この記事は何
エンジニアとしてキャリアを始め、開発はある程度できるようになった頃、
マネージャーから「視座を上げてほしい」と言われるようになった。
そんな経験をした方も多いのではないでしょうか?
視座の意味がわからず苦戦している方へ、少しでも「視座とは何か」伝わればいいなと思い書いた記事です。
視座の意味は調べてもよくわからない
フィードバックされた瞬間に「なにそれ?」となる言葉第一位が「視座を上げる」だと思っています。
そもそも普段聞き馴染みのない言葉ですし、調べても意味がいまいちピンときません。
例えば「視座とは」などで意味を調べてみると
物事を見る姿勢や立場。「人道主義的な—で発言する」
視座(しざ)とは? 意味・読み方・使い方をわかりやすく解説 - goo国語辞書 より引用
のような当たり障りのないことしか出て来ず、結局そもそも自分のなにが問題なのかさえわからない、という状態になりやすいです。
視座とは
僕の「視座」の解釈を書いていきます。
少なくとも僕がメンバーにフィードバックする際はここに書いたようなことを意図して「視座」という言葉を使っています。
視座とは、一言で言ってしまえば「得たインプットからどの広さまで思考がめぐる目をもてているか」ということだと思っています。
例えば勉強会に参加して何かの発表を聞いた時に
- 「発表の内容面白かったなぁ」
- 「発表の内容使って社内の課題解決できるかもしれないから明日会社で提案しよう」
のような感想を持った人たちがいたら、
1の人より2の人の方が色々考えてそうなことは一目瞭然ではないでしょうか?
これが「視座」というものによって生まれる違いだと思います。
視座をどう高めるのか
視座が「得たインプットからどの広さまで思考がめぐる目をもてているか」だとして、
その目はどのように培われるのでしょうか?
僕は視座を高めるためには「問い」を立てることから練習することが大事だと思います。
そもそも何故前項の例ではインプットから会社の課題解決や組織の採用の課題にまで目がいったのでしょうか?
それは「そういう思考」をしていたからなはずです。
つまり、発表を聞いたタイミングで思考が突然生まれたのではなく
社内の課題を解決するためにはどうすれば良いか
という思考を続けている中でインプットをしたことで、ひらめきが生まれたという状態だと思います。
つまり視座の高い人はインプットをする前からそもそもの問いを自分の中に持っているということになります。
この問いは自分で作る人もいればミッションとして与えられることもあります。
しかし、少なくともなにかしらの方法でその「問い」を脳内で常に常駐させておく、という状態になっていればいわゆる視座の高い振る舞いは自然とできていくと思っています。
自分の視座を認識することはできない
自分はそもそも視座が高いのか低いのかわからない、という悩みを抱えている方もよくいる気がします。
これに対しての答えは「僕も分かりません」です。
前項にも書いた通り、視座の高さは「問い」を自分の中にもてているかどうかでしかありません。
何かしらのスタンスだったり、徳の高さみたいなそういうモラル的なもので上がるわけではないです。
周りから見たら「色々考えているなぁ」と思われるかもしれませんが、当の本人はただ設定した/された問いにただ向き合っているだけのような状態のはずです。
それをなかなか客観的に「今視座高くなっているかも」のように考えるのはいささか難しそうです。
自分が「視座が高いかどうか」を考えるよりも、「今自分はなにかしらの問いに向き合えているかどうか」を考える方が良いかもしれません。きっとそのような営みの中で視座は勝手に上がっていくのではないでしょうか。
結局エンジニアは視座を上げる必要はあるのか?
ここまで視座について色々書いてきましたが、「結局エンジニアに視座の高さは必要あるのか」という疑問も出てきそうです。
僕の考えでは明確に「YES」です。
というかエンジニアとして食べていこうと本気で思っているのであれば、必然的に視座は上がっていくものだと思っています。
理由は簡単で、視座が上がっていくという中での「問いへの向き合い」こそが、エンジニアとしての価値発揮に直結しているからです。
誰でも同じことをし続けていることで同じ対価を得ることができるなら嬉しいですが、
人間は歳をとりますし、技術も日々進歩していきます。
近い将来、義務教育としてプログラミングを学んでいた世代が社会人になります。
そうやってどう足掻いても何かが進歩、アップデートされていく中でエンジニアとして食べていくためには、新たな価値発揮が必要になるはずです。
価値発揮の仕方は千差万別だと思います。開発スキルを極めるような道もあれば、開発以外のスキルを身につけていくような道もあると思います。
しかし、どのような道を進むにしても「どのように今まで以上の価値発揮をするのか」
という問いに向き合わざるをえません。
例えば開発スキルを極めるのであれば「より価値のある開発スキルを身につけるためにはどうすれば良いか」と思いながら日々のインプットをしていくことになるはずです。
「どういう技術を身につければ会社で価値を評価してもらえるか」という問いに向き合いながら色々インプットしていると、気がついたら「今学んだこの技術は社内の何かの課題にマッチしそうか」と日々考えるようにもなったりするでしょう。
それは俗にいう「視座が高い」状態になっているのではないでしょうか。
終わりに
偉そうに色々書きましたが、僕自身も視座が高いかどうかはよくわかっておりません(記事に書いた通りです)
今回書いたこの記事も僕の解釈でしかないので、ぜひ「こういう考え方もあるんじゃない?」などアドバイスあればいただけると嬉しいです。