WIN32APIをそのまま触るとつらかったのでラッパーにしてみました。Windows専用です。

Excelファイルのシート単位で2次元配列として読みだして、慣れてるオブジェクト操作をして、出来上がったものをシート単位で書きだそう、という考えを適用しています。2次元配列ならみんな慣れてるので楽です。

WIN32OLEを直接触ることで他の操作も可能です。

なお、ExcelのWIN32APIのラッパーはWrapExcelというGemがあります。

使い方

インスタンス生成時にファイルを指定します。相対パスでも絶対パスでも可能です。
存在しないファイルを指定した場合には、新規作成となります。

末行に値を追加する

xl = ExcelTable.new('Book1.xlsx')

# Sheet1を2次元配列として読み出す
# シートの指定は数字でも可能
table = xl.read("Sheet1") 
table # => [["tes"]]

# 2次元配列を編集する
row = ["hoge", "ふが", Time.now, true, false, nil, 33, 3.14 ] # これらが使用可能なオブジェクト
table << row # 1行追記する

# 2次元配列をSheet1に反映
xl.write(table, "Sheet1") 

# 変更を保存して終了
xl.close

実行結果↓

closeを忘れたり例外によって停止した場合、at_exitによってExcelを「変更を保存せずに終了」します。

コード

excel_arrays.rb

class ExcelTable
  def initialize(file_path)
    require 'win32ole'
    @excel = WIN32OLE.new('Excel.Application')
    @fp = WIN32OLE.new('Scripting.FileSystemObject').GetAbsolutePathName(file_path)
    # cf. http://d.hatena.ne.jp/maluboh/20070709/p1

    @wbook = if File.exist?(@fp)
      @excel.Workbooks.Open(@fp)
    else
      @excel.Workbooks.Add
    end

    @allow_type = [ String, Numeric, Time, TrueClass, FalseClass, NilClass ]
    raise "\n#{file_path} は既に開かれているか読み取り専用です" if @wbook.Readonly

    # 例外時でもちゃんと閉じる
    # (不十分な実装)@excelが既に閉じているかどうかを調べるWIN32API関数？
    at_exit{ begin close(false) rescue nil end }
  end
  attr_accessor :excel, :wbook, :allow_type, :fp

  def read(sheet_key=1)
    sheet2table(@wbook.sheets[sheet_key])
  end

  def write(table, sheet_key=1)
    value_type_checking = table.all?{|a| a.all?{|v| @allow_type.any?{|type|v.kind_of?(type)} } }
    raise "非対応の型が含まれています" unless value_type_checking
    table2sheet(table, @wbook.sheets[sheet_key])
  end

  def close(is_save=true)
    if is_save
      @excel.DisplayAlerts = false
      @wbook.SaveAs(@fp)
    end

    @wbook.Close
    @excel.Quit
  end

  private
  def sheet2table(sheet)
    sheet.UsedRange.Rows.each.map{|row|
      a = row.Value
      a[0].class == Array ? a[0] : [a]
    }
  rescue
    []
  end

  def table2sheet(table, sheet)
    table.each.with_index(1) do |arr, i|
      arr.each.with_index(1) do |val, j|
        sheet.Rows[i].Columns[j] = val
      end
    end
  end
end

おことわり

数式に対応していません。「=A1+A2」で計算結果が3.0のセルがあるとき、このラッパーはそれを3.0として読み込みます。さらに、ExcelTable#writeはシート上の数値を全て上から値貼り付けするので、もとの「=A1+A2」という情報は失われます。

存在しないシートを指定したなど、例外処理してない例外はmethod_missingになります。