これは何
この記事は、僕のプロダクトマネジメントに関する知見や考え方などをまとめたものです。
僕の経験や勉強してきたことをもとに、僕の解釈でプロダクトマネジメントについての記事をシリーズとして投稿していこうと思っています。
記事の内容で、それは違うよ、みたいなものがあればぜひコメントや編集リクエストをいただければ嬉しいです。
はじめに
プロダクトマネジメントとは、ビジネスをしていく上での総合格闘技的なスキルであり、ビジネス、プロダクト開発に関わる大半の人は学習をして損はしないものだと思っています。
しかし、「プロダクト」という言葉の曖昧さが、プロダクトマネジメントは自分には関係ない、と多くの人に思わせてしまう要因になっていると感じています。
そこで、第一回のこの記事では、「プロダクトとは何か」ということを説明していき、最後にプロダクトマネジメントの役割を説明できればと思っています。
プロダクトの定義
はじめに「プロダクト」という言葉を聞いて、みなさんどのような印象を持つでしょうか?
最近だとWebサービスなどを想像する人が多いでしょうか。もしかしたらお店で売っている商品などを思い浮かべる人もいるかもしれません。
Webサービスも商品もプロダクトと言って違和感はないように感じます。ではそれらはなぜプロダクトたりうるのでしょうか。
プロダクトという言葉は何かを定義しているようで、実態は少し曖昧です。
僕は以下の2つの性質を満たしているものは全てプロダクトだと考えています。
- ステークホルダーとのコミュニケーションがある
- ステークホルダーから作成者にポジティブなフィードバックがある
これらの性質についてもう少し説明していきます。
ステークホルダーとのコミュニケーションがある
ここで書いているコミュニケーションという表現は「接点とやりとり」という意味で使っています。
誰ともコミュニケーションが行われないものを作っても、それは存在していないことと同義です。
ステークホルダーとのコミュニケーションが存在して初めて、ものはプロダクトに変貌を遂げます。
この定義に当てはまるものは全てプロダクトになり得ると思っています。
例えばサービス業などでも、接点とやり取りがあるため、プロダクトとして考えることができます。
ステークホルダーからプロダクト作成者にポジティブなフィードバックがある
プロダクトはプロダクトとのコミュニケーションがあるステークホルダーから作成者(個人や企業など)にポジティブなフィードバックを必ず持っていると思います。
ポジティブなフィードバックとは以下のようなものです。
- 売上
- 他の事業の成長につながる情報
- 達成したい目的
ここはポジティブなフィードバックを持たないものはプロダクトとは呼べないと思っています。
逆にいうとポジティブなフィードバックがあるからこそ、人は何かを作るのではないでしょうか。
例えばプロダクトが成長すればするほど赤字になっていくような場合はあると思います。しかしそのような場合も赤字になる分、自分たにとって嬉しい何かをフィードバックとして享受することを目指しているはずです。もしそうではない場合は、できるだけ早くそのプロダクトはクローズした方が良いでしょう。
一般の企業の場合、1,2がポジティブなフィードバックになっていることがほとんどだと思います。3のような場合は、NPOやNGO、社内システムや個人などで達成したい何かの目的がある場合になります。
プロダクトは入れ子状に定義していくことができる
プロダクトの定義に書いてある性質を満たすものであれば、全てプロダクトと見ることができます。
そして、この考え方を持つことで特定のプロダクトに対して、より詳細にみたり、より抽象的にプロダクトを定義することができます。
例えばコンビニエンスストアは来店する顧客との「来店」と「会計」というコミュニケーションが存在し、やり取りを通して売上というポジティブなフィードバックがあるため、プロダクトとして見ることができます。そしてコンビニエンスストアに置いてある商品1つ1つも購入者と「食べる」「使う」というコミュニケーションが存在し、購入によって売上に繋がるためプロダクトと言えるでしょう。
このように、プロダクトはより小さなプロダクトの集合として成り立っており、複数のプロダクトを組み立てることでより大きなプロダクトとして見ることも可能になります。
会社で複数のプロダクトを運営している場合も同じようなことが言え、最終的に会社として1つの抽象化されたプロダクトについて考えることが経営という言葉に変わります。
プロダクトマネジメントの役割
プロダクトマネジメントの役割は、プロダクトマネジメントの定義で書いた
- ステークホルダーとのコミュニケーション
- ステークホルダーから作成者へのポジティブなフィードバック
を最大化することが全てです。
「ステークホルダーとのコミュニケーションを最大化する」とは以下のようなことを意味します。
- ステークホルダーとの一回あたりのコミュニケーションの価値を最大化する
- 一人当たりのステークホルダーとのコミュニケーション頻度を最大化する
- 一人当たりのステークホルダーとのコミュニケーション期間を最大化する
「ステークホルダーから作成者へのポジティブなフィードバックを最大化する」は以下のようなことを意味します。
- ステークホルダー1人当たりのポジティブフィードバックを最大化する
- ステークホルダーとの1コミュニケーションあたりのポジティブフィードバックを最大化する
- プロダクトとコミュニケーションをとるステークホルダーの数を最大化する
プロダクトマネージャーは
- ステークホルダーとのコミュニケーション
- ステークホルダーから作成者へのポジティブなフィードバック
を最大化することで、自分たちのポジティブフィードバックを最大化していくことがミッションになります。
この2つを達成していく上では、それぞれ以下のような領域が関わってきます。
- ステークホルダーとのコミュニケーション
- UI
- UX
- プロダクト開発
- ステークホルダーから作成者へのポジティブなフィードバック
- マーケティング
- セールス
- ブランディング
- PR
最大化するために具体的にどのようなことを考えていくのか、どのようなことを行なっていくのかは、それぞれで記事を書いていこうと思っています。
余談
最近は、「ステークホルダーとのコミュニケーション」と「ステークホルダーから作成者へのポジティブなフィードバック」をわけ、従来のプロダクトマネージャーを「プロダクトマネージャー」「プロダクトマーケティングマネージャー」として役割を分けることも増えてきています。
最後に
プロダクトの定義を読んでみてどう思いましたか?企業として行なっているもの、自分が生活している上で触れているものは全てプロダクトのような気がしてきます。逆に色々な職種にノウハウとして存在しているものを体系的にまとめ、一般化したものがプロダクトマネジメントなのかもしれません。このように、世の中には数え切れないほどのプロダクトが存在しています。プロダクトマネジメントの汎用性の高さ、重要度の高さを感じていただけたでしょうか。
どんな仕事、どんな事業に関わっていたとしても、プロダクトマネジメントを勉強することで、今とは違った世界の見方ができるようになるかもしれません。
今後継続的に僕の知見をアウトプットしていこうと思うので、その時はまた記事を手にとってもらえると幸いです。