspectが狂っているように見える
ググってみたところKiteさんのTweetを見つけました。
CSS の場合フォントウェイトは100〜900の9段階ですが、Hiragino Sans は W0〜W9 の10段階あるので、そもそもすべてを CSS で再現することはできませんが、W0 = 100 からスタートしてしまったため、1つずつズレたんでしょう。
— 𝐊𝐢𝐭𝐞 / KITERETZ inc. (@ixkaito) February 19, 2021
Hiragino Sans とは日本語では「ヒラギノ角ゴシック」のことで、macOS の新しい日本語システムフォントです。
— 𝐊𝐢𝐭𝐞 / KITERETZ inc. (@ixkaito) February 19, 2021
整理するとこうなります
Hiragino Sans
でまとめるとこうなります。
CSSのfont-weight(デフォルト) | Hiragino Sansのfont-weight | 理想のCSSのfont-weight | FigmaのInspectの表示 |
---|---|---|---|
- | W0 | - | 100 |
- | W1 | 100 | 200 |
- | W2 | 200 | 300 |
- | W3 | 300 | 400 |
normal | W4 | 400 | 500 |
- | W5 | 500 | 600 |
- | W6 | 600 | 700 |
bold | W7 | 700 | 800 |
- | W8 | 800 | 900 |
- | W9 | 900 | 900 |
他のヒラギノ系のフォントでInspectを見てみたら下記の結果になりました。
Figmaで調べたフォント | FigmaのInspectで見たときの数値 |
---|---|
ヒラギノ角ゴシック系のInspectが思った以上に狂っていたことがわかりました。
まとめ
FigmaのEditor権限があるデザイナーならば、InspectではなくDesignを見れば意図通りのfont-weightを見つけられますが、Viewer権限しかもっていないエンジニアの場合、Inspectを見て1段階太いfont-weightを指定していることがわかりました。
対策として、弊社ではナレッジ記事を作成し font-weight
の指定の意思統一をしました。
みなさんもヒラギノ系のフォントをご使用の場合はご注意ください。